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	<title>大前研一ニュースの視点blog アーカイブ | 株式会社Aoba-BBT</title>
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	<description>幼児から経営層までの生涯学習プラットフォーム株式会社Aoba-BBTは、「知のネットワークは人間の能力を無限に伸ばす」をミッションに、インターナショナルスクール、企業研修、オンライン大学・大学院（MBA）などの教育サービスを提供しています。</description>
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	<title>大前研一ニュースの視点blog アーカイブ | 株式会社Aoba-BBT</title>
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		<title>KON1126：トランプ「勝利宣言」の虚構・タングステン危機・ペロブスカイトの敗北</title>
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		<pubDate>Thu, 09 Apr 2026 01:54:55 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[トランプの「勝利宣言」──勝っているなら、なぜまだ戦争を続けるのか 4月2日、トランプ大統領は国民向け演説で、対イラン軍事作戦について「圧倒的な勝利」を強調しま &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b>トランプの「勝利宣言」──勝っているなら、なぜまだ戦争を続けるのか</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">4月2日、トランプ大統領は国民向け演説で、対イラン軍事作戦について「圧倒的な勝利」を強調しました。イランの海軍・空軍は壊滅し、ミサイル能力は破壊され、核兵器開発の道は断たれたと主張しています。そして「2〜3週間以内に作戦を完了させる」意向を示しました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし、勝っているのであれば、なぜまだ戦争の継続を語らなければならないのでしょうか。イランのアラグチ外相は「少なくとも6ヶ月の戦闘に備えている」と明言しています。トランプ氏の発言はこの1週間で完全に迷走しており、「イランを石器時代に戻す」と言ったかと思えば、「責任者を呼べ」と叫び、その責任者が誰なのかさえわからない状態です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">米国内の専門家からも懸念の声が出始めています。F-15やA-10といった米軍機が撃墜され、パイロットの救出に手間取るなど、「圧倒的勝利」とはほど遠い現実が明らかになっています。アマゾンやオラクルなど米IT大手の中東拠点がイランの攻撃対象になっているという報告もあり、経済面での打撃も深刻化しています。</span></p>
<h4><b>カーグ島占領論の危うさ──イラン原油の90%が集中する島を狙う狂気</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">トランプ大統領は3月29日、イランの原油輸出拠点であるカーグ島を制圧する可能性に言及しました。イラン産原油の90%がこの島から輸出されており、ここを抑えればイランの経済を窒息させられるという算段です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし私は、仮にカーグ島を占領したとしても、その先に待つのは地獄だと考えます。イランは自国の施設を破壊してでも抵抗するでしょうし、駐留する米軍を殲滅するために全力を尽くすはずです。これは陸上戦を意味し、トランプ氏が通常ならやらないようなことですが、今は追い詰められているだけに、やりかねません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">イランは世界第4位の原油埋蔵量を持ち、人口も約9000万人を擁する大国です。カーグ島を潰しても他の油田は残りますし、陸上輸送で対象国に供給することも可能です。壊滅的ではあっても致命的ではない。トランプ氏が「簡単に占領できる」と言うのは、イラクやアフガニスタンと同じ過ちを繰り返す前兆にしか見えません。</span></p>
<h4><b>ホルムズ海峡と日本のエネルギー政策──「170円に抑える」は合理的でない</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">高市首相は国民への節電要請について「あらゆる可能性を排除しない」と述べ、需要抑制策の可能性を示唆しました。一方、EU加盟国のうち10ヶ国以上がすでに燃料税の一時引き下げに踏み切っています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし、私に言わせれば高市首相のリスク認識は完全に甘い。ホルムズ海峡が通れず、石油の90%がそこを経由する日本にとって、これは選挙前の「市民サービス」で済む問題ではありません。ガソリン価格を170円に設定するなど、非合理としか言いようがない。日本は石油を一滴も産出しないのに、世界最大の産油国であるアメリカよりも安い価格で売ろうとしている。ドイツは日本の2倍以上、フランスやイタリアも軒並み高い。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかも、たとえホルムズ海峡を通過できるようになっても、湾岸の輸出施設はすでに破壊されています。カタールのLNG施設の復旧には1〜2ヶ月、長ければそれ以上かかります。これは短期的な問題ではありません。国民に対して本当のことを伝え、エネルギーを大幅に節約する覚悟を求めるべきです。値上げこそが最も合理的な消費抑制策なのです。</span></p>
<h4><b>タングステン危機──中国依存の「見えない急所」が露呈した</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">今回のニュースで多くの方がご存じなかったであろうトピックが、タングステンの供給危機です。タングステンは融点が最も高い金属で、その炭化物にコバルトなどを混ぜると超硬合金になります。工作機械の切削工具や砲弾の芯材など、産業と軍事の両面で不可欠な素材です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">このタングステンの価格がわずか4ヶ月で3倍に高騰しました。供給の大部分を中国が握っており、モリブデンやロジウムなど関連レアメタルも同様に不足しています。中国以外ではベトナムやロシアに若干の埋蔵量がありますが、代替調達は容易ではありません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">タンガロイのような超硬合金メーカー、そして工作機械全般がこの影響を受けます。機械加工、研磨、切削──日本のものづくりの根幹を支える素材が、中国の手の中にあるという事実に、私たちはもっと危機感を持つべきです。少なくとも3年分の備蓄を国内に持っておかなければ、中国に首根っこを掴まれたままになります。レアアースだけでなく、タングステンの備蓄戦略を今すぐ議論すべきです。</span></p>
<h4><b>米国防予算240兆円の非現実性──日本の国家予算2年分が「軍事費」に消える</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">米国の2027年度国防予算が過去最高の約240兆円に達する方針が明らかになりました。前年比42%増という数字は、冷戦時代のレーガン政権の増加幅すら上回ります。トランプ政権のミサイル防衛システム「ゴールデン・ドーム」などの新規プログラムも含まれています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">これは日本の国家予算のまるまる2年分に相当します。日本の防衛予算が5兆円から10兆円へ、GDP比5%にしたとしても25兆円ですから、少なくとも10倍の規模です。「世界最強」を何度も連呼しながら、他のあらゆる予算を削ってまで軍事費だけを積み上げていく。正気の沙汰とは思えません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">NATO諸国にもGDP比5%の防衛費を求めており、これが実現すれば世界全体の軍拡が加速します。議会が否決する可能性はありますが、上下両院とも共和党多数の「トリプルレッド」状態では、通ってしまう危険性も否定できません。</span></p>
