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      <title>kato takao | weblog</title>
      <link>https://keeponmusic.com/katotakao/</link>
      <description>ロボピッチャー・かとうたかおのweblog</description>
      <language>ja</language>
      <copyright>Copyright 2024</copyright>
      <lastBuildDate>Thu, 12 Sep 2024 15:05:09 +0900</lastBuildDate>
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            <item>
         <title>静かな熱狂を生むリアル脱出ゲームを作りたいと思ったのです</title>
         <description><![CDATA[<p>「学校の77不思議からの脱出」の企画が動き出したのは去年の春で、代々木にあるSCRAPの事務所にヨーロッパ企画の上田君と酒井君が打ち合わせにやってきてくれた。<br />
僕はそもそも彼らの演劇公演である「ギョエー！旧校舎の77不思議」という作品が大好きで、あの作品の持つ膨大なエネルギーと、そのエネルギーが小さな怪異の集積から生まれていることに強い憧れみたいなものを持っていた。<br />
怪異とは本来そこにあるような当たり前のことであってはならず、物理法則を無視した不可解なことでなくてはならないはずなのに、ヨーロッパ企画の舞台上では滑稽かつ驚くべき怪異が縦横無尽に闊歩し、それらは特別なテクノロジーとは無縁で、ただただアイデアのみで構成されたすばらしい怪異たちだった。<br />
いつかあんなものを作ってみたいとこっそり思っていたわけではなかったのだけど、ある時ふと思いついたあるアイデアとヨーロッパ企画の「ギョエー！旧校舎の77不思議」がぴたりとくっついて、むくむくとこのゲームが勝手に僕の頭の中で形になっていった。</p>

<p>人間も年を重ねてくると、少しずつ静かな場所を好むようになる。<br />
僕はもともと若い時からそこまで騒々しい場所が好きだったわけではないけれど、それでも<br />
今よりは騒がしい場所にウキウキと出かけていく回数は多かった。<br />
最近はなるべく静かな場所に身を置きたいし、聴く音楽の質も静かなものに変わってきたし、歌舞伎町タワーの中にあるテクノ居酒屋みたいな場所ではビールを一杯飲み終わる前に頭の奥がじわじわと痛くなってくる。<br />
世の中に溢れる刺激にちょっと身体が対応できなくなりつつあるというか、どうもそれが身の丈に合わない痛みのようなものに思えてくる。<br />
リアル脱出ゲームにおいて、流ちょうに語り掛けてくる司会や、くるくると回る照明も、迫力のある映像も、チェックポイントで起こる驚くべき演出も、どれもこれもすばらしい熱狂を生むもので、その発展をうれしく思っていたし、誇らしく思ってすらいた。<br />
でもふと自分の好みが少しずつ静謐なものに向かっていくことに気づいた時に、この感じを謎解きの中に組み込めないのかなあと思った。<br />
例えばそれは静かな図書館でひっそりと調べ物をするときに生まれる心の動きだったり、何もない場所をじっと見つめていてふと気づく違和感のようなものだったり、当たり前のものが当たり前でないことに気づいた時の急に不安になるようなあの感じ。<br />
そんなものを謎解きの世界にうまく持ち込めないかなあと思っていた時に、突然ヨーロッパ企画の「ギョエー！旧校舎の77不思議」が結びついた。</p>

<p>そうだ。<br />
旧校舎を作ってしまえばいい。<br />
そこには図書室があって、理科室があって、保健室だってある。<br />
人気のないその場所で僕らは違和感を探す。<br />
一見なんでもなく見える旧校舎。ただの古ぼけた木造の建物。まるでなにかが棲みついているようだけど、姿は見えない。気配はする。不思議な物音もする。でも姿は見えない。<br />
なぜかあなたはその場所に来たことがあるような気がする。<br />
ここはいつか思い描いた不思議な場所。<br />
かつてたくさんの生徒たちが学んだ喧騒が壁や机に沁みこんで、それがかえって今ある静寂を強めているように思える。<br />
目を凝らすとみつかる様々な違和感。怪異。<br />
最新式のテクノロジーが必要ないことはヨーロッパ企画から学んでいた。<br />
必要なのはアイデアと「それがそこにあるべき理由」だけだ。<br />
つまり、僕はその学校があるための特別な物語を必要としていた。</p>

<p>去年の春、上田君と酒井君と話しながら、たくさんの怪異について話し、ギョエーを作るときの苦労話を聞き、じゃあ制作をはじめてみましょうと合意して、長い長い期間僕らは会議をして、嘘みたいな量のラインのやり取りをして、なぜだろう18ヵ月も時間があったはずなのに、最終的に「今晩中に脚本が仕上がらないともう撮影できない！」ってところまで追い詰められた。それが誰のせいだったのかは諸説ある。時空をゆがめる怪異がいたのかもしれない。</p>

<p>出来上がったゲームは、僕が想像していたよりも少しカラフルになった。<br />
物語がすばらしいからだ。<br />
そしてヨーロッパ企画の面々が登場する映像がとてつもなく芳醇にその世界を深めてくれているからだ。<br />
それでもやはり、ぎゃっと声を上げて驚くようなシーンはないし、興奮して拍手をしたくなるシーンもない。この学校の中にある言葉は、あなただけに向けて小さな声で語られて、たくさんの怪異たちはあなたにみつけられるのをひっそりとただ静かに学校の埃の中で待ち望んでいる。</p>

<p>さて、あなたはこう思っただろうか？<br />
それはなんて地味なゲームで、面白みに書けるのだろうと。<br />
静かな場所を歩き回り、ただの間違い探しをするだけなんじゃないかと。<br />
でももちろんそんなことはない。<br />
そのただの「間違い探し」は精密さを極め、さらに物語と複雑に絡み合い、ひどくしっとりとした熱狂を生み出す。<br />
図書館の隅っこで見つけた書き込みから、ミッシングリンクが繋がっていく。<br />
別々に存在していた意味のないものが、繋がることで意味を成し、あなたの感情は大きく揺さぶられるだろう。</p>

<p>全６章の壮大な物語を体感できるゲームを作った。<br />
このゲームには制限時間はない。<br />
怪異渦巻く旧校舎の中で、自由に動き回り、隠された物語を導き出し、時には食堂で揚げパンとコーヒー牛乳を飲み（これがとんでもなく本当においしいのです！）そして霊と愉快な会話を交わすことができる。<br />
あなたのペースで。あなたのやり方で。</p>

<p>そんなゲームを僕らは作った。<br />
作れたことを誇らしく思うし、やってやったなと思っている。</p>

<p>長い長い期間一緒に走ってくれたヨーロッパ企画の酒井君と、黒幕となって酒井君を支えてくれていた上田君に大きな感謝を。あなたたちがいなくてはこのゲームは影も形もなかっただろう。<br />
ヨーロッパ企画のみなさま。本当にご迷惑をおかけしました。映像撮影チームのみなさまには本当に心からの謝罪と感謝を。まだ続きます。引き続きよろしくお願いします。<br />
このゲームを制作してくれたSCRAPのチームは大変だったと思う。まったく前例のない戦いに身を置き、わがままで日和見なディレクターのアイデアを形にするために奔走してくれた。ありがとう<br />
SCRAP美術チームはおそらく世界でも有数の謎解きの美術を作るチームだろう。旧校舎が新宿のビルの三階に出来上がるなんて誰が想像できただろうか。完璧な仕事だったと思います。本当にありがとう。<br />
一年半にわたって一緒にアイデアを出し続けてくれたクリエイティブチームは膨大な時間をこのプロジェクトに費やさざるを得なかった。本当に本当にお世話になりました。出来上がったものを見て誇らしく思ってくれていたらよいのだけど。<br />
TMCのスタッフの運営能力は目を見張るものがあった。きっとこれからやってくるお客さんたちが得る深い満足は彼らの卓越した仕事ぶりのおかげってことになるだろう。<br />
クラウドファンディングに協力してくれたたくさんの人たちもありがとう。自分たちが作っているものを楽しみにしている人たちの存在が、僕らをずっと励ましていました。</p>

<p>この物語は全６章でまだ始まったばかり。<br />
今はまだ１，２章だけが公開されている。<br />
入れない場所もあり、解けない謎もたくさん隠されている。<br />
そういうのを見つめながら未来に心を馳せて楽しみにしてくれたら望外の喜びです。<br />
未来に楽しみができるのは、生きていく喜びの一つになるから。</p>

<p>どうか1人でもたくさんの人たちがこのすばらしいゲームを遊んでくれますように。<br />
それは静かな熱狂を生む謎解きゲームで、本当の意味で物語に没入できるゲームで、今この世界にこれよりおもしろいものは一つも存在しない！と少なくとも僕だけはこっそりと信じているのです。</p>

<p>https://realdgame.jp/s/77fushigi/</p>

<p>SCRAP　加藤隆生<br />
</p>]]></description>
         <link>https://keeponmusic.com/katotakao/2409121505/</link>
         <guid>https://keeponmusic.com/katotakao/2409121505/</guid>
         <category></category>
         <pubDate>Thu, 12 Sep 2024 15:05:09 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>ロボピッチャーの17年ぶりのアルバムが発売されました！</title>
         <description><![CDATA[<p>17年ぶりにアルバムを発売するってどんな気持ちになるんだろうと思いながら今日を待っていたのですが<br />
17年ぶりにアルバムを発売した人にしかわからない気持ちになったので形容のしようがない。<br />
誇らしいような恥ずかしいような突き進みたいような立ち止まって考えてみたいような。</p>

<p>17年ぶりのアルバムとはいうものの、レコーディングしたのは14年前とかでして。<br />
当時のロボピッチャーといえば、3枚のミニアルバムを発売して、1枚のフルアルバムを発売して<br />
その結果として、レコード会社、レーベル、音楽事務所などの契約がすべてなくなって<br />
さてとこれから一体俺たちはどうしていくんだ？ってなってました。<br />
そんな気持ちの中でこのアルバムは作られました。<br />
CDにしてくれる人が誰もいなかったので、配信のみで発売されました。<br />
結果としてそれが功を奏して、JASRACに登録していなかったので自由に使えるってことで<br />
リアル脱出ゲームのエンディングとかでアルバムの一曲目である「限りある世界で」が使われまくることになりました。<br />
おそらく僕が作った曲の中でもっともたくさんの人に聴かれた曲であろうよ。</p>

<p>この頃の自分が一体何を考えていたのかもうはっきり覚えていない。<br />
死にたくなるような不安感と、俺は絶対誰かにどこかで必要とされているという根拠のない自信を<br />
行ったり来たりしながら生きていたんだと思う。<br />
音楽家としてはもう最後通告というか結果が出ていて<br />
「お前はもう才能がないんだよ」って世界中から言われたような気がしていた。<br />
たくさんの人たちが関わってくれたロボピッチャープロジェクトという一つの祭りが終わろうとしていて。<br />
少しずつみんなが離れていって、申し訳なさそうな顔しながら離れていく人も<br />
ざまあみろ！って感じで離れていく人もいて、この人たちの顔を全員覚えておこうと思ったのを覚えている。</p>