<h4><b>台湾の原発再稼働と国民党訪中──「台湾人意識」の高まりと習近平の焦り</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">台湾当局が原子力発電所の2028年再稼働を検討していることが明らかになりました。AI半導体産業の電力需要急増とエネルギー供給への懸念が背景にあります。台湾は脱原発政策で2025年に原子力をゼロにしましたが、石炭依存度が高く、CO2問題もあり、原発再稼働に舵を切らざるを得ない状況です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">一方、中国共産党は3月30日、台湾最大野党の国民党・鄭麗文（テイ・レイブン）主席と習近平主席が会談したと発表しました。2016年以来の党首級会談で、経済交流の拡大と大統領選を見据えた動きです。習近平は日々台湾を取り込もうとしていますが、なかなか思い通りにはいきません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私が注目しているのは台湾のアイデンティティの変化です。「自分は台湾人だ」と考える人が圧倒的に増えています。李登輝の時代に私が提案した「本省人・外省人の区別をやめ、全員を台湾人とする」戸籍改革はまだ実現していませんが、実態としてはその方向に進んでいます。「本土籍」という区分が残っている限り、「いつか大陸に戻って全部取り戻す」という建前が消えません。ここが大きな問題です。</span></p>
<h4><b>ペロブスカイト太陽電池──桐蔭横浜大学発の技術が中国100社に奪われる構図</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">ペロブスカイト型太陽電池の開発競争で、中国企業100社以上が参入していることが明らかになりました。中国のスタートアップがすでに世界初のギガワット級生産拠点を稼働させ、昨年11月には世界最高の変換効率を持つ市販品を開発しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">この技術は桐蔭横浜大学の研究者が開発しました。ところが、費用や手間の問題で特許を出願せず、中国が自由に技術を活用できる状況になり、今や開発競争で日本を圧倒しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">曲げられる、変換効率が高い、製造コストが安い──次世代太陽電池の本命と目されるペロブスカイトですが、開発のスピードと規模で中国に太刀打ちできていません。日本発の技術がまたしても中国に持っていかれるという、何度目かの悲劇が繰り返されています。</span></p>
<h4><b>韓国コスメの躍進と資生堂の苦境──SNS時代のブランド戦略の明暗</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">韓国の化粧品輸出が過去最大を記録し、初めて中国を抜いて米国が最大の輸出先となりました。TikTokやInstagramでのインフルエンサーが「保湿力が高い」「肌に優しい」と拡散したことが爆発的な成長の原動力です。アモーレパシフィックをはじめとする韓国企業がSNSマーケティングで世界市場を席巻しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">一方、資生堂はこの波に完全に乗り遅れました。従来のフランス型・アメリカ型のブランド投資──高額な広告費をかけてブランドイメージを構築する手法──に頼り続けた結果、SNS時代の「インフルエンサーが一言いえば売れる」というスピード感についていけなくなりました。中国市場でもシェアを落としています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">問題は、インフルエンサー頼みのマーケティングは、ブランドへの持続的な投資がないまま一瞬で消えるリスクもあるということです。</span></p>
<h4><b>オムロン電子部品事業のカーライル売却──「ノウハウなき買い手」への懸念</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">大手電機メーカーのオムロンが、電子部品事業を米カーライル・グループに810億円で売却すると発表しました。対象事業の従業員は約6500人。中国企業との競争激化で業績が低迷する中、カーライルの支援で成長を目指すとしています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私はオムロンの創業者・立石一真さんと50年前からの付き合いがあり、スイッチ・タイマー・リレーという電子部品の世界をよく知っています。かつては世界トップの圧倒的な強さを誇っていましたが、中国に一つずつ奪われ、今や利益がほとんど出なくなりました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">問題はカーライルにこの事業のノウハウがあるかどうかです。私にはないと思います。カーライルは買収資金は持っていますが、電子部品事業の知見はない。4〜5年以内に「出口」を求めるのが投資ファンドの常であり、その時に中国企業に投げ売りされる可能性は十分にあります。オムロンにとっては810億円が手元に入りますが、日本のスイッチ・タイマー・リレー産業がそのまま中国に移転するリスクを考えると、手放しでは喜べません。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2025年4月5日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" fetchpriority="high" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
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		<title>KON1125：4000キロ弾道ミサイル・エネルギー備蓄の限界・NEC世界首位の皮肉──日本の&#8221;持ち腐れ&#8221;体質を撃つ</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5518/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 02 Apr 2026 01:07:37 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[ イランの長距離ミサイル発射──4000キロの射程が欧州を震撼。ディエゴガルシア基地への攻撃が示す「想定外の脅威」 イランが3月20日、インド洋のディエゴガルシ &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b> イランの長距離ミサイル発射──4000キロの射程が欧州を震撼。</b><b>ディエゴガルシア基地への攻撃が示す「想定外の脅威」</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">イランが3月20日、インド洋のディエゴガルシアにある米英共同基地に向け、射程約4000キロの中距離弾道ミサイル2発を発射しました。1発は迎撃され、もう1発は途中で墜落し攻撃は失敗に終わりましたが、問題はその「射程」にあります。イランはこれまで弾道ミサイルの射程を2000キロに自主規制してきたとされており、4000キロという数字はイギリスやフランスなど欧州の主要都市が射程圏内に入ることを意味します。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">欧州各国にとってこの衝撃は計り知れません。これまでイランのミサイルは「中東地域の問題」という認識でしたが、それが一夜にして自国の安全保障に直結する脅威へと変貌したのです。攻撃そのものは不成功に終わりましたが、イランが4000キロ級の兵器を開発しているという事実こそが、安全保障上の前提を根本から揺さぶる出来事です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ディエゴガルシアはB-2ステルス爆撃機やB-52戦略爆撃機を運用できる米軍の戦略的要衝であり、ここを狙うことはイランにとって「米軍の安全圏はもはや存在しない」というメッセージの発信でもあります。技術的な精度はまだ未成熟であっても、この「到達能力の誇示」が持つ地政学的インパクトは極めて大きいと言わざるを得ません。</span></p>
<h4><b>トランプの「夢遊病」──停戦交渉の一人芝居と責任転嫁</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">トランプ大統領はイランとの戦闘停止に向けた協議が「生産的だった」として、イランの発電所への攻撃を5日間延期すると発表しました。しかし、私にはこの停戦協議そのものが行われていないように見えます。パキスタンのシャリフ首相が仲介に動いてはいますが、正式な交渉とは言い難い状況です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">当初「48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければ発電施設を攻撃する」と最後通牒を突きつけたはずが、それが5日間に伸び、さらに延びていく。これは彼の「一人芝居」に過ぎません。陸上作戦の準備に時間を稼いでいる可能性もありますが、停戦に向けた実質的な進展があるとは考えにくいでしょう。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">さらに問題なのは責任転嫁です。トランプ氏は対イラン軍事作戦を最初に支持したのはヘグセス国防長官だったと示唆し始めました。しかし実態は、娘婿のジャレッド・クシュナーが「今やればすぐ終わる」と助言したことがきっかけだったとされています。泥沼にはまった結果、秋の中間選挙に不利だと気づき、誰かに責任をなすりつけようとしている。「戦争をしない大統領」を公約したはずの人物が始めた戦争の代償は、想像以上に重いものになりつつあります。</span></p>
<h4><b>ホルムズ海峡封鎖とエネルギー危機──日本は「我慢」と「節約」で乗り切るしかない</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">ホルムズ海峡の通航リスクが高まる中、日本のエネルギー自給の限界が改めて突きつけられています。しかし、ここで原発再稼働に舵を切ったところで、実際に動くまでには5年、6年とかかります。福島第2原発は物理的には稼働可能でも、福島県民がOKする可能性はほぼゼロです。青森県の東通原発も建設途中で止まったまま。再生可能エネルギーも建設に同程度の時間がかかります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">したがって、今回は「油が来なければ来ないなりに我慢する」しかありません。夏の甲子園を中止する、東京タワーのライトアップをやめる、冷房を27度で我慢する──コロナ禍で夜8時閉店をやったのと同じことです。今あるエネルギーを倍持たせるよう節約を徹底すれば、十分に耐えられるはずです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">政府がガソリン価格を170円に抑える補助金を再開するという話がありますが、これはIEA（国際エネルギー機関）が呼びかけている消費抑制策とは完全に矛盾します。供給不安の局面で消費を喚起する政策は間違いです。自然な価格に委ね、高ければ高いなりに節約する。それが合理的な対応です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">もう一つ重要なのは、フィリピンやベトナムへの支援です。これらの国は石油備蓄がほとんどなく、すでにパニック状態に陥っています。日本の254日分の備蓄のごく一部を回すだけで大きな助けになります。アジアにおける日本の役割として、ぜひ検討すべきだと考えます。</span></p>
<h4><b>湾岸の生産基地が破壊されている──ホルムズ解放後も供給は戻らない</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">シェルのサワンCEOが、カタールのエネルギー施設の修復におよそ1年かかるとの見通しを示しました。エクソンモービルも、カタールに権益を持つLNG輸出基地の復旧に最大5年かかると言っています。これは、仮にホルムズ海峡が通れるようになったとしても、湾岸の生産基地そのものがイランの攻撃で破壊されており、供給力自体が落ちているということを意味します。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私たちは「海峡が通れるかどうか」ばかりに注目しがちですが、向こう側で生産設備がやられているという事実こそがより深刻な問題です。LNGについては、日本はかつてカタール一辺倒だったものが今は調達先をかなり多様化しているため、まだ対応の余地はあります。しかし石油については依然として湾岸からの調達に頼らざるを得ず、急遽、南米あたりからの調達を考える必要があります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">この状況は、エネルギー安全保障における「調達先の多様化」がいかに重要かを改めて突きつけています。海峡の開放だけでは問題は解決しない──この認識を持つことが、今後の政策判断の出発点になるべきです。</span></p>
<h4><b>福島原発3号機のドローン調査──「チャイナシンドローム」が現実に</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">東京電力が福島第1原発3号機の格納容器内を小型ドローンで撮影した映像が公開されました。事故後初めて確認されたのは、鋼鉄製の圧力容器底部に開いた大きな穴です。溶融した核燃料がテーブルを突き破り、さらにその下のコンクリートまで溶かしていたことがわかりました。これはまさに、かつて映画にもなった「チャイナシンドローム」の現実版です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">東電は今後、デブリ取り出しの方法を検討するとしていますが、880トンものデブリを数グラムずつ削って取り出すなど、現実的に不可能です。あれはあのまま固めるしかないと考えます。東電が約束している「2051年までに全て取り出して更地にして大熊町と双葉町にお返しする」という計画は、今回のドローン調査で「思ったよりもひどい状況」であることが判明した以上、撤回すべきです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私は基本的に原子力の人間ですが、この業界には嘘つきが多いと言わざるを得ません。「絶対安全」と言わなければ建てさせてもらえないから「絶対安全」と言う。確率の議論ができない日本の原子力行政の構造的問題は、事故から15年経った今もまったく解消されていないのです。</span></p>
<h4><b>イタリアに輸出で抜かれた日本──「地方創生」の本質はブランド力にある</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">OECDの統計によると、2025年第3四半期にイタリアの輸出額が日本を上回り、イタリアは世界第4位の輸出国となりました。仏『Les Echos』紙をはじめ各紙がこの逆転を大きく報じています。10年前は世界7位だったイタリアが、人口3倍の日本を追い抜いたのです。その強さの源泉としてよく挙げられるのは、高級ブランドやワイン、チーズなど価格競争に巻き込まれにくい高付加価値製品です。しかし、私の見解は少し異なります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">イタリアの本質的な強みは、国内に約140の「産業集積地区（ディストレット）」が存在し、それぞれが世界市場と直接取引していることにあります。トスカーナのワイン、ビエッラのウール・繊維、カルピのニットウェア、パルマ近郊のプロシュートとパルミジャーノ・レッジャーノ、コモ湖畔のシルク産業──地域ごとの専門特化した中小企業群が、強力な輸出競争力を支えています。これは都市国家の伝統に根ざした「1つの地域＝1つの産業＝世界市場」という構図であり、『Les Echos』も指摘するように、地理的近接性がサプライチェーンの強靱性を高め、不安定な国際環境下でもイタリア企業の競争力を維持しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">翻って日本の地方創生はどうか。成功例として知られる徳島県上勝町の葉っぱビジネス（つまもの事業）は年商約2.6億円。大分県の一村一品運動は県全体で総生産額1,400億円に達したが、336品目に分散しており、個々のブランドが世界市場で独立して戦える規模にはなっていません。新潟の燕三条は金属加工で世界に通じるポテンシャルがありますが、品目やブランドが拡散して「一点突破」に至らない。福井の鯖江も眼鏡フレームで世界シェアの一角を占めながら、それ一筋で突き抜けられていない。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日本に欠けているのは、中央集権を脱して「自分の地域から世界へ」という発想の転換です。ローマ（中央政府）を嫌い、自分たちの街で世界と勝負する──イタリアの産業集積地区に流れるその精神にこそ、日本の地方創生が学ぶべき本質があります。</span></p>
<h4><b>NEC顔認証「世界首位」の皮肉──インドで使われ日本で使われない技術</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">NECの顔認証技術が、アメリカ国立標準技術研究所の性能試験で再び世界首位になりました。1200万人分の静止画テストで認証エラー率0.06%という驚異的な精度です。顔、虹彩、指紋、声、耳の音響──いずれの分野でもNECはトップクラスの技術を持っています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ところが、この世界最高の技術が日本のマイナンバーカードには使われていません。一方、インドでは14億人の国民ID「アドハー」に、10本の指と虹彩をNECの技術で認証するシステムが導入されています。しかもインドはそれを基盤に決済プラットフォームまで構築し、「21世紀型国家」へと進化しました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日本のマイナンバーカードは暗証番号が2つあって5年に1回変更が必要という、時代遅れのシステムです。問題の根っこは、住基ネットの時代に自治体ごとにベンダーが異なるシステムを作ってしまったことにあります。統一するとNECに全部持っていかれるのが嫌だと、他のベンダーが抵抗した結果が今の惨状です。アメリカ軍でさえNECの虹彩認証を採用しているのに、日本政府だけが使っていない。この恥ずかしい現実を、もっと深刻に受け止めるべきです。</span></p>