<p>良い音楽って難しいですよね。<br />
周りにはまだ絶賛してくれるお客さんもいて、ライブをすれば一番前の席で泣いている女の子とかがいて、<br />
自分でも自分の書く曲がどう考えても世界で一番かっこいいと思っていて<br />
それでもただたった一つの問題が「ファンが増えない」ってことで。<br />
ファンが増えないといっても、僕らの常識からいえばすごいたくさんのお客さんが来ていて<br />
何千人っていう人がロボピッチャーのCDを聴いてくれて<br />
でもそれじゃビジネスにはならないといわれ続けて、一体どうすればいいのかさっぱりわかんないときの僕がこのアルバムの中に閉じ込められています。</p>

<p>このアルバムには切り裂くような強い言葉は使われていない。<br />
可能な限り早く生きて、可能な限り早く別の意味になってやりたかったこれまでのアルバムとは違って<br />
その場所で立ち止まって、これからどうしようかを逡巡する30前半の不完全な男子が焼き付けられている。<br />
だから僕は手紙を破り捨てて<br />
世界に限りがあることを悟り<br />
死んでしまったパンダーマンに売れない言い訳をして<br />
愛されない自分たちをタングラムに見立てて<br />
質問を繰り返し続けた。</p>

<p>ここで立ち止まったからリアル脱出ゲームが生まれたというのはたぶん言い過ぎではなく、<br />
ひたすらカルトローカルヒーローであろうとし続けた僕が、<br />
（いやあるいはそれしか目指せなかったのだろうけれど）<br />
身近なイベント、身近な言葉、身近な企画以外のものを手にしようとする直前の屈伸がここにある。</p>

<p>いやちょっと待て。<br />
CD発売の宣伝のためのblogで何を独り言を書き続けてるんだ俺は。<br />
年を取ると話が長くなっていけない。<br />
まあどうぞ聴いてみてください。<br />
あなたの人生に寄り添うような一曲があればいいのですが。</p>

<p>僕の人生の交差点的な作品として、もうCDの中にはふんだんに謎を盛り込みました。<br />
音楽と謎は別だよとか言ってた自分よ消え去れ！<br />
俺が作ったもんだから恥ずかしげもなくごった煮に合わせてお届けします。<br />
謎を作ってくれたのは熱烈マングースのチェロでも同じに山本渉です！</p>

<p>一万人の前で司会をした翌週のライブに30人しかお客さんが来なかったり<br />
年間100万人お客さんが来るのにライブは年間200人も来なかったり<br />
音楽の告知をするときはTwitterのいいねもほとんどつかなかったり<br />
「なんで加藤さんって音楽やってるんだろね？」などと陰口叩かれてるであろうことも知りつつ<br />
それでもやっぱり「もうやめよう」とは思わないのは<br />
今に至ってもやはり僕は僕のつくる曲が世界で一番すごいと信じて疑ってはいないし<br />
その世界一すごい曲をさらにすごくしてくれるのはロボピッチャーのメンバーであることはもう自明の理であり<br />
ロボピッチャーのことを好きだと言ってくれる人は世界一センスのいい人であることを<br />
ほんの一ミリも疑ってなどいないからです。</p>

<p>このアルバムを出すためにたくさんの人たちに協力してもらいました。<br />
すばらしいジャケットを作ってくれた白木さん。<br />
「これはCDにして出すべきだ！」と言ってくれ、最後まで責任をもって進めてくれた飯田君。<br />
SCRAPのグッズとして出すために手を動かしてくれた津田さん。<br />
宣伝を率先してやってくれた横供さん。<br />
その他さまざまな大変なことをやってくれたSCRAPのみなさま。<br />
謎を作ってくれた山本君。<br />
僕に音楽を続けることを許してくれている熱烈マングースのみんな。<br />
いつも適切なタイミングで励ましてくれる家族。<br />
大きな棚に並べてくれたタワーレコードのみなさま。<br />
泥酔しながらも「加藤さんは結局音楽を続けるしかないんですよ」と言ってくれた日テレの依田さん。<br />
販売＆宣伝してくれているリアル脱出ゲームの店舗のみなさま<br />
CDを印刷してくれた印刷会社の方。<br />
CDを運んでくれた運送会社の方。<br />
一体どれだけの人たちのおかげで僕らが今こうしていられるのだろうと思います。<br />
ありがとう。ありがとう。ありがとう。<br />
ありがとう以上の「ありがとう的な言葉」を知っていたらそれを使いたいのだけど<br />
ありがとうしか知らないからありがとうと言います。<br />
ありがとう。</p>

<p>とてつもなく特別なアルバムになりました。<br />
どうか聴いてみてください。<br />
もしめちゃくちゃいいと思ったならSNSで感想などつぶやいてやってくれ。<br />
ロボピッチャーのことを想ったあなたの言葉をちゃんと見つけ出します。</p>

<p>では長く長く長くなってしまいましたが、聴いてやってください。</p>

<p>購入はこちら！<br />
https://www.scrapgoods.jp/c/robopitcher/SCR-03-2477</p>

<p>謎はないけどサブスクで聴くならばこちらから！<br />
https://linkco.re/erPHhNz0</p>

<p>そしてレコ発ライブも行います！<br />
ロボピッチャーライブバンドです！<br />
アルバムを聴いて少しでも良いと思ってくれたならライブはもうめちゃくちゃかっこいいです！<br />
京都磔磔 4月29日（土）19:00<br />
下北沢BASEMENT BAR 5月21日（日）12:30<br />
詳細＆チケット予約はこちらから！ http://robopitcher.com/live/live.html</p>

<p>17年ぶりのアルバム発売に緊張してます。<br />
とにかく1人でもたくさんの人たちに聴いてもらいたい！<br />
そしてたくさんの感想も聞いてみたいです！</p>

<p>それでは！</p>

<p>ロボピッチャー　加藤隆生<br />
</p>]]></description>
         <link>https://keeponmusic.com/katotakao/2304122102/</link>
         <guid>https://keeponmusic.com/katotakao/2304122102/</guid>
         <category></category>
         <pubDate>Wed, 12 Apr 2023 21:02:12 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>なにか色々あった年だから、振り返ってみようかなと</title>
         <description><![CDATA[<p>あの時を境に自分の人生が方向性を変えたなあっていう年がいくつかあって。<br />
例えば2007年なんかは僕の人生がガラッと変わり始めた年です。その年にリアル脱出ゲームを思いついた。</p>

<p>2022年もひょっとしたら後から思い返すと「人生のターニングポイントだったなあ」と思うかもしれない年だった。<br />
まず端的にいうと生と死があった。<br />
父が死去し、三人目の子供が生まれた。<br />
48歳にして子供が生まれたのは良いことのような気もするし、絶望的に不安定な気もする。<br />
まあ隣で眠っている危うくも尊い存在に励まされたりもするので今のところいいんだろう。<br />
がんばって筋トレなどをしているのも、この男子が中学生の時に家庭内暴力をふるったときに<br />
父の威厳（筋肉）でねじ伏せたいという気持ちが少しはあるのかもしれない。<br />
口喧嘩で負ける気はしないが、いきり立った男子が立ち向かってきたときに吹き飛ばされない力は欲しい。<br />
彼が成人する時に自分が68歳になっている件に関しては目を覆いたくもなるけれど<br />
二十歳にして道に迷う彼に（おれの子だ。間違いなく迷うだろう）なんらかの方向性くらいは<br />
示せるように矍鑠としていたいものである。</p>

<p>矍鑠（かくしゃく）ってこんな難しい漢字だったんだな。知らなかった。<br />
日常生活ではよく使う印象だけど、普通は使わないのかな。</p>

<p>父の死は結構深く様々なことを思わせた。<br />
まだ上の世代が身近にいるという安心感がなくなり、最後の防波堤が突破されたぞー！<br />
いよいよ次死ぬのはお前だぞー！って言われてるような気持にもなった。<br />
母は健在で毎日プールで泳いでるらしいから、まだ防波堤の片翼は健在なのだが<br />
だからといって安閑としていられるわけでもない。<br />
自分の人生での積み残しはないのかと考えざるを得なかった。</p>

<p>リアル脱出ゲームでいえば「びっくり謎射的場からの脱出」と「大雪山に潜む刺青囚人からの脱出」の二つを作った。<br />
前者は一つのコンセプトだけで引っ張り切った快作。射的が嫌いな人は嫌いだろうけど、<br />
タイトルに射的って書いてあるから嫌いな人は来ないだろう。<br />
そして射的が好きな人か好きでも嫌いでもない人には刺さるだろう物をつくった。<br />
こういうワンアイデアで突っ切るものをもっと作りたい。<br />
後者の作品は楽しんで作った。たくさんの人たちに協力してもらいながら気楽に作った気がする。<br />
原作が持つ力を素直に受け取ったらこんな形になった。最後はごり押しで僕っぽさが入っています。</p>

<p>2022年は久しぶりにたくさん本を読んだ。<br />
過去の名作ミステリーをきちんと読んでみて、『十角館の殺人』や『殺戮にいたる病』がとてつもなく面白いことを知った。<br />
もっと早く読んでおけよ俺。ばか。<br />
SCRAPミステリー研究会というのを作って、毎月課題図書を決めて、読み終わったら飲みながら感想会をするんだけど、<br />
それがとてつもなく楽しくて、自分の気持ちをリアルで共有することの大切さを思いしった。<br />
この楽しさは次につながる大切な楽しさだと思う。絶えず意識して生きていこう。<br />
他に面白かった小説は『われら闇より天を見る』『本と鍵の季節』『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』『新世界より』『荒野へ』『かがみの孤城』など。<br />
おもしろかったマンガは『女の園の星』『大宰相』『ゴールデンカムイ』『ワンピース』『チェンソーマン』『イチジョウ』『薬屋のひとりごと』『BLUE GIANT EXPLORER』（映画楽しみですね）『グラゼニ』などなどー。</p>

<p>ゲームはあんまりできなかったな。<br />
チュニックは面白かった。あとはぷよ将棋で詰将棋をひたすらやっていた印象。<br />
おもしろいゲームにはまりたい。</p>

<p>SCRAPとしては『絶体絶命ワンダーランドからの脱出』と『DETECTIVE X CASE FILE #1 御仏の殺人』が作れた年だった。<br />
名作なのでまだの方はぜひやってください。<br />
その他は『追憶のハロウィンからの脱出』『HOTELブルーローズの99の部屋』などを完成させられたことは未来に必ずつながっていくと思う。</p>

<p>望んだ以上の楽しさがあり、それゆえの悲しみも感じた年だった。<br />
酔っぱらった帰り道に、喜びと悲しみの間くらいでいろんなことを思いついた。<br />
それはたぶん必要な感情だったんだろう。必要のない感情なんてないのかもな。</p>

<p>意外と音楽活動もがんばった。<br />
ロボピッチャーも復活したし！今年もライブするので来てくださいね。<br />
＜ロボピッチャー　詳細未定＞<br />
●2023年4月29日(土)　<br />
　京都　磔磔　<br />
●2023年5月21日(日)　<br />
　東京　下北沢　Basement Bar</p>

<p>熱烈マングースのライブもちゃんとやりきった。<br />
止まるのがもう怖いんだと思う。無理なくやれるところまではコツコツ続けようと思っています。<br />
ライブのたびに新曲を作れるからうれしいし楽しい。<br />
新曲は自分がある一定の時間を過ごした証みたいなものだから、生まれるたびに無上の喜びを感じている。</p>

<p>あと、ラジオをすごく聴いた！<br />
オールナイトニッポンのサブスクに入って、オードリーとくりぃむしちゅーのラジオを狂ったように聴いていた。<br />
僕がちゃんと毎週聞いていたラジオはウッチャンナンチャンとか大槻ケンヂとかだから<br />
もう30年ぶりくらいにラジオにはまっている。移動時間がすべて最高の時間になります。</p>

<p>2022年でわかったことは、今のままを続けていたら確実に廃れていくってことだ。<br />
これまでもずっとわかってた。今までにないものをつくることが僕らのすべきことだと知っていた。<br />
でもコロナの猛威の中で一瞬心の中に入り込んだ悪魔みたいなやつに気をとられて<br />
なるべく外さない、なるべく誰しも楽しめるものばかりを作ろうとしていなかっただろうか。<br />
エンターテインメントの根幹を揺るがすような何かをいつでも作れるように。<br />
今すでにあるものをすべて憎むように。<br />
今あるものに満足せず、ただ何がないのかについて考え続けるようにしなくては<br />
僕らはもうあと数年後にはいなくなっているだろう。<br />
新しい価値を生み続けることをやめてはいけない。その歩みこそが価値になっていくのだから。</p>

<p>今年の抱負はなるべくたくさんのことを楽しめるようになること。<br />
深く考えずに軽やかに快楽を摂取していくこと。<br />
そしてその当然の帰結として、人類史上なかったようなアウトプットを出し続けること。</p>

<p>そんなところです。<br />
酔っぱらって文章書くと長くなりますね。<br />
今年はもう少し気楽に文章を書く機会が増えたらいいけど。<br />
今更blogがんばるってのもどうなんかな。かといって俺が急にTikTokがんばりだしても噴飯だろうしな。</p>

<p>旧年中はお世話になりました。<br />
我々のこと（我々のつくったもの）を少しでも好きでいてくださるみなさまのおかげでなんとか生き延びました。<br />
せっかくいただいた生なので大切に使おうと思います。<br />
結局のところ僕らにできることは、目を凝らして世界を見て、体の中に充満する退屈をかき集めて<br />
「今何があれば楽しいだろうか？」を考え続け、それを現出せしめることだけです。<br />
やってやるさ。世界中から退屈を消してやる。<br />
そしたら暇な奴らがやってる戦争なんかすぐ消し飛んでしまうだろう。<br />
遊びがいかに偉大であるかを知らしめる年にするか。2023。</p>

<p>そんなこんなで今年もよろしくお願いいたします。</p>

<p>加藤隆生</p>]]></description>
         <link>https://keeponmusic.com/katotakao/230109044/</link>
         <guid>https://keeponmusic.com/katotakao/230109044/</guid>
         <category></category>
         <pubDate>Mon, 09 Jan 2023 00:44:10 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>2022年の夏について</title>
         <description><![CDATA[<p>夏が終わりそうでビビっている。<br />
急激に始まって急激に終わるな今年の夏は。いや、夏なんて毎年そんなもんか。</p>

<p>季節が４つあって、一年が12ヵ月なら一つの季節は３ヵ月ってことになるか。<br />
６，７，８月が夏なのだとして、なかなか得難い体験をした夏だったので夏について書く。</p>

<p>まず6月に父が死んだ。<br />
それは前回のブログにも書いた。<br />
ブログて。<br />
まだブログなんて言う言葉が残ってるのか。なんの影響力を持ってるのか。<br />
とはいえ今更TikTokで父の死を発表するのも変な気がするので、まあブログですな。しかたない。</p>

<p>父の死については前回も書いたけれど想像よりもうんとしょんぼりした。<br />
たぶんまだしょんぼりが残ってる。<br />
さすがに47歳にもなってまだ父の死にしょんぼりしてると書くと恥ずかしいから書かないけれど、まだ少しだけしょんぼりしてる。<br />
少しだけだよ。</p>

<p>で、7月に三人目の子供が産まれた。<br />
子供が産まれるってすごいな。<br />
昨日までいなかった人間が今日はいるんだもんな。<br />
毎日泣いていやがる。<br />
そんなに泣き続けるほど世界は悲しいか。<br />
まあそうかもな。今のうちに一生分泣いておくのも手かもしれんな。</p>

<p>6月に死があり、7月に生誕があり、8月は何があるんだろうと思っていたら自転車が盗まれた。<br />
６年くらい乗っていた愛着のある自転車だったのでこれも結構心をえぐられた。かなしかった。</p>

<p>まあそんな風に夏が過ぎていった。<br />
相変わらずコロナはそばにいて、相変わらず15年前に作ったゲームは人々を喜ばせたい悔しがらせたり。<br />
たくさんの人と飲んだり話したりしたけれど、どうしてもそれ以外の人生のごたごたが、人々との会話や邂逅を濁らせていたかもしれない。</p>

<p>さて、三人の子供の父となった。<br />
僕が君らをどれくらい愛しているか書いておいたほうがいいだろうか。<br />
いや、それは日々コツコツと伝えていったほうがいいな。<br />
毎日社員にやってることだ。たやすい。<br />
大人になってこの日記を見て、もし僕からの愛が足りていなかったと思ったなら、<br />
まっすぐな目で僕にそれを伝えてくれればいい。<br />
僕もまっすぐな目で応えるよ。<br />
愛なんか少しも信じちゃいないし、永遠なんかに思いを馳せるのはくそくらえだと。<br />
ただ、今隣にあるぬくもりだけを信じなさいねと。<br />
その時隣に俺もいられたら、うれしいけれど。</p>

<p>「ねえパパがまたゲームしてるよ」と子供たちが言う。<br />
「それもパパの仕事なのよ」と妻が言う。<br />
そうだよ、という顔で僕はスマホから目を離さない。<br />
でも、実は大半が仕事とは関係ないゲームなんだ。すまん。<br />
さあ、この不誠実さが世界を変えるエンターテインメントを生むのだと、僕は信じて疑わない。<br />
そうして、夏の終わりにイモータリティをし続けた父でした。<br />
俺がいつか作るものが、君たちすら感動させられたらどんなにいいだろうと思ってる。<br />
そんな夢を見ながら、今日も企画書を書いてるよ。<br />
また未来で会おう。</p>

<p>じゃね。<br />
</p>]]></description>
         <link>https://keeponmusic.com/katotakao/220904136/</link>
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         <pubDate>Sun, 04 Sep 2022 01:36:47 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>父が他界しまして</title>
         <description><![CDATA[<p>父が他界しまして。</p>

<p>おおよその人には訪れるであろう人生の悲劇的イベントについて、<br />
いまいちきちんと想像できておらず<br />
受け身をとれないまま迎えてしまって<br />
想像していたよりもこんなにかなしいんだなと衝撃を受けた。</p>

<p>僕は父と暮らしたのは大体10歳までで。<br />
物心ついてからでいえば５年くらいしか一緒に暮らしていない。<br />
37年くらい別々に暮らしていた人に対して自分がどんな感情を持てばいいのか<br />
ちゃんと結論を出せていなかったように思う。</p>

<p>別々に暮らしていたとはいえ、月に一回くらいは会っていた。<br />
特に何かを話し込むでもないけれどそっとそばにいて、<br />
最近読んだ本の話をしたり、パチンコに一緒に行ったり<br />
家で映画を観たり、一緒にドラクエやトルネコの冒険をしてた。</p>

<p>カードゲームが強くて、花札やトランプを教えてもらったり<br />
でも麻雀は「レベルが違いすぎてやる気がしない」という理由で教えてもらえなかった。<br />
教えておいてくれよ、そこは。</p>

<p>父は世の中のほとんどの当時の父親とは違って<br />
ジャンクなエンターテインメントを積極的に摂取する人で。<br />
僕が小学生の時に「最近始まったこの漫画は面白いぞ！」<br />
とあだち充の「タッチ」の一巻を買って帰ってきたりした。<br />
家には漫画や小説がたくさんあって、ゲームをすることもそこまで反対されなかった。</p>

<p>酔うとやらかす人で。<br />
数々の失敗談がある。<br />
子供のころは父が飲み始めると暗い気持ちになった。<br />
人が変わったように話し始めて、その話はどこに着地するのかまったくわからなかった。<br />
通夜の席でもみんな父と飲んだ時のひどい話をしてたな。</p>

<p>派手な人ではなかった。<br />
完璧に誠実な人だったわけではないが、人生に対してまっすぐであろうとしてたんだとは思う。<br />
彼の最大の功績は、30代になっても無職でふらふらと音楽をやっていた長男に<br />
「おい！おまえなにやってんだ！就職しろ！」的なことを一切言わなかったことだ笑。<br />
父から、人生の指南を受けた覚えはない。<br />
いろんなエピソードや、いろんな話はしたけれど<br />
「こういう風に生きるべきだ」という話を強く言われたことはない。</p>

<p>けなすためのボキャブラリーは豊富だけど、ほめる言葉は少なくて、あんまり褒められたことはない。<br />
あらゆる種類のけなし言葉を言われたけれど、たいして傷ついた記憶がないのは<br />
それが本心から言われたわけじゃないとわかってたからなのかもしれない。<br />
父が僕のことをどう思ってたのかはよくわからんな。</p>

<p>アドバイスしてくれたことは二つあった。今思い出したけれど。<br />
SCRAPを作って二年くらいたった時に、税理士から提示された僕の報酬が多すぎて混乱していた時に<br />
父から言われたのは「もらっておけばいい。どうせ会社はいずれ傾くんだから、その時に使えばいい」と。<br />
普通の人からしたらずいぶんな額をもらったけれど、経営者の金はどうせ自分の金にはならないと。<br />
いざとなったらすぐに差し出すつもりで受け取ればいい、と言ってた。<br />
確かにコロナの時にすぐに僕の資産を保証金として莫大な借金をしたので、<br />
父の言ったことは完全にその後実現したことになる。慧眼だな。</p>

<p>もう一つは、原宿の店を借りようかどうか迷っていた時。<br />
賃料がもう少し下がるまで待ったほうがいいのかどうかを悩んでいた時。<br />
「下がるか上がるかなんてお前みたいな人間にはわかるわけがないんやから、考えるだけむだや。<br />
　ほしいと思ったときに手に入れる以外に選択肢はない。経済をよもうとするのは愚かなことだ」<br />
などと言ってた。<br />
これは目からウロコがぽろぽろと落ちるような名言だった。<br />
その後さまざまな決定をするときにこの言葉を思い出す。将来どうなるかわからない不確定要素で悩むのは無駄なことだ。<br />
考えても分析しても結論が出ないことに悩んではいけない。</p>