<h4><b>ソニー・ホンダのEV事業中止──「正しい質問」ができなかった悲劇</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">ソニーグループとホンダの合弁会社ソニー・ホンダモビリティが、EVの開発販売を中止すると発表しました。2022年の設立時には大きな期待を集めましたが、私はプレゼンを聞いた瞬間に「ダメだ」と思いました。彼らの発想が完全にフリーズしていたからです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">彼らのコンセプトは「レベル5の自動運転になれば運転しなくていい。だからリビングルームのようにスパイダーマンを見てプレイステーションで遊ぶ」というものでした。しかしそれなら自宅でやればいい話です。車は「動いている」のです。「動いている」ことの価値に対する問いかけがまったくなかった。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">例えば、動いているときにGoogleマップと連動させ、ルートセールスの営業マンが訪問先企業の最新情報をAIで準備する。ストリートビューから駐車中の車の車検期限を読み取り、切れる2ヶ月前に売り込む──セールスフォースオートメーション（SFA）と組み合わせれば爆発的な可能性があります。これが「正しい質問」の力です。「動いていることで何ができるか」と問えば、無限のアイデアが出てくる。「スパイダーマンとプレステ」で止まったのは、サラリーマン経営者の発想の貧困さを象徴しています。ソニーとホンダの組み合わせは、創業者がいた頃であれば面白かったかもしれません。</span></p>
<h4><b>三菱電機が中国ヒューマノイド企業に出資──「見てないで飛び込め」の実践</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">三菱電機が、中国のルーモス・ロボティクス・テクノロジーに出資する見通しが明らかになりました。ルーモスは2024年設立の新興企業で、製造業向け人型ロボットや作業データ収集技術に強みを持っています。三菱電機は自社のFA（ファクトリーオートメーション）機器と組み合わせ、工場の省人化・無人化を目指す方針です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">先月の講演会でも、ヒューマノイドの重要性を強調したところ「飛び込むしかない」とは言ったものの、実際にどう飛び込むのか難しいという反応が多くありました。その意味で、FA機器で十分な体力を持つ三菱電機が中国の新興企業に入っていったのは正解です。中国にはヒューマノイド関連企業が150社もあり、競争の真っ只中に入ることになります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日本企業の多くは「中国</span><span style="font-weight: 400;">企業との提携はリスクが高い</span><span style="font-weight: 400;">」と遠くから見ているだけです。しかし、200億円以下の時価総額の企業もまだ多く、投資の機会は十分にあります。三菱電機のこの動きが他の日本企業にとっても良い事例となることを期待しています。遠くから見ていないで、突っ込んでいくしかないのです。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2025年3月29日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
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			</item>
		<item>
		<title>KON1124：イラン戦争泥沼化・日米首脳会談・EV戦略破綻  ──「トランプの戦争」に巻き込まれる日本のサバイバル戦略</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5514/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 26 Mar 2026 07:16:41 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[イラン戦争の泥沼化と「トランプの孤立」── 同盟国は背を向け、政権内部からも批判噴出。中間選挙への命取りとなるか イランへの軍事作戦が開始から3週間を迎え、事態 &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b>イラン戦争の泥沼化と「トランプの孤立」</b><b>── 同盟国は背を向け、政権内部からも批判噴出。中間選挙への命取りとなるか</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">イランへの軍事作戦が開始から3週間を迎え、事態は一向に収束の気配を見せません。ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続く中、トランプ大統領はNATOや日本など同盟国に艦船派遣を要請しましたが、各国は軒並み消極的な態度を示しました。すると一転して「支援は必要ない」と表明。翌日にはまた派遣を求めるという二転三転ぶりです。さらには「48時間以内にホルムズ海峡を全面開放しなければ、イランの発電所を攻撃し壊滅させる」と警告するに至りました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">韓国・中央日報は「アメリカではなくトランプの戦争」と題する記事を掲載し、同盟全体の合意に基づかない戦争に各国が背を向けた構図を描いています。中国は「自分で火をつけて、今になって世界中に火消しを求めている」と冷ややかに傍観しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">さらに深刻なのは、政権内部からの離反です。国家テロ対策センターのケント所長が「イランは差し迫った脅威ではない」と公言して辞任しました。ギャバード国家情報長官もアメリカとイスラエルの目標が異なると指摘し、トランプ氏が攻撃の根拠としてきた「差し迫った核の脅威」の存在を否定しています。これはイラク戦争でコリン・パウエルが「大量破壊兵器」のプレゼンを行い、後にそれが嘘だったと認めた構図と酷似しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">トランプ氏の支持率は低下を続けており、民主党支持者の74%が「非常に激しく不支持」と回答。原油価格の高騰がインフレを加速させれば、11月の中間選挙は苦戦必至です。この戦争は、アメリカ自身の足を食べるタコのような政策と言わざるを得ません。</span></p>
<h4><b>日米首脳会談：高市首相の「法律の範囲内」</b><b>── ホルムズ海峡護衛要請をかわした外交と、曖昧さが残した課題</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">高市首相は3月19日、ワシントンでトランプ大統領と首脳会談を行いました。冒頭で高市氏は「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだ」と述べました。多くのメディアは「無事に乗り切った」と評しましたが、果たしてそうでしょうか。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">最大の焦点はホルムズ海峡への艦船派遣要請でした。高市首相は「法律の範囲内でできることとできないことがある」と説明したとのことですが、茂木外務大臣が補足する場面もあったようです。日本の法律では紛争地域への艦艇や掃海艇の派遣はできないのですから、その点をはっきりと国民に向けて説明すべきです。「法律の範囲でできることをやります」では、何ができて何ができないのか、曖昧なままです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">一方、対米投融資の第二弾として約11兆円規模のプロジェクトが合意されました。日立製作所などが手がけるSMR（小型モジュール炉）に約6兆円、データセンター向けガス発電施設に約5兆円という内容です。しかし、日立がSMRを実際に作った実績はなく、利益が出なかった場合の負担者も不明確です。アラスカの原油パイプラインなど、完成まで10年はかかるプロジェクトが多く、その頃にはトランプ氏はいません。起承転結がまったくクローズしていない「怪しいプロジェクト」と言わざるを得ません。</span></p>
<h4><b>トランプの「真珠湾発言」とテレビ朝日記者の失態</b><b>── 話法に長けた大統領に切り返された日本メディアの英語力不足</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">日米首脳会談の冒頭で、トランプ大統領が放った「真珠湾発言」は大きな波紋を呼びました。テレビ朝日の記者がイラン攻撃を同盟国に事前通知しなかった理由を問うと、トランプ氏は「奇襲の効果を狙った。日本ほど奇襲（スニークアタック）をよく知っている国はないだろう。なぜ真珠湾攻撃を教えてくれなかったのか」と切り返したのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">これは100%、質問した記者の責任です。トランプ氏は話法に非常に長けた人物であり、こうした切り返しは彼の得意技です。もし記者が「ならばアメリカも同じ汚名を今後背負うのか」と返せれば合格でしたが、見事に切り返されてしまいました。高校1年生レベルの英語力では、トランプ氏のレトリックには太刀打ちできません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">興味深いのは、アメリカ側のメディアの反応です。米国の記者たちはむしろトランプ氏のこの下品な切り返しを厳しく批判する記事を多数書いています。日本の記者がバカな質問をしたことで、結果的に日本が辱められるという最悪の展開になりました。こうした場での発言は国益に直結します。英語力だけでなく、相手の話法を理解した上で戦略的に質問できる人材を送り込むべきです。</span></p>