<p>葬儀の間は喪主として、ばたばたと動いたけれど、自分の喪主力の低さには閉口した。<br />
上座がどこかもわかってなかった。<br />
焼香の順番も自信をもって決めることはできなかった。<br />
僕はほんわかした場所で生きてきすぎたんだろう。<br />
世の中の正式なルールをわからないまま大人になってしまっていた。<br />
世の中のルールをぶっ壊してやりたいとは思っていたけれど、<br />
そのためにももっとその愚かなルールを学んでおかなくてはならなかった。</p>

<p>こんなにさみしいとは思わなかった。<br />
誰にでも訪れるありふれたかなしみなんだろ？と思ってた。<br />
最近では半年に一回くらいしか会わなかったくせに、いなくなったら急にさみしくなるなんてずるだな。<br />
親孝行できたのかなあとかも考えるけれど、まあできることはしたような気もするし、もっとできた気もするし。</p>

<p>父からの最後のlineは死の一か月くらい前だったかな。<br />
「天皇賞取った！わーい！」だった。<br />
俺はこれから毎年天皇賞がある度に父を思い出すだろう。<br />
競馬全然やったことないけれど、天皇賞だけ毎年買うことにしよう。</p>

<p>死についてずいぶん考えた一か月間だった。<br />
さみしさしか残らない死はたぶんよい死だな。そんな風に思う。<br />
そんな風に死のう。<br />
さみしさだけを残して死のう。俺もまた。</p>

<p>死が僕らを動かすんだろう。よりよく生きる方向へと。<br />
残された時間で、すべての人たちの人生が肯定されるような方向へ向かって<br />
僕は何かを作り続けていこうかと思うのです。</p>]]></description>
         <link>https://keeponmusic.com/katotakao/220627233/</link>
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         <category></category>
         <pubDate>Mon, 27 Jun 2022 02:33:30 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>2019年12月28日のライブのDM</title>
         <description><![CDATA[<p>＊このブログは本当はこれまで僕のライブに来てくれた人や「DMが欲しい」といってメアドを登録してくれていた人に書いたDMなんですが、googleの仕様が変わったのか、これまで使っていたDM用アプリでは送信できなくなっていたため、こちらのブログにエントリーしたものです。悪しからず。</p>

<p><br />
世の中に多分何人かはいると思われる加藤DMファンの皆様こんばんは。<br />
加藤DMです。<br />
ちょうど今M1を見終わって、興奮した状態でこれを書いています。<br />
とはいえもう深夜なので、これを送るのは目覚めてからになるとは思います。<br />
それくらいの社会常識はあります。</p>

<p>社会常識はあるとか言ってるくせに、このDMはなんと五日後のライブのご案内です。<br />
直前になってしまってすいません。<br />
正直に言うと、前回の上田誠（ヨーロッパ企画）とのライブが楽しすぎて、<br />
ワンマンライブで何をやっていいのか見失っていました。<br />
さすがに二時間も僕一人が歌い続けるので、なにかコンセプトが必要だと思ったのですが、<br />
とにかく前回の「企画性ライブ」が自分的に空前のすばらしさで、<br />
なにか企画を考えなくてはならないという妄想に捕らわれ、<br />
必死で企画を考えるも、ライブと企画ってそもそもそんなにしっくりくるものではないし、<br />
ライブに企画性などないままでこれまで20年以上ライブをし続けてきたので何も思いつかないし、<br />
企画性ライブという仮想の化け物とずっと戦っていました。<br />
姿の見えない敵と戦い続けるのはつらかったです。<br />
やっとつい一週間ほど前に「ちゃんと歌を歌おう」という至極まっとうなコンセプトにたどり着き、<br />
ちゃんと今歌いたい歌をきっちり演奏する夜になりそうです。<br />
今回も最近大人気のチェロとピアノとギターのトリオ「ザ・マングース」も登場予定！<br />
さらに最近仲良くなった素敵な俳優さんもゲストで出演してくれます。</p>

<p>土曜日の夜。家族が寝静まった後、こっそり自分の昔の曲を練習していると不思議な気持ちになります。<br />
もう15年くらい前に書いた曲が、今も僕の心を打ちます。<br />
彼の真摯な姿勢で書かれた曲に、忘れてしまったものを思い出されます。<br />
会社をこっそり営んで、父として日々を送りながら、<br />
未完成な青年の言葉に戒められます。若さの価値を認めつつ、45歳ゆえの最高峰もまた目指すつもり。</p>

<p>歌いたい曲が山ほどあります。<br />
2019年を締めくくるにふさわしい夜にしてやろうと思っております。<br />
今年は本当にたくさんのことが起こった年だったので、ライブ中に振り返ってみます。<br />
こっそりとカバー曲も用意しました。<br />
何をやるかはお楽しみ。</p>

<p>年末のあわただしい時だとは思いますが、もうさすがに年末の予定も決まったころでしょう。<br />
万が一28日の夜が空いているのであれば、ぜひとも加藤隆生ワンマンライブにお越しください。<br />
絶対に素晴らしい夜になります。<br />
色んな事があった2019の思い出を、加藤隆生ライブで塗りつぶしてやるよ！！！<br />
みたいな覚悟で、少なくともそういう覚悟で邁進する所存です。<br />
ぜひお越しください。</p>

<p>2019年12月28日(土)<br />
加藤隆生ワンマンライブ</p>

<p>開演18:30<br />
前売 3,000円<br />
場所 中目黒 FJ's</p>

<p>詳細&チケット予約はこちら！<br />
http://robopitcher.com/live/live.html</p>]]></description>
         <link>https://keeponmusic.com/katotakao/1912232127/</link>
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         <category></category>
         <pubDate>Mon, 23 Dec 2019 21:27:15 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>「大魔王ゾーマからの脱出」にどうしても来てほしいから書いたブログ</title>
         <description><![CDATA[<p>今週末から「大魔王ゾーマからの脱出」がはじまります。<br />
<A Href="https://realdgame.jp/DQ2018/">https://realdgame.jp/DQ2018/</A></p>

<p>ドラクエは僕という人間の根幹を作ってくれたゲームだ。<br />
小学校五年生の時にはじめてドラゴンクエストをプレイして「物語の主人公になったような体験」をしたときのことを忘れることはないだろう。手が震えて興奮してその日の夜は眠れなかった。<br />
ドラクエをはじめてプレイしたあの日に、僕の心には強く「物語の中に入りたい」という気持ちが芽生えた。<br />
その気持ちをずっと持ち続けて、その気持ちをいつか実現してやろうと思いながら生きてきた結果、ある日リアル脱出ゲームというアイデアを思いつくことができた。<br />
だから世界中にあふれるリアル脱出ゲーム的な謎解きゲームの原点はドラゴンクエストなのです。<br />
ドラゴンクエストがあったから、今世界中の人々は閉じ込められ、謎を解き、悔しくなったり熱狂したり、歓喜の声を上げたり、たまたま一緒のテーブルで出会った人と結婚したりするのです。<br />
もし世界にドラクエがなかったらと思うとぞっとする。<br />
そんなの、竜王からもらう世界の半分の闇の世界みたいなものだ。</p>

<p>-----------------------------------------------<br />
ドラクエの世界を幕張メッセに作る。<br />
そして、四人パーティーでそれぞれの職業に就いて冒険する。<br />
-----------------------------------------------</p>

<p>というこのたった二行の企画書はなんと心が躍るんだろう。<br />
今見ても三年前にこの企画書を書いたときの興奮がよみがえる。<br />
僕らはこのたった二行の思い付きをもとに幕張メッセにリアルドラゴンクエストを作り、四万人以上の人を集客して、とんでもない熱狂を作った。<br />
ただ、あまりにも「これまで世界になかったエンターテインメント」過ぎたので、各所でさまざまなトラブルが起こった。<br />
いくら何でも時間がかかりすぎたり、とんでもなく歩かされたり、謎のバランスが悪かったり。<br />
僕らはそれらの反省をすべて活かして、今回はさらにとんでもなくおもしろいものも作った。<br />
幕張メッセには、ドラクエのカジノやダンスステージやファッションショーのランウェイが造られ、冒険者たちがたどり着くのを今か今かと待っている。<br />
個性豊かなこの世界の住人たちはさまざまな衣装に身を包み、ゾーマの支配する世界を冒険者が救ってくれるのを待っている。</p>

<p>本当は今回は第二弾なので「邪神シドーからの脱出」にして、ドラクエ2のラスボスを倒すゲームにしようかと思っていたのですが、今回のようにお盆休みの時期に10日間も幕張メッセを抑えられることなんて二度とない！！！と強く言われたので、僕が一番好きなドラクエ3のラスボスゾーマに出てきてもらうことにしました。<br />
そうなのです。<br />
こんな風に幕張メッセを使えることはもう二度とないかもしれないのです。<br />
つまり、リアル脱出ゲーム×ドラゴンクエストをあの広さで、あのクオリティで出来るのは今回が最後かもしれません。</p>

<p>だから今できるすべてをここに詰め込みました。<br />
もう会社には一切の余力は残っていません。全部ここに注ぎ込みました！！！<br />
大人になって全力を出すってこういうことなんだなっていうくらい全力でした。<br />
こんな規模で出来るのはもう最後かもしれないと思ったので、絶対に悔いの残らないものを創ったつもりです。</p>

<p>どうか、このブログを読んでいて、今週末から来週末にかけてお時間に余裕のある人はなんとしてでも幕張メッセに来てもらいたいです。<br />
絶対に面白いから。<br />
絶対にすごい体験ができるし、絶対にすごい空間を見ることができるから。<br />
コンクリートでできた巨大な建造物が、豊かなドラクエの世界になるところを見てほしい。</p>

<p>これは壮大な希望の物語なんじゃないかと思うのです。<br />
勇者でも選ばれし者でもなかった僕らが、全力で必死でなにかを願い力を尽くせば、「物語に入ったような世界」を本当に現実世界に現出させることができるという希望の物語なのです。<br />
だからどうか、一人でもたくさんの人たちにこの空間を体験しに来てほしいのです。<br />
あなたの日常と繋がっている幕張メッセがドラゴンクエストの世界になるのなら、あなたの日常だって冒険にできるかもしれないのです。<br />
あなたが今している仕事も、勉強も、遊びも、家族とか友人とか恋人とか食事とか睡眠とかそういう毎日毎日起こる当たり前のことが、「物語」になるかもしれないのです。<br />
そのことを僕らは提案し証明したいのです。</p>

<p>震える手でコントローラーを握りしめたすべてのドラクエファンと、濁った日常に迷いながら立ち向かっているすべての冒険者たちにこのイベントを捧げます。</p>

<p>どうか、あなたの日常が、とびっきり素晴らしい冒険の世界になりますように！！！！</p>

<p><A Href="https://realdgame.jp/DQ2018/">https://realdgame.jp/DQ2018/</A></p>

<p>SCRAP　加藤隆生</p>]]></description>
         <link>https://keeponmusic.com/katotakao/1808081717/</link>
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         <category></category>
         <pubDate>Wed, 08 Aug 2018 17:17:17 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>夕暮れ時を待ちながら</title>
         <description><![CDATA[<p>実は僕は、決起集会と打ち上げがとても好きです。<br />
人生の中で思い出す素敵な夜ベスト10のうちの半分くらいは、打ち上げか決起集会だ。<br />
たぶん飯田君（SCRAPの偉い人）もそうだと思う。<br />
12年くらい前に飯田君がボロフェスタの打ち上げで泣いている女の子に「泣いたらええ、悲しい時は泣いたらええんや」と言っているのを聞いて、こんな適切なセリフをここで言えるなんて、なんてすごい奴だ！と思ったことがあるが、まあその話はいったん置いといて。<br />
とにかく僕は打ち上げや決起集会が好きなのです。<br />
組織を維持するための飲み会は無意味だけれど、プロジェクトの始まりと終わりを告げる飲み会は好きです。</p>

<p>東京ミステリーサーカスの決起集会はいつ行われたんだっけな。<br />
16日くらいだっけ？プレオープンの二日目くらいだったかな。関係者が来るプレオープンの日でした。<br />
各フロアのスタッフが集まって、200人くらいいたかな。すごい数の人たちがTMCの一階で飲んでた。<br />
僕は確か、最初の挨拶したんだけど「あのさ、ずっと準備をしてきたけど、これはすごいテーマパークだってことを今日確信した。だからさ、あんまりこういうこというのはよくないような気もしてたから言わなかったんだけど、あのさ、でももう言うけどさ、もうおれたちさ、〇〇とか〇〇とかをぶっ潰すテーマパークになります。世界一のテーマパークになれると思う！」みたいな挨拶をしたと思う。<br />
わーってみんなが拍手をしてくれて、わーってみんなで騒いで、それから飲み会がはじまって、いろんな人と乾杯して、もうみんな疲れ果てて、でもやり遂げた喜びとこれから始まることへの不安と期待みたいなのがあって、だれとしゃべってても神がかってるというか、どんな言葉も言霊みたいに響いて、胸がくしゃくしゃになった。</p>

<p>バイトの一人の子が言ってた。<br />
「私にとってはもうここは世界一ですよ」って。<br />
そうだねって僕はこたえたけど、彼女の眼を見ては言えなかった。</p>

<p>わあわあ叫ぶみんなや、どんどん飲み干されていくお酒や、どこか遠くでなっているような音楽や、いろんな人たちがいろんな人と繋がり広がり、そんな中弊社のパーティ野郎熊崎君がいろんな人にマイクを向けてインタビューをはじめて、きっちり会場を盛り上げて、ああこれはもうなにか、どこかへ届いてしまうような何かが、ここから生まれて羽ばたいていくのだなという明らかな予感の中で、僕は夕焼けのことを考えていた。</p>

<p>パーティの喧騒の中で割れ鐘を鳴らすような爆音で、僕の耳元で鳴っていたのは孤独に関する音楽ではなかったか。<br />
狂騒のパーティでこそ聴こえる孤独のメロディみたいなものがそこにはあって、あれを聴いたのは僕だけだったか、それともみんな聴いていたのか。</p>

<p>夕暮れみたいだな僕らは、と思った。<br />
パーティと孤独を愛し、そこから何かを生み出す愚か者だ。<br />
ハイロウズ風にいうなら、昼と夜をかきまぜて朝まで踊れる男だ。<br />
僕らは、楽しいだけのパーティを否定する。<br />
孤独に埋没することも否定する。<br />
その狭間にある夕暮れから、僕らは何かを生み出すのだ。<br />
それが一番力があると知っている。</p>

<p>楽しい飲み会の帰り道ほどさみしくなる。<br />
その当たり前の気持ちに光を当てるのが僕らだ。</p>

<p>さてと、夕暮れ時など待ちながら、僕らはどこへいくのだろうね。</p>]]></description>
         <link>https://keeponmusic.com/katotakao/171227215/</link>
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         <category></category>
         <pubDate>Wed, 27 Dec 2017 02:15:29 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>歌舞伎町探偵セブンについて</title>
         <description><![CDATA[<p>歌舞伎町探偵セブンというコンセプトを思いついたときは本当に震えた。<br />
こりゃとんでもないことを思いついちまったなと思った。<br />
その場にいる誰もが興奮していた。</p>

<p>どういう流れでその思考にたどり着いたのかはっきりとは覚えていない。<br />
でも、それはSCRAPのクリエイティブチームが全員揃う合宿でのことで、丸二日間ずっと全員で閉じ込められて「東京ミステリーサーカスでやりたいこと」というテーマでアイデアを出していた時だった。</p>

<p>ああ、そうだ思い出してきた。<br />
そもそも最初の頃の東京ミステリーサーカスは、ビルを全部借りるつもりだったんだ。全部で10フロアを使い切る壮大なプロジェクト。<br />
予算も今の倍以上かけた夢見がちなプロジェクトでした。今考えると5フロアでもぼろぼろになってるんだから10フロアなんて絶対無理だった。<br />
で、どこかで誰かが我に返って「これ半分の方がよくね？」ってなって地下一階から四階までの地に足の着いたプロジェクトになった。</p>

<p>ただそれに伴って、本当はビルの中をぐるぐる回遊する謎解きイベントを三つほど走らせようとしていたプランがとん挫した。<br />
5階は密林、6階はSFとかをテーマにして、それらをぐるぐる回って謎解きするんだ！とか言ってたんだけど、なんせフロア数が半分になったからじゃあもう無理じゃねえかって。</p>

<p>あんとき誰が最初にそれに気づいたのかな。<br />
俺だったような気もするし、他の誰かだったような気もするし、でもどっちにしてもあの合宿の空気が思いつかせたものだったような気がする。<br />
とにかく誰かが気づいた。<br />
「そうだ！別にビルの中だけじゃなくていいじゃないか！外に出しちゃおう！！！」と。</p>

<p>これまでの歴史の中で、アミューズメントパークやテーマパークを作った人たちの中でそんなこと思いついたことある人いろんだろうか。<br />
自分たちがつくる施設の外でゲームを作るなんて！</p>

<p>僕らはちょうどポケモンのリアル脱出ゲームを外で作っていたり、東京メトロさんと地下鉄に乗りまくる謎解きを作っていたので、思いつきやすかったのかもしれない。</p>

<p>ましてや僕らがテーマパークを創ろうとしていた場所は歌舞伎町だった。<br />
日本中探してもここより物語の舞台っぽいところはそうそうないだろ。<br />
じゃあさ、東京ミステリーサーカスを拠点にして、歌舞伎町を歩き回るゲームを創ろうよ！<br />
って誰かが言った。<br />
僕は震える手で「歌舞伎町　居抜き物件」で検索した。<br />
手ごろな値段の物件が何百件と出てきた。<br />
できる！と思った。<br />
お金をかけて内装なんかしなくていい。<br />
街みたいなテーマパークを創らなくていい。<br />
そこにはもうすでに街がある。<br />
そこにはもう本当の内装の整ったキャバクラやバーやホストクラブがあり、居抜きの物件を僕らで借りればいいのだ。<br />
物語の舞台はすでに整ってる。<br />
あとは、物語を作るだけだ！</p>

<p>あんな風に興奮したのは久しぶりだった。<br />
新しい仕組みを見つけたと思った。誰も見つけてない宝物を見つけたんだ。<br />
街をそのまま使って、そこに物語を埋め込めばいい。<br />
すべてのハードはすでに完成していて、あとはソフトを埋め込むだけだと気づいたときは、本当に幸せな気分だった。<br />
すべてのパーツはもうそろっていて、あとは物語を作るだけだったんだ！！！</p>

<p>そこからはもう雪崩みたいにアイデアがあふれ出てきた、<br />
だったらもういくつもの物語が重層的に織りなす構造にしようとか、歌舞伎町で街歩きなら「私立探偵　濱マイク」とか「探偵はBARにいる」みたいな探偵ものがいいよねとか、キャラデザインはこの人にお願いしたいとか、音楽はこれだとか、脚本はこの人だとか、謎と物語の比率はとか、そういうことがあとからどんどん決まっていった。</p>

<p>そこから数か月間は僕は歌舞伎町の不動産を回りまくり、契約しまくり、全部でいったいいくつの店を作ったのか、もうよくわかんないけど、とにかく回遊型謎解きゲームのチェックポイントのためだけに歌舞伎町の居抜き物件を借りまくった。<br />
どんだけお金が出てったのかよくわかんないけど、そんなのどうでもよかった。<br />
こんなすごい思い付きを形にできるという多幸感で走り続けてた。</p>

<p>社内クリエイティブチームも最高のブッキングをした。<br />
歌舞伎町探偵セブンというプロジェクトのために、会社のあらゆる可能性を注ぎ込んだ。<br />
みんなで歌舞伎町を歩きまくって、この街に適切な物語について考え続けた。</p>

<p>出来上がったこの６個の事件をゲームを俯瞰してみて、いまざわざわとしてる。<br />
これは、ひょっとしたら僕らは、とてつもないものを創ってしまったんじゃないか。<br />
僕らが想定したよりもずっとすごい「物語体験」を生み出してしまったんじゃないかと思っている。<br />
このゲームは、とうとう本当の意味であなたを主人公にしてしまうだろう。<br />
あなたたちを、特別なチームにしてしまうだろう。<br />
日常と地続きなこの場所でする特別な体験は、あなたの日常に忍び込み、あなたの普段の生活もミステリアスにしてしまうだろう。</p>

<p>あなたは歌舞伎町で起こる数々の不可解な事件の捜査に乗り出す。<br />
あなた自身にもいくつもの謎がある。<br />
あなたには歌舞伎町探偵セブンに入らなくてはならない理由がある。<br />
あなたは捜査しなくてはならない。そして解決しなくてはならない。<br />
あなた自身がどうしても乗り越えなくてはならないあの事件を解決するために。</p>

<p>あなたはキャバクラやホストクラブやバーやスナックを訪れ、その中にいる人々に問いかけ、聞き込みをし、推理を働かせ、事件の結末に迫らなくてはならない。<br />
この街にはあなたが救わなくてはならない人がたくさんいるのだ。</p>

<p>そう。そしてそれは、あなたが今暮らしているその世界と同じことなのだ。</p>

<p>どうか、歌舞伎町探偵セブンを遊んでほしい。<br />
あなたの感じたことのない感情がそこにはあるから。<br />
あなたが観たことも聞いたことも読んだこともない物語がそこにあるから。</p>

<p><A Href="https://mysterycircus.jp/tanteiseven/">https://mysterycircus.jp/tanteiseven/</A></p>

<p>SCRAP　加藤隆生</p>]]></description>
         <link>https://keeponmusic.com/katotakao/1712221210/</link>
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         <category></category>
         <pubDate>Fri, 22 Dec 2017 12:10:24 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>僕が東京ミステリーサーカスを創ろうと思った本当の理由</title>
         <description><![CDATA[<p>たしか、8年くらい前だと思うけれど、世の中を騒がすある深刻な事件が起こった。<br />
犯人はすぐに捕まえられた。<br />
その犯人は法廷でこう証言した。<br />
「死刑にしてください。生まれ変わったら勇者になって世界を救いたい」</p>