<h4><b>ソフトバンク「80兆円」の大風呂敷</b><b>── 人類史上最大の投資計画、しかしビジネスプランは見えず</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">ソフトバンクグループの孫正義会長が、アメリカ・オハイオ州で約80兆円規模のAI向けデータセンター投資計画を発表しました。アメリカの閣僚も同席してのくわ入れ式が行われ、「人類史上最大規模の産業拠点」を目指すと大々的にアピールしています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし、トランプ第一期の時もインディアナ州でくわ入れ式をやっていたことを覚えている人がどれだけいるでしょうか。あの計画がどうなったか、もう誰も覚えていません。日経新聞がついに「孫正義大風呂敷」と見出しに書いたのは、象徴的です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">問題は、これだけの巨額投資に見合うビジネスプランがまったく見えないことです。データセンターを作ったとして、ユーザーはどこにいるのか。完成してからどのように利益を出すのか。パートナー企業も未確定のまま、でかい数字だけが先行しています。アメリカ側は雇用創出につながるので歓迎していますが、投資のリスクを負うのは日本側です。孫氏はテレビのディレクター出身者のように、その瞬間のインパクトで勝負する人です。しかし経営は瞬間芸ではありません。</span></p>
<h4><b>ホンダ6900億円の赤字：EV戦略転換の手遅れ</b><b>── トヨタのハイブリッド戦略が正解だった理由と、日産・ホンダの根本的な違い</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">ホンダが2026年3月期の連結決算で最大6900億円の赤字になる見通しを発表しました。EV需要の鈍化を受けた資産減損と開発中止に伴う損失が主因です。三部社長は「2040年までにEVとFCVの販売比率100%」の目標について「現実的に達成困難」と認めました。しかし「達成困難」ではなく「方向転換する」とはっきり言うべきです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">結果論ではありますが、トヨタのハイブリッド戦略が正解でした。同じ1リッターで30キロ走れるハイブリッド車に対し、EVは走行時こそクリーンですが、電気そのものが石炭火力で作られていれば、CO2の総排出量はむしろ多くなります。補助金ありきのEV普及策の欠陥に、もっと早く気づくべきでした。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">欧州主要自動車メーカー6社の決算でも、ステランティスなど3社が最終赤字に転落し、損失総額は約6兆7000億円に達しました。世界的なEV需要の低迷が各社を直撃しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ここで重要なのは、日産とホンダの問題は根本的に異なるという点です。日産はカルロス・ゴーン氏のアメリカ偏重戦略が日本市場を失わせた「ゴーン後遺症」です。一方、ホンダは「ホンダにあらざれば人にあらず」という企業文化から、どの会社と組んでもうまくいかないという体質的な問題を抱えています。ホンダの救いは二輪事業の利益です。オートバイがなければ、もっと深刻な状態だったでしょう。</span></p>
<h4><b>EU「原発は戦略的に正しかった」フォンデアライエン委員長の方針転換</b><b>── 福島後の脱原発路線を「誤り」と認め、SMR推進へ舵を切る欧州</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">EUのフォンデアライエン委員長が、「欧州が原発から距離を置いてきたことは戦略的な誤りだった」と明言しました。福島第一原発事故後、欧州各国は脱原発に舵を切りましたが、再生可能エネルギーのインフラ整備が追いつかず、ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー不足が深刻化した現状を踏まえたものです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">フランスは何があっても原発路線を貫いてきましたが、ドイツは脱原発を決断し、その結果エネルギー供給の脆弱さが露呈しました。イギリスは国民投票で原発再開のコンセンサスを得ています。欧州全体で見ると、再生可能エネルギーは確かに増えていますが、風力が中心で、原発の比率低下分を完全には補えていません。CO2を出す石油・石炭は減少傾向にあるものの、原発がかつてのように30%程度に戻れば、エネルギーミックスはかなり安定します。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">フォンデアライエン委員長はSMR（小型モジュール炉）の導入を推進する方針を示しました。比較的短期間で小規模なものを多数設置できるSMRは、大型原発に比べて立地の柔軟性が高く、段階的な導入が可能です。EUは今後、原発を低炭素電源と位置づけ、産業競争力の回復とエネルギー安全保障の強化を両立させる戦略をとることになります。エネルギー政策における現実主義への回帰と言えるでしょう。</span></p>
<h4><b>イギリス解体の予兆：ウェールズ独立派が首位に</b><b>── スコットランドに続きウェールズも。ブレグジットが招く「イングランド・アローン」</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">イギリスの調査会社ユーガブの世論調査で、ウェールズ議会選において地域政党ブライド・カムリ（ウェールズ党）の支持率が37%で首位となりました。反移民のリフォームUKが23%で2位、労働党と保守党はともに10%に沈んでいます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">これは重大な変化です。ユナイテッド・キングダムはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4地域で構成されていますが、スコットランドの独立運動はすでに長い歴史があります。それに加えてウェールズでも独立志向の政党がトップに立ったことは、UKの解体リスクが現実味を帯びてきたことを意味します。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ブレグジットの日にBBCに出演して「このまま行けばイングランド・アローンになる」と指摘した時、イギリスの司会者には一笑に付されましたが、今やブレグジットは間違いだったと考える国民が6割に達しています。スコットランドが独立すればEUに再加盟を申請し、ウェールズもほぼ同時に動くでしょう。北アイルランドはアイルランドとの統合を望んでいます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日本企業にとって見逃せないのは、日産以外の日本企業の多くがウェールズに進出しているという事実です。ソニーもパナソニックも拠点を置いており、ウェールズは日本企業と非常に相性がよい地域です。ウェールズの独立が現実になれば、日本の製造業に直接的な影響が及びます。この動きはしっかりと注視しておく必要があります。</span></p>
<h4><b>レアアース国産化は「経済的に非合理」</b><b>── コスト20倍の深海採掘に3400億円、中国に市場で潰される構造を見よ</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">南鳥島沖のレアアース開発について、供給網整備の総投資額が約3400億円に上る見通しが報じられました。1トンあたりの生産コストは約1100万円と、中国の約20倍です。国内需要の約1割を供給できる計算ですが、これは経済的には非合理な計画です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">企業戦略の立案家として断言しますが、やめるべきです。コストが20倍のものを苦労して高い施設を作り、運んできて売り始めた瞬間に、中国は輸出制限を解除して安い価格で大量供給に転じるでしょう。競合を潰すのは企業戦略の基礎中の基礎です。今は意地悪をして輸出を絞っていますが、それは日本にバカな投資をさせるための罠とも言えます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">レアアースは世界中に存在します。チリ、オーストラリア、アフリカなど、中国以外の国々が参入し始めています。放っておいても供給源は多様化していきます。日本がやるべきは、深海5600メートルから莫大なコストをかけて引き上げることではなく、都市鉱山の活用です。パソコンやスマートフォンを解体し、中に含まれるレアアースを回収する方が、はるかに合理的です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">学者はこうした採掘プロジェクトをやりたがりますし、役人は予算を確保したがります。しかし、3400億円もの税金を投じて、中国に市場で叩き潰される未来が見えている事業に手を出すべきではありません。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2025年3月22日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>KON1123：イラン危機・トランプ迷走・エネルギー問題──「頼れるアメリカ」なき時代に日本はどう生き残るか</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5504/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 19 Mar 2026 00:44:59 +0000</pubDate>