<p>僕はその小さな囲み記事を読んだときに、なぜかわからないけれどものすごく強い衝撃を受けた。<br />
しばらく、深く悲しんだ。被害者にも加害者にもなんのつながりもなかったけれど、とにかく深く深く悲しかった。<br />
あの事件が起こってしまったのは僕のせいだったんじゃないかとすら思った。<br />
僕がもっとはやく、もっと深く、世界に「物語の体験」を伝えなくちゃいけないと思った。<br />
ばかばかしく聞こえるだろうけれど、本当にそう思った。</p>

<p>僕ならたぶん、彼に言ってあげられたのだ。<br />
「今君がいるこの世界のこの時代でも、君はちゃんと勇者になれるんだぜ」って。<br />
ひょっとしたらそれは、あの時、僕にしか言えない言葉だったかもしれない。</p>

<p>物語の中に入りたいと最初に願ったのはいつだったか。<br />
「はてしない物語」を読んだ時だったか。<br />
「ドラえもん」を小学校一年生で読んだ時だったか。<br />
「グーニーズ」を観た時だったか。<br />
ごたごたがあったといえるほどではないけれど、なんとなく暗い少年時代に、僕は必至で物語を読みふけり、こんな物語みたいな日常がやってくることを痛切に願った。<br />
猫型ロボットが、引き出しからひょっこり顔をだす瞬間を願い続けた。<br />
屋根裏部屋から宝の地図が偶然見つかることを願い続けた。<br />
ネバ―エンディングストーリーみたいに、本の中に入れることを、願い続けていた。</p>

<p>わかったことは一つだけ。<br />
物語みたいなことは、物語の中でしか起こらないってことだ。<br />
そう気づいたのは10代の半ばくらいだっただろうか。</p>

<p>そのままぼんやり大人になって、大学を出て、会社を辞めて、売れないミュージシャンになって、フリーペーパーを作りながら、それでもずっと、どうやったら物語の中に入れるのかを考えてた。</p>

<p>リアル脱出ゲームというアイデアを思いついたのは、32歳の春だった。<br />
このアイデアがあれば、物語の中に入ったような体験を作り出せる！と思った。<br />
2007年7月7日。最初のリアル脱出ゲームが開催された夜に僕は、スタッフ全員にメールを送った。<br />
「やっと見つけた！！これは物語の中に入ったような体験ができるゲームだ！」と。</p>

<p>リアル脱出ゲームが生まれてから二年ほどたって、その事件が起こった。<br />
彼は「早く生まれ変わって勇者になりたい」といった。<br />
僕は思った。もっと早く、このゲームを世界に広めなくてはいけない。<br />
彼のような人を、リアル脱出ゲームは救うのだから。<br />
そして、僕のような少年をリアル脱出ゲームは救うのだから。</p>

<p>リアル脱出ゲームを作り続けてこられた理由はいくつもあるけれど、そのうちの一つはこれだ。<br />
僕は彼のために、彼みたいな人のために、そして僕みたいな人のためにゲームを作り続けた。</p>

<p>リアル脱出ゲームを作りながら、僕はずっと短編小説を作ってる気持ちだった。<br />
本来なら10時間くらいかけて説明される物語の、最後の一時間だけを提示しているみたいな気持ちだった。<br />
短編小説は、そのフォーマットゆえに、物語の始まりから描くことはできない。<br />
一ページ目から、もう物語は起承転結の転から始める必要がある。</p>

<p>クリアするのに何十時間もかかるドラクエみたいに、12話まであるテレビドラマみたいに、読み終わるまでに一か月もかかる長編小説みたいに、僕らが作る物語ももっと長い時間人々を夢中にさせる必要があるとずっと思ってた。<br />
そうでないと、日常を変えるほどの影響力を持てないと思っていたから。<br />
いつ来ても、そこには物語があり、その物語は一日ではとても終わらず、ずっとつながっていくような、そういう場所が今この世界に必要だと思っていた。</p>

<p>---------------------------------------------------------------</p>

<p>ある日あなたは目を覚ます。<br />
いつもの部屋。いつもの時間。いつもの温度。<br />
さてと、今日もいつもの会社に出かけなくてはならない。<br />
気が重い。<br />
今日もあの、くだらない文句ばかり言う上司の機嫌を取らなくてはならない。<br />
取らなくてもいいのだけど、取らないとさらにめんどくさいことになる。</p>

<p>あなたは支度をして、外に出る。<br />
いつもの風景が広がっている。</p>

<p>でも、今日見る風景はいつもと違う。<br />
昨日東京ミステリーサーカスに行ったからだ。</p>

<p>あなたの家の向かいでは、とんでもない銀行強盗の計画が立てられていたのかもしれない。<br />
今すれ違ったあの人は、世界的な科学者で、人類を飛躍的に発展させるある研究をしているのかもしれない。<br />
今歩いているこの道の地下には、とてつもない宝物が埋まっているのかもしれない。</p>

<p>ほんの少し見方を変えれば、そこにはキラキラした宝物がいっぱい埋まっていることをあなたはもう知っているのだ。昨日そのことを知ったのだ。<br />
ただの部屋が物語の舞台になり、壁は物語から手紙が届く装置になっていた。<br />
研究所に忍び込み、歌舞伎町を歩き回って信じられない結末の事件を解決した。<br />
あなたはもう昨日までのあなたではない。</p>

<p>この日常の中にこそ物語があることをしっているのだ。</p>

<p>-----------------------------------------------------------------</p>

<p>そんなことを、みんなが思える場所をつくろうと思って、東京ミステリーサーカスをつくりました。<br />
どうか、世界に素敵な物語があふれますように。<br />
その物語はきっとあなたの日常を豊かにするから。<br />
豊かになったあなたの日常は、きっと、さらに豊かな物語を作るだろう。</p>

<p>僕がこの10年考えてきたことは、ざっくりいうとそんな感じのことです。<br />
僕らがつくりたいものは、そういうものです。</p>

<p>あえて胸を張って、偉そうにいいますね。<br />
来てくれたらわかるから、来てください。来てくれないとわからないから。</p>

<p><A Href="https://mysterycircus.jp/">https://mysterycircus.jp/</A></p>

<p>SCRAP代表<br />
東京ミステリーサーカス代表<br />
加藤隆生</p>]]></description>
         <link>https://keeponmusic.com/katotakao/1712181318/</link>
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         <category></category>
         <pubDate>Mon, 18 Dec 2017 13:18:56 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>その２　なぜ東京ミステリーサーカスをつくろうと思ったのか</title>
         <description><![CDATA[<p>東京ミステリーサーカスを創ろうと思ったもう一つの理由は、もっとみんなが夢中になれる場所がないといけないと思ったからだ。</p>

<p>もちろん、僕らはこれまでもヒミツキチオブスクラップや、アジトオブスクラップなどの場所をたくさん作ってきた。そこでたくさんのリアル脱出ゲームを公演してきた。<br />
でも、リアル脱出ゲームは宿命的に一度しか遊べない。たとえ「君は明日と消えていった」のみずきのことが大好きだと思っても、もう会えない。一度しか会うことができない。もちろん、ヒミツキチラボにはまた行くことができる。でも、行けるのは「君は明日と消えていった」が終了した後だ。みずきにはもう会えない。</p>

<p>テレビゲームや、映画や、マンガや、小説や、演劇や、音楽や、遊園地やミュージカルなどほとんどすべてのエンターテインメントジャンルは「何度も繰り返し同じ触れることができる」。当たり前のことだ。<br />
でも、リアル脱出ゲームではその当たり前のことができない。</p>

<p>そのことはずっと僕らを悩ませていて、その一つの解決策として「謎ビル」という概念を作った。<br />
一つのアジトを体験してもらって、もし好きだったら、すぐにその隣のアジトに行ける。<br />
もしあなたがリアル脱出ゲームを好きになってくれたら、すぐ隣の別のリアル脱出ゲームを遊べる。</p>

<p>でも、それでは、リアル脱出ゲームというフォーマットへの理解は深まるものの、「君は明日と消えていった」という世界観への愛を示すことはできないし、みずきというキャラクターとの親愛を深めることもできない。<br />
僕らは「スラムダンクの流川」とか「ワンピースのゾロ」とかを愛して、その集合体としての「マンガ」も好きにはなるけれど、「マンガが好きだから流川やゾロを好きになる」わけではない。<br />
僕らは、10年かけてリアル脱出ゲームというフォーマットを好きになってもらうことにはうっすら成功してきたけれど、リアル脱出ゲームというフォーマットのソフトの世界観やキャラクターを好きになってもらうことには成功しなかった。<br />
成功したとしても単発で、短期間なものになってしまった。</p>

<p>だから、僕は、何度も足を運べて、足を運ぶたびに新たな発見があって、物語の深い部分を少しずつ知ることができて、その物語の断片がさまざまな場所で結びつき、大きな一つの物語を形作るような場所が必要だと思っていた。<br />
もし、僕らが作ったものを好きになってくれたなら、もっと好きになるための仕組みがある場所を作りたかった。<br />
もしみずきを好きになってくれたなら、なんども繰り返し会えるような場所を作りたかった。<br />
ちゃんとそこに愛があるなら、その愛の発露となる場所を創らなくちゃいけないと思っていた。</p>

<p>その場所が東京ミステリーサーカスです。<br />
正直に言うと、今東京ミステリーサーカスにあるゲームがすべて有機的につながっているわけではない。<br />
これまで通りの独立したリアル脱出ゲームもある。<br />
でも、少なくともリアル捜査ゲームは、一日だけですべての事件を解決することは絶対にできないボリュームだし、独立したリアル脱出ゲームから派生したゲームやグッズなどもふんだんにある。<br />
さらにいうなら、東京ミステリーサーカス自体に隠された大きな物語もこれからきっと生まれていくはずだ。</p>

<p>ディズニーランドが素晴らしいのは、愛されているのはアトラクションではなくて、その入れ物である「ディズニーランド自体」なんですね。だから、その中でさまざまな実験をしてもぶれることなく愛される。<br />
世界中のテーマパークがディズニーランドを目指して失敗してきたのだと思うので、僕らもただやみくもにディズニーを目指すわけではないけれど、「愛される器」を創ることは目標としてやっていきたいと思います。</p>

<p>あと六日でオープンです。<br />
絶対に前売りでチケットを争奪しなくちゃ入れない建物ではなく、ふらっと食事のついでとか、飲んだ帰りとかにも寄れるような場所を目指しました。<br />
もちろん慎重なあなたのためにチケット予約のシステムも完備していますが、まあ、基本的にはふらっときて楽しめる場所です。</p>

<p>死にものぐるいでつくったけれど、ふらっと半笑いで遊びに来てくださいませ。<br />
つまらなかったら叩いて、おもしろかったら褒めてください。<br />
僕らはどちらも受け止めたり、するりとかわしたりしながら、しなやかに変わり続けていくつもりです。</p>