				<guid isPermaLink="false">https://aoba-bbt.com/?post_type=ohmae_blog&#038;p=5504</guid>

					<description><![CDATA[イラン最高指導者の後継と体制の行方 ── 次男モジタバ・ハメネイ氏の選出は「革命防衛隊の傀儡」誕生か ハメネイ師の殺害を受けて、次男のモジタバ・ハメネイ氏が最高 &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b> イラン最高指導者の後継と体制の行方</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">── 次男モジタバ・ハメネイ氏の選出は「革命防衛隊の傀儡」誕生か</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ハメネイ師の殺害を受けて、次男のモジタバ・ハメネイ氏が最高指導者に選出されました。しかし私は、この人事の裏側を冷静に見極める必要があると考えています。モジタバ氏は保守強硬派として知られ、革命防衛隊もただちに忠誠を表明しましたが、宗教的権威の不足を指摘する声は根強いものがあります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">注目すべきは、モジタバ氏自身も爆撃を受けた場所にいたとされ、重傷との情報がある点です。私は「もしかしたら革命防衛隊がこの人をパペット（操り人形）として使っていく可能性がある」と見ています。イランの統治構造は、人民が選ぶ大統領と、宗教指導者が選ぶ最高指導者という二重構造になっており、革命防衛隊は通常の軍よりも巨大な存在です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">体制の安定は、この新指導者が自ら統治するのか、それとも革命防衛隊に操られるのかによって大きく左右されます。アメリカの情報機関もイラン体制が近い将来崩壊する兆しはないと分析しており、事態の長期化は避けられない見通しです。</span></p>
<h4><b> トランプ大統領の「夢遊病」──女子学校誤爆と迷走する指揮</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">── 170人以上の児童を殺害しながら謝罪なし、娘婿の助言で戦争を始めた大統領</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">イランへの攻撃において、アメリカ軍の巡航ミサイル「トマホーク」が女子小学校を誤爆し、児童を含む170人以上が死亡しました。これに対するトランプ大統領の対応は、私に言わせれば「夢遊病状態」としか形容できないものでした。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">当初トランプ氏は「イランが自爆した」と主張し、次に「イランのトマホークだ」と述べ、イランがトマホークを保有していないと指摘されると「よく知らなかった」と答えたのです。これは明らかに戦争犯罪であり、未だに謝罪していないという事実は深刻です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">さらに問題なのは、この攻撃がCIAなどの情報機関ではなく、娘婿のジャレッド・クシュナー氏の助言に基づいて決断されたという点です。クシュナー氏はイスラエルのネタニヤフ首相の情報を鵜呑みにし、「攻撃すればすぐに終わる」と報告したとされます。トランプ氏は今になって「あいつの言うことを聞きすぎた」と親子喧嘩を始めています。あらゆる情報組織を持つ大統領が、身内の助言だけで戦争を決断する──これが世界最大の軍事力を持つ国の現実なのです。</span></p>
<h4><b> ホルムズ海峡封鎖と原油危機──日本のエネルギー安全保障が試される</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">── 原油98ドル台、ガソリン200円超え、「数日で終わる」楽観論は完全に消えた</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ホルムズ海峡の事実上の封鎖により、原油価格（WTI先物）は一時110ドルに迫り、攻撃前から47%上昇しました。私がこの週末に訪れた長野県では、すでにガソリン価格が200円を超えていました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">もし海峡に機雷が敷設されたとしたら、その除去は大きな問題になります。「気合を入れて通ればいい」というトランプ氏の当初の発言がいかに非現実的だったかが明らかになりました。来週の高市首相訪米では日本への掃海艇派遣要請も予想されますが、日本は法律上、紛争地域に自衛隊を派遣できません。高市首相がトランプ氏に「戦争が終わった状況を作ってくれ」とうまく言いくるめることができるかどうか。ここが一つの鍵になります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">高市首相はガソリン価格を170円程度に抑える緊急措置を発表し、IEAも過去最大の4億バレルの備蓄放出で合意しましたが、いずれも短期的な対症療法に過ぎません。サウジアラムコのCEOが警告するように、封鎖の長期化は石油市場に壊滅的な影響を及ぼします。しかもアメリカは自国が産油国であるため、日本や韓国のような輸入依存国の窮状を真に理解していないのです。</span></p>
<h4><b> 原子力産業の崩壊──廃炉不可能・人材枯渇・柏崎刈羽の不具合</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">── MIT原子力工学科130人→17人の衝撃、「彼女にデートを断られる」産業の末路</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">原子力規制委員会の山中委員長が「住民の意見を聞きながら議論を進める」「2051年までの廃炉完了を貫徹してほしい」と述べましたが、私はこれを聞いて「この人は何もわかっていない」と断じざるを得ません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">原子炉の専門家として申し上げますが、福島第一原発のデブリ除去は不可能です。チェルノブイリでもスリーマイルでもデブリを取り除けた例はなく、唯一の現実的な解決策は、国が双葉町・大熊町・浪江町の土地を買い取り、デブリはそのまま封じ込めることです。住民の意見を聞いて解決する問題ではありません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">さらに深刻なのが人材不足です。私自身の体験をお話しします。1967年にMITの原子力工学科に入学した時は130人の学生がいました。しかしスリーマイル事故の後は17人にまで激減し、全員がアフリカからの国費留学生でアメリカ人はゼロになりました。なぜか。「原子炉をやっている」と言うと、彼女がデートしてくれないのです。「そんな衰退産業を勉強しているの？」と。これは笑い話ではなく、世界中で起きている現実です。柏崎刈羽原発6号機でも15年間停止していた配管系統の不具合が相次いでおり、巨大システムを長期間放置するリスクが顕在化しています。私が週刊ポストに書いた通り、そう簡単にはいかないでしょう。</span></p>
<h4><b> ロシア制裁の一時解除──「親分、何考えてるの」という同盟国の悲鳴</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">── ホルムズ封鎖の穴埋めにロシア産原油を許可する矛盾</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">アメリカ財務省が、ホルムズ海峡封鎖による原油逼迫を受けて、ロシア産原油への制裁を約1か月間一時的に解除すると発表しました。とんでもない話です。ロシアに対する制裁を言ったアメリカが、自分の引き起こした中東危機の穴埋めのために「ロシアのを買っていいですよ、一ヶ月だけは」と言っているのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">フランスやウクライナが「ロシアに莫大な資金が転がり込む」と猛反発するのは当然です。「親分、何考えてるの」というのが、同盟国の偽らざる気持ちでしょう。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ロシアの原油輸出データを見ると、ウクライナ戦争後に中国とインドがロシア産原油の購入を大幅に増やしている構図が見て取れます。EUが制裁で購入量を減らす中、その穴を埋めてきたのがこの両国でした。そこにアメリカまでが「都合によって買っていい」と言い出す。もう方針がないんじゃなくて、放心状態になっていると言うべきでしょう。同盟国を振り回しながら、自らのルールをも破る──この「日替わりメニューのトランプ」に引きずり回される世界の構図は、深刻というほかありません。</span></p>