<p>では、東京ミステリーサーカスでお会いしましょう。<br />
<A Href="https://mysterycircus.jp/">https://mysterycircus.jp/</A></p>]]></description>
         <link>https://keeponmusic.com/katotakao/1712131949/</link>
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         <category></category>
         <pubDate>Wed, 13 Dec 2017 19:49:12 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>なぜ東京ミステリーサーカスをつくろうと思ったのか</title>
         <description><![CDATA[<p></p>

<p>東京ミステリーサーカスオープンまであと一週間くらいになった。<br />
１年以上前から僕はこのプロジェクトをああでもないこうでもないと考え続けてきた。<br />
オープンしてからだといろいろとバイアスがかかってしまう気がするから、オープン前に「なぜ東京ミステリーサーカスをつくろうと思ったのか」をまとめておきたい。いつかこのプロジェクトが迷走してしまった時にまた戻ってこれるように。</p>

<p>まず最初の理由は、ぼんやりと今あるリアル脱出ゲームというフォーマットに限界を感じ始めていたこと。<br />
SCRAPには新しいフォーマットが必要だと思っていた。<br />
そこに割くべき制作費や期間や人件費や維持費などはどんどん僕らを窮屈にしていったし、過去の成功体験が会社を硬直させている気がしていた。<br />
どんどんみんなが新しいことを思いつけるフォーマットだったはずだけど、フォーマットの中にいくつもの定型が出来上がり、それを壊そうとする力が失われているように思っていた。<br />
なんとかそのフォーマットを壊そうと、リアルタイムループゲームやプロジェクションテーブルゲームなどを個人的に思いついてはみたけれど、それがどんどん広がってリアル脱出ゲームを駆逐するような存在にはならなかった。</p>

<p>そもそもこれまでのリアル脱出ゲームの発展は、ラッキーの連続だった。<br />
さまざまな分野の人たちから声をかけられ、その刺激で新しいことを思いつけた。</p>

<p>ハード面からは様々な施設から声をかけていただいた。<br />
スタジアムや遊園地、テーマパークなどの大きなところから、劇場、廃墟となった病院、廃校になった小学校、使われなくなった倉庫、ギャラリー、ホテル、郵便ポスト、地下鉄、鉄道、コンビニ、ショッピングセンター、デパート、フェス、そして町。<br />
もうやってない場所なんてないんじゃないかってくらい、いろんなところでやることができた。</p>

<p>ソフト面からはもう言うまでもないだろう。<br />
日本を代表するさまざまなアニメ、マンガ、ゲーム、映画、バンド、音楽、アートとコラボさせていただいた。</p>

<p>どのハード、どのソフトにも刺激があって、僕らはその都度その刺激をもとに思いついてきた。<br />
外部からの上昇気流によって飛翔してきたといっていいと思う。<br />
それらは僕らだから思いつけたものだ。でも、僕らのもとにその刺激が来てくれたから、思いつけたことだとも思う。</p>

<p>でも、もうその刺激が数年前にひと段落してしまったように思う。<br />
もちろん単発では幕張メッセでやったドラクエとか、西武ドームでやった1万人リアル脱出ゲームとかはすごかった。でも、あまりにすごすぎて広がっていかないし、日常化しない。それでは僕らの望む「日常まで面白くするエンターテインメント」には届かない。<br />
一夜だけのとてつもないパーティーはもちろん素晴らしいけど、それが日常を侵食していかなくては意味がない。</p>

<p>だから僕はここ数年、リアル脱出ゲームに変わる新しいフォーマットを構築することをずっと考えてきた。<br />
でも、リアル脱出ゲームというフォーマットは、物語体験とビジネス面のバランスという点では異常にすばらしく、これを超えるフォーマットを発見・発明するのは相当大変だと思っていた。</p>

<p>そんな中、いくつかの出会いと、いくつかのきっかけがあって僕がたどり着いた答えは「フォーマットの入れ物をまず創造する」ことだった。<br />
例えば、「沈みゆく豪華客船からの脱出」をソフトだとして、「リアル脱出ゲーム」をフォーマットだとするのなら、それを毎日行っているアジトオブスクラップ（１０人程度が入れる自社小屋）やヒミツキチオブスクラップ（100人程度が入れる自社小屋）は入れ物だ。インフラと呼んでもいいかもしれない。<br />
ヒミツキチやアジトはリアル脱出ゲームをするために作られたものなので、そこにはある種の宿命的な限界があると思っていた。<br />
というよりも、リアル脱出ゲームというフォーマットがあまりにしなやかに成長していくので、これまで入れ物には相対的に注目していなかった。</p>

<p>その一方で、リアル脱出ゲームを本当の意味でクリエイティブにしていたのは、その入れ物であることにもこっそり気づいてはいた。<br />
アジトやヒミツキチのスタッフの異様なクオリティにはずっと前から気づいていて、感謝していた。僕が思いついたものを世の中に伝えてくれているのは彼らだと思っていた。彼らのことをクリエイトされたものを伝える素晴らしい人たちだと考えていた。<br />
しかし、ある時気づいた。彼らの演技や熱意や立ち振る舞いこそクリエイティブで、そこから立ち戻って僕らはゲームを作り出さなくちゃいけないんじゃないかと。</p>

<p>だとしたら、アジトやヒミツキチはもっと自由で有機的な場所でなくてはならない。<br />
アジトでもヒミツキチでもなくそれらが複合的に組み合わさり、それらが影響しあい、その施設全体から何らかの物語が立ち上らなくてはならない。<br />
そして、その施設に物語を立ちのぼらせるためのフォーマットを創ればいいのだと気づいた。<br />
だとしたら、それはテーマパークと言ってしまえるものでなくてはならないだろう。<br />
テーマパークがあれば、その中に入れるアトラクション（フォーマット）は強制的に思いつき続けなくてはならない。<br />
東京ミステリーサーカスは、僕らにとってさらに面白いフォーマットを思いつくための装置である。</p>

<p>それが、東京ミステリーサーカスを創ろうと思った一つ目の理由。<br />
あまりに長くなったので、残りは後日。<br />
</p>]]></description>
         <link>https://keeponmusic.com/katotakao/1712111700/</link>
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         <category></category>
         <pubDate>Mon, 11 Dec 2017 17:00:31 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>おもしろいものを創るために、息をしているのです。あと、物語について考えていること</title>
         <description><![CDATA[<p>物語の未来について考えていた。<br />
僕が作り出した「リアル脱出ゲーム」が物語の歴史の中で果たすであろう役割について。<br />
そしてそれを起点として今後変わっていくであろう物語の質について。</p>

<p>物語が受動から能動に変わってからもう30年以上経つ。<br />
それは日本ではドラゴンクエストが成し遂げたことだし、世界的に見ればウルティマだったかもしれない。<br />
その能動的物語が体験型に変わっていき、今「参加型」になろうとしていると僕はいくつかの講演会で発言してきた。</p>

<p>まあそれはそうだと思う。<br />
物語は受動的に感覚で味わうものから、肉体で味わうものに変遷していくだろうと思っている。<br />
その変化にはでもVRはまったく加担することはなくて、VRは今のところただのテレビの進化版だ。<br />
テレビが作れた物語をより刺激的にすることはできるかもしれないが、物語自体を進化させることはない。<br />
VRを手軽に装着しながら他の人たちとどんどんコミュニケーションとれるようになることと、VRをつけて空間を歩きまわれるようになれば、VRの概念は変わってくると思うけれど。<br />
８bitであんなに興奮できた僕らの世代からすると、画面がリッチになっただけで体験の価値が上がるとは思えない。僕の中では今んとこVRは「リッチなテレビ」です。その先どうなるかは知らないけれど。</p>

<p>じゃ、参加型物語ってなんなのか。<br />
進化した物語って何なのかっていう話になる。</p>

<p>僕は日常と身体性の結びつきをエンターテインメントにできることができれば、それが次世代の物語になるんじゃないかと思ってる。<br />
例えば街を歩きながらフィクションを感じるとか。<br />
自分の実際の行動によって選択されていくたった一度の物語を「体験」するとか。<br />
例えば、映画やゲームの中で見たあのシーンの中に自分が実際にいて、実際にその行動をしなくちゃならないとか。<br />
例えばとてつもないスターと一緒に散歩できる体験とか。<br />
例えば「ここは俺に任せろ！お前は先に進め！！」って実際に自分が叫ぶシーンがあったりね。</p>

<p>演劇の範疇にも近いけれどなにかが致命的に違うんだと思う。<br />
計算されつくした空間でもできるけれど、日常で出来るほうが効果的だろうとも思う。例えばいつも働いている職場に物語（ハプニング）がやってくる方が興奮しますよね、きっと。</p>

<p>僕にとって素晴らしい物語ってなんだろうなあと毎日毎日思っていて。<br />
なんだかわからなくなってきたので、ほぼ唯一の信頼できる大先輩に会いに行って、上記のようなことを考えているんですけど、といったら。</p>

<p>「面白いものを創れ。後のことは、別のやつらが勝手に考えるから」と言われ、まったくその通りだな、俺は別に物語の伝道師でもなんでもないのに、なぜおれなんかが物語の未来のことなんて考えてたんだろう。もし考えたとしてもその先の正解を出すのは俺でなくては意味がないのに、なに評論家ぶって占い師ぶって来るべき物語の未来を論じたりしてたんだろう、と恥じ入った次第。<br />
新しいものを創らなくていい、面白いものを創れ、とはまったく名言で、今の僕に完全に必要な言葉でした。<br />
それが面白ければ、みんなが勝手に論じてくれるだろ。<br />
なに作る前に自分で論じてるんだバカおれ。</p>

<p>そんなわけで、おもしろいものを創る世界に戻ります。<br />
どろん。</p>

<p><br />
</p>]]></description>
         <link>https://keeponmusic.com/katotakao/171126228/</link>
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         <category></category>
         <pubDate>Sun, 26 Nov 2017 02:28:57 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>リアル脱出ゲームが10周年ってすごいことだと思うのです。</title>
         <description><![CDATA[<p>10年も続くってやっぱりすごいことなんじゃないかと思うのです。<br />
致命的なミスが一つでもあったら続かなかっただろうし、とてつもないアイデアが二年に一回は出ないと続かなかっただろうと思います。<br />
僕は「リアル脱出ゲームを思いついた人」として知られていますが、「リアル脱出ゲームを10年続かせるチームを作った人」として記憶されることを望みます。<br />
それはなんて誇らしいことなんだろう。</p>

<p>いつも適切なときに、適切な人と出会ってきた気がします。<br />
どうしてもリアル脱出ゲームのキャパを増やさなくちゃいけないときに、グループ戦や個人戦のシステムを思いつけたのには、たくさんの人との出会いがあって、マーブルの長井さんの意見や、インテリジェントシステムズのみなさんの意見や、京都マンガミュージアムとの出会いや、よみうりランドの奥谷さんのメールがないと多分こんなシステムは思いつけなかった。<br />
チーム戦のシステムの元を思いついたのは実はマーブルの社長の長井さんで、「一つの会場の中でキャパを増やすにはチーム戦にするしかない」と当時言っていた。<br />
僕はそのアイデアを最初に聞いたときに、「そんなの無理だ」と思った。一つの空間に10以上のグループが同時に謎解きするなんて無理に決まってる。<br />
でも、もし万が一それが成功したらどれほどよいだろうと思った。今起こっている問題のほとんどが解決する。<br />
当時起こっていた問題は、チケットがすぐに売切れてしまうのでキャパを増やさなくちゃいけないって事と、一人ひとりの謎に接する密度を高めなくてはならないってことだった。<br />
だからやってみた。<br />
結果としてうまくいった。</p>

<p>さらにリアル脱出ゲームのキャパを増やさなくちゃならなくなり、一回の公演で数百人から１０００人ほどが遊べるシステムを思いつかなくちゃならなくなったとき、京都マンガミュージアムの中にあるカフェで当時ボランティアスタッフだった堺谷と二人で「個人戦のシステムって成り立つのかな？」と話していて、とても成り立つとは思えなかったんだけど、まあとにかくやってみるかと、ダメだったとしても今チケットを買っている1500人くらいが怒るくらいで、まあそんときは最悪会社が潰れたらいいか、とか思ってた。<br />
それまでは一つの部屋やホールでしかやったことのないリアル脱出ゲームを、広大な小学校の敷地を全部使ってやるシステムなんて検討もつかなかったし、思いついたとしても実際にやってみるまでそれがうまくいくかどうかなんてまったくわからなかった。</p>

<p>やってみるまでわからないことをやってみて、それが結果としてうまくいく過程には、とてつもないストレスとアイデアと緻密な運営があって、チーム戦と個人戦を生み出す課程で僕らが得たものは一言で言うと「謎解きイベントを作る上での哲学」みたいなものだった。<br />
僕らと僕ら以外を隔てるものは哲学の有無だと思う。<br />
僕らだけが知っている「謎解きイベントの真髄」みたいなものがあって、それはうまく言葉にはならない。<br />
おそらく「この船は沈没するかもしれないけれど、もし島にたどり着くことができたらそこにはとてつもない宝物が埋まっている。ただし沈む確率は80％ね」みたいな船に乗ったことのあるチームでないと理解できないことなんじゃないかと思う。<br />
僕らはこれが続くかどうかなんて全然考えたこともなかった。<br />
これが話題になっているからやろうなんてこともまったく考えなかった。<br />
ただ、体の中からあふれてくるアイデアを、それを求める人たちに、一番衝撃的な形で叩きつけたかっただけだった。<br />
もし失敗したらその時に全部が粉々に砕けてしまっても別にいいと思ってた。</p>

<p>今はもう何百人って人がSCRAPに関わって働いてくれている。<br />
「もうめんどくさいから潰しちゃおっか？」とかは冗談でも言えない空気になってる。まあ言うけど。<br />
１０年振り返ったらやっぱり積み上がってきたんだなあと思う。<br />
１０年前のちょっとした思いつきがきっかけではあったけれど、それがすべてだったわけじゃない。その過程で起こったさまざまな小さなことが積み重なってここまで来れたのだと思う。<br />
小さなギャンブルも大きなギャンブルもしたし、必死で緻密に確率を上げるために仮説を立て検討し、最善の答えを出すように努力をしてきた。そして一度立てた仮説をどんどん裏切るようなアイデアも実行してきた。<br />
僕らがフォーマットを作って、僕らがそのフォーマットを潰し続けてきた。<br />
僕らのフォーマットを真似してビジネスをしてる人たちをこっそりとくすくす笑いながら、次のフォーマットを実現して行った。<br />
幾人かの人たちが、僕ら自身が僕らのフォーマットを潰すことに失望し、がっかりし、離れて行ったけれどそんなことは気にしなかった。<br />
僕らは、僕らがその瞬間に一番面白いと思うものを作り続けることだけが目標だったからです。</p>

<p>そんなこんなで１０年やってきて、振り返ってみるとたくさんのガラクタやキラメキやヒラメキが転がっていて、その中にぽつぽつと伝説的なイベントなどもあって、まあどうしようもないヘドロみたいな時間もあって、そういうすべての時間をひっくるめて、しかしこれはもうお祝いをしなくちゃならんのじゃないかと思っています。</p>

<p>半年ほど前に「せっかくだから一万人とか集めてリアル脱出ゲームしてみようよ。あと、ついでにフェスもやろう」と思いついた社長のことを、今会社全体が呪っているとは思いますが、多分これまでと同じように僕らはとてつもないことにチャレンジしようとしていて、誰もやったことのないシステムを思いつかなくちゃいけなくて、さらにそのアイデアを実際にミスなく運営するためにはすさまじい気力と時間と労力が必要です。<br />
でも、これがうまくいったら、本当に日本のエンターテインメントの歴史が変わっちゃうんじゃないかってくらいすごいことを僕らは今やろうとしていて、だって一万人で同時に謎解きする方法なんて思いつく？さらにいうと思いつこうとしたことあった？<br />
その思いつくべきチャンスを僕らはもらったし、たぶんちゃんと思いついたと思う。<br />
どうか、このすごい時間を観に来て欲しいし、ぜひともこの１０年間の感謝を直接伝えさせてください。<br />
おめでとうと言われたいし、ありがとうといいたいのです。<br />
みなさんがいないとこの１０年はなにもなかったと同じなのだから。</p>

<p><br />
チケットはここへ来てすごい勢いで売れていて、残っているのはもう１０００枚くらいだそうです。<br />
つまり９０００枚は売れたってことか！<br />
それもすごいな！<br />
たった一日の謎解きイベントに９０００人来るってそれ世界記録だろ！たぶん！<br />
もし迷っている方がおられるなら、なるべく早めにチケット予約しちゃってくださいね。</p>

<p>それでは！<br />
６月２４日、西武ドームで会いましょう！！！</p>

<p><a href="<realdgame.jp/reald_bigparty>">realdgame.jp/reald_bigparty</a></p>]]></description>
         <link>https://keeponmusic.com/katotakao/1706201242/</link>
         <guid>https://keeponmusic.com/katotakao/1706201242/</guid>
         <category></category>
         <pubDate>Tue, 20 Jun 2017 12:42:34 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>休暇という大冒険</title>
         <description><![CDATA[<p>2月に２人目の子どもが生まれて、生活が変わった。<br />
僕は慣れない手つきでオムツを替えたり、ミルクを作ってあげたり、だっこしてあやしたりしている。<br />
思っていたより100倍大変である。<br />
ましてや一人目の子どもの送り迎えとか、ごはんとか、お風呂とか、着替えとかもある。<br />
こんな大変なことみんなやってるの？と考えるとくらくらする。<br />
仕事でエンターテインメントの未来を考えてることだけがかっこいいことだと思っていたら大間違いだった。<br />
僕らの日常はこんなに冒険に満ちている。</p>

<p>なぜ休むのかについてはまあいろんな理由がある。<br />
気が向いたら書くかもしれないし書かないかもしれない。<br />
いくつもある理由のうちの一つは「育休」だけど、それもまあ5％くらいかな。</p>

<p>3月から僕は一応会社に行かなくても良い立場になっている。<br />
とはいえ、問題が起こればすぐ飛んでいくし、どうしても僕にしかできない仕事はする。<br />
基本的には週に一回くらいしか会社に行かないことにしてる。</p>

<p>その結果僕に少しずつだけど変化が出てきてる。<br />
一番面白いのは「読む本の質」が変わったこと。<br />
これまでは読まなくちゃいけない本を読んでいた気がする。<br />
少しでも仕事の役に立つ本を読まなくちゃいけないんじゃないかと思ってた。<br />
だから、人工知能の本や、インターネットの未来についてや、人類の行く末や、仕事のあり方や、マネージメントについてや、究極のトリック（謎）があるミステリーなどを読んでいた。そうじゃないと駄目なような気がして。<br />
でも今は自分が感覚的に読みたい本を手に取っている。そしたら急に読書が楽しくなって、今は一日に5時間とかは本を読んでる。<br />
やっぱり奥田英朗の持つ物語のテンポは最高だ。短編も長編もエッセイもすべて面白い。ただただ面白い。<br />
本だけじゃなくてマンガも読む。ジャイアントキリングは最高だし、土竜の歌もばかばかしくて読ませるし、ギャングースはまだ読み始めたばかりだけど楽しい。高校野球も観るし、前から行きたかった大江戸温泉にも娘と二人で行った。楽しかった。浴衣の女の子はみんなかわいくみえた。<br />
本屋さんをずっとうろうろして、コーヒー飲みながら読んで、時々散歩して、娘の送り迎えをして、オムツを替える。優雅でしょ。</p>

<p>そんな日々をほんの数日送っただけで、会社を一歩離れて見られるようになった。<br />
そしたら、外から見た株式会社SCRAPには不完全なところが山ほどあって、それがなんか文化祭みたいで許されてたところがもう許されなくなってることに気づいたりした<br />
同時に、その不完全さを支えるためにたくさんの人たちがものすごい労力を割いて支えてくれていることもわかった。もちろんそんなことずっと前からわかってたんだけど、今になって本当に身にしみてわかった。<br />
骨格を作り変えなくちゃいけない時期なのだ。なんとなく作った会社だけど、なんとなく続いたわけじゃない。こまかくていねいに少しずつ変革しながら続けてきた。丁寧な改装を続けてきたけれど、ここらで大きく背骨を変えるような改築をしなくちゃいけないんだろう。たぶん。まだそれがどんなふうになるかはわからないけれど。<br />
ずいぶん時間のかかることだし、完成することなんてないのかもしれないけれど。</p>

<p>などと、適当なことを考えたりやったりしながらぼんやりと休暇を楽しんでおります。<br />
休暇とはいえ、来月からは個人事務所を作って、そこでゼルダをやったり本を読んだりマンガを読んだりギターを弾いたりしようかと思っています。<br />
謎解き以外の面白そうな仕事なら個人で受けるつもりもあるので、お気軽にお声掛けください。儲けるつもりはありませんので。</p>

<p>あ、あと、5月に久しぶりのライブをします。<br />
このライブについては後日詳しく話しますがすごいライブになると思うので、ぜひ日程を空けておいてくださいませ。</p>

<p>■ 2017/5/13(土）東京・渋谷 Last Waltz 『真夜中に書いた手紙を出す 』　<br />
	<br />
【会場】 渋谷 Last Waltz<br />
【出演】 加藤隆生 / 超大陸パンゲア<br />
【時間】 OPEN 18:00 START 19:00<br />
【料金】 前売￥2,500/当日￥3,000（いずれも税込み ドリンク別）<br />
【チケット予約】　http://www.robopitcher.com/live/live.html </p>

<p><br />
まあそんな感じで、「休暇という大冒険」に出ている加藤先生の日記が読めるのはこのブログだけ！です。<br />
次回をお楽しみに！<br />
</p>]]></description>
         <link>https://keeponmusic.com/katotakao/170321223/</link>
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         <category></category>
         <pubDate>Tue, 21 Mar 2017 02:23:42 +0900</pubDate>
      </item>
      
   </channel>
</rss>