<h4><b> AI兵器利用の現実──OpenAIとAnthropicの対立が映す倫理の境界</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">── 国防総省がクロードを「こっそり使っていた」という不都合な真実</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">アメリカ国防総省がOpenAIと機密ネットワークでのAI展開契約を結んだことに対し、Anthropicのアモディ CEOが強く批判しました。Anthropicは「AIの乱用防止を重視したため、国防総省の取引を受け入れなかった」と説明しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし、現実はさらに複雑です。イスラエルとアメリカによるイラン攻撃においてAIが実際に使用されており、しかもAnthropicのクロードも使われていたことが後に明らかになりました。国防総省はトランプが「Anthropicは生意気だから使うな」と言っても、実際は使わないとダメだという状況なのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">これはAI倫理をめぐる根本的なジレンマを浮き彫りにしています。開発企業が軍事利用を拒否しても、政府機関が「こっそり」利用する。トランプ大統領が「使ったやつは懲罰だ」と言っても、現場は必要性から使い続ける。AIが戦争の道具として不可欠になりつつある現実の中で、技術と倫理の境界線をどこに引くのか。トランプさんも少しは目覚めてほしいところですが、この問いは軍事だけでなく社会全体に突きつけられています。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2025年3月15日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" loading="lazy" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
<p><span style="font-weight: 400;">─────────────────────</span></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>KON1122：カリスマの「絶対君主病」、買われる日本、そして失敗から学ばぬ国の行方</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5491/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 12 Mar 2026 04:47:17 +0000</pubDate>
				<guid isPermaLink="false">https://aoba-bbt.com/?post_type=ohmae_blog&#038;p=5491</guid>

					<description><![CDATA[イーメタンが拓く脱炭素の未来――都市ガス業界が賭ける次世代燃料 都市ガス大手がこぞってe-メタン（イーメタン）の調達先確保に動き始めました。e-メタンとは、CO &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b>イーメタンが拓く脱炭素の未来――都市ガス業界が賭ける次世代燃料</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">都市ガス大手がこぞってe-メタン（イーメタン）の調達先確保に動き始めました。e-メタンとは、CO2と水素を合成して作るメタンで、再生可能エネルギー由来の電力で製造すれば「カーボンニュートラルなガス」とみなされる次世代燃料の一つです。政府は2030年までに都市ガス供給量の約1%をe-メタンにするよう義務付ける検討を進めており、業界にとっては避けられない転換点が近づいています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私がこのニュースを見て感じるのは、「1%」という数字の持つ象徴的な重みです。現実的なインパクトとしてはわずかであっても、義務化によって業界全体が動き、技術・調達・インフラの整備が一気に進むという構造変化を引き起こす可能性があります。ゴミから燃料を作るSAF（持続可能な航空燃料）への義務付けをヨーロッパが進めているように、規制がイノベーションの呼び水になるケースは少なくありません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ただし、手放しで賞賛できるわけでもありません。e-メタンの製造コストはまだ高く、再エネ由来の水素を大量調達する体制も整っていない。「1%の義務化」が単なるノルマ達成に終わるか、産業構造の変革の起点になるかは、企業が本気でコスト競争力を追求するかどうかにかかっています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">脱炭素の文脈では、特定の技術に偏った「義務化」が非効率を生む危険性もあります。e-メタン一択ではなく、水素直接利用や電化との組み合わせを視野に入れた柔軟なエネルギーポートフォリオが求められます。今はまだ「種まき」の段階ですが、2030年に向けた動きをしっかり注視しておく必要があります。</span></p>
<h4><b>高島屋・700億円の特別損失が示す「不動産百貨店モデル」の限界</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">高島屋が2026年2月期の連結純損益見通しを、従来の130億円の黒字から一転して105億円の赤字へと大幅に下方修正しました。理由は2028年満期のユーロ円建て転換社債（CB）を自社で買い戻して償却するための712億円の特別損失です。投資家が社債を株式に転換して株式が希薄化するのを事前に防ぐ「攻めの損失計上」と報道され、本業の儲けを示す営業利益の予想は修正されていませんが、私はもう少し懐疑的に見ています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">高島屋は「半分が不動産会社」と言っても過言ではない企業です。新宿では敷地を開発して高島屋タイムズスクエアとして貸し出し、名古屋駅前でも一人勝ち状態が続いてきた。不動産収益で稼ぎながら百貨店を運営するこのビジネスモデルは、長年にわたり安定した収益の柱でした</span><span style="font-weight: 400;">が、</span><span style="font-weight: 400;">「高島屋モデル」の稼ぐ力そのものが、かつてほどの力強さを失いつつある可能性があります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">百貨店という業態が構造的に苦しい時代に、不動産モデルで補完してきた高島屋</span><span style="font-weight: 400;">でさえも</span><span style="font-weight: 400;">、いよいよビジネスモデルの本格的な再設計が必要な局面に来ているのかもしれません。「攻めの損失計上」という言葉を額面通りに受け取るのではなく、背景にある収益構造の変化を冷静に読む必要があります。</span></p>
<h4><b>ニデック・会計不正の深層――カリスマ経営者と「絶対君主病」の怖さ</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">ニデックの第三者委員会報告書が公表され、複数拠点での棚卸資産の過大評価や費用計上の先送りが認定されました。そして背景に「創業者・永守重信氏による業績目標達成への過度なプレッシャーがあった」と指摘されています。最大2500億円規模の減損損失という、その規模の大きさに改めて驚かされます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし、私はこの報告書の結論の立て方に違和感を覚えます。永守さんへの批判に終始し、彼の功績と問題を混同しているように見えるからです。永守氏がいなければ、ニデックはここまでの規模にはなり得なかった。M&amp;Aを繰り返しながらモーター事業を世界トップに育てた経営手腕は本物です。その点は公正に評価しなければなりません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">問題の本質は「永守氏個人の人間性」ではなく、「絶対君主を生み出した組織構造」にあります。トップが強力であればあるほど、周囲はイエスマンで固まり、内部からの異議申し立てが機能しなくなる。これはカトキチのうどん事業でもスルガ銀行でも見られたパターンです。そして今、トランプ大統領を見れば同じ構図が国家レベルで展開されていることがわかります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">今後の日本企業に必要なのは、カリスマ創業者を排除することではなく、カリスマ経営者でも「一時停止」をかけられる独立した牽制機構を整備することです。社外取締役がイエスマン化していては意味がありません。会社の中で「それはおかしい」と声を上げられる雰囲気と仕組みこそ、真のコーポレートガバナンスです。</span></p>
<h4><b>スペースワン3度目の失敗――「新しい知見」だけでは次に進めない</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">宇宙スタートアップのスペースワンが小型ロケット「カイロス3号機」の打ち上げに失敗しました。2024年の初号機・2号機に続く3度目の失敗です。スペースワンの関係者は「新しい知見を蓄積できた。4回目に挑戦したい」と前向きなコメントを出していますが、私はそれだけでは不十分だと思っています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">失敗は確かに学習の機会です。しかし「学習した」と言えるためには、何が問題だったかを明確にし、その分析を第三者が検証できる形で開示しなければなりません。「社内で知見を蓄積した」では、日本の宇宙開発全体が前進したことにはなりません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私が思い出すのは、福島第一原発事故の分析です。私自身も分析に関わりましたが、あれだけ明確な原因と改善提案があったにもかかわらず、15年経った今も提案の多くが実行されていません。担当者がどんどん変わるため、組織の中に教訓が根付かないのです。スペースワンが同じ轍を踏まないか、心配しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">もう一つ指摘したいのは、技術的なノウハウの問題です。SpaceXやRocket Labが圧倒的な成功率を誇る中、日本の宇宙開発は「自前主義」にこだわりすぎているのではないでしょうか。世界から優秀な人材とノウハウを取り込むことを、もっと積極的に考えるべきです。挑戦する姿勢は尊重しますが、同じ失敗を繰り返していては、資源の無駄遣いになってしまいます。</span></p>
<h4><b>外国人の土地取得規制――「買う側」から「買われる側」になった日本の矛盾</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">政府が外国人による土地取得ルールを検討する有識者会議を設置し、安全保障上の観点から規制の必要性を議論し始めました。確かに自衛隊基地周辺などへの外資参入は慎重であるべきという議論はわかります。しかし私は、この問題には大きな「非対称性」があると感じています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">40年ほど前、日本が世界中の不動産を買い漁っていた時代を私はよく覚えています。ハワイのホテルはほぼ日本資本に買い占められ、ニューヨークのロックフェラーセンターは三菱が買収し、ロンドンの中心部も日本資本が次々と取得していました。あの頃、規制をかけられた側の国々が「日本に買われるのは安全保障上の問題だ」と声を上げても、日本側は「自由主義経済だから問題ない」と言っていたはずです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日本が「買う側」として世界に展開していた時代の記憶を持つ世代として、この問題には強い違和感を覚えます。</span></p>
<h4><b>核のゴミ・南鳥島への申し入れ――「絶海の孤島」は救世主になるか</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">赤沢経済産業大臣が、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定候補として、東京都小笠原村の南鳥島での文献調査実施を申し入れると発表しました。文献調査に応じると20億円、次の概要調査では70億円が交付される仕組みです。人口2800人の小笠原村にとっては、一人当たり71万円から約250万円相当のお金が入ってくる計算になります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私はこのアイデア、実はそれほど悪くないと思っています。南鳥島は太平洋プレートの上に位置しており、火山地帯でもなく、地質的な安定性という観点からは一定の評価ができます。しかも現地には常住人口がほとんどなく、本土から1300キロ以上離れているという地理的条件も、最終処分場としての現実的な候補として考えうるものです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ただし、日本全体の問題として見た場合、最終処分場の問題がこれほど長引いているのは、政治的な合意形成のメカニズムが機能していないからです。世界でも最終処分場を確定しているのはフィンランドだけという現実は、この問題がいかに困難かを示しています。アメリカでさえあれだけ広大な国土を持ちながら決まっていません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">今回の北海道や佐賀のケースと同様、「調査は受け入れるが最終的にはノーと言える」という構造になっており、地方交付金目的の「とりあえず調査」で終わる可能性も否定できません。それでも、地質的に合理性のある場所に対して正面から議論を始めることは、問題解決への第一歩として評価したいと思います。</span></p>
<h4><b>旧統一教会・解散命令確定――40年遅れた当然の結末</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">東京高裁が旧統一教会（世界平和統一家庭連合）への解散命令を支持する判断を下し、宗教法人としての解散が確定しました。教団の資産約1000億円が被害者への弁済などに充てられる見通しで、一つの大きな区切りを迎えたことになります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私の率直な感想は「40年遅れた」というものです。この教団は戦後の歴史的経緯から日本への「恨み」を抱き、日本から資金をむしり取ることを組織的に行い、送金された資金の多くが韓国本部に渡っていました。その実態は以前から知られていたにもかかわらず、自民党との選挙協力関係が長年にわたって見て見ぬふりを続けさせてきた。その責任は重いです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">特に問題なのは、岸信介元首相から安倍晋三元首相まで続いた自民党との癒着の構造です。教団が選挙の票読みや運動員の提供を行い、自民党側がそれを利用してきた。この「共生関係」こそが、解散を遅らせ、被害者を増やし続けた根本原因です。高市早苗氏も関係があったとされており、今後の政治的な影響は注目されます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">韓国では法律的な根拠がなく解散に踏み切れていないという現実もあります。日本での解散は、韓国の一部の人々にとっては「よかった」と胸をなで下ろす出来事でもあるでしょう。今後は資産の弁済プロセスを着実に進めるとともに、こうした宗教的な詐欺的行為に対する法的・行政的な防止策を整備することが急務です。</span></p>
<h4><b>英国住宅ローン会社破綻＋ブラックストーン不安――リーマン再来の予兆か</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">英国の住宅ローン会社マーケット・ファイナンシャル・ソリューションズが破綻申請し、バークレイズなど多くの債権者の株価が急落しました。そのほぼ同時期に、米国のブラックストーンが運営する個人投資家向けプライベートクレジットファンドで解約請求が急増し、初めて資金の流出超過となったことが明らかになりました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">この二つのニュースが同じ週に出てきたことに、私は嫌なデジャブを感じています。リーマンショック前夜と酷似した構図だからです。サブプライムローンを細かく刻んでトリプルAの証券に組み替えて売り出し、それが弾けた時に金融システム全体を揺るがした、あの構造が再び顕在化しているのではないかという懸念です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">今回の問題の核心は「ノンバンク融資」です。銀行規制の外側にある融資の積み上がりが、担保の過大評価や内部統制の不備と組み合わさると、危機の連鎖が始まります。ブラックストーンのファンドからの資金流出は、投資家が「何かおかしい」と感じ始めたシグナルとも読めます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">世界最大級のファンドの一つであるブラックストーンがこのような状態になっているという事実は、市場参加者にとって無視できない警告信号です。リーマン時のような「低格付け債券の証券化による格付けロンダリング」的な要素がないか、規制当局と投資家が真剣に調査すべき段階に来ています。楽観的なコメントに流されず、しっかりとリスクを直視することが今求められています。</span></p>
<h4><b>韓国・50代起業ブームが日本に突きつける問いかけ</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">韓国の統計で、IT・専門人材による起業数が100万社を超え、創業者の最多層が50代（35%）であることが明らかになりました。財閥・大企業が役員の若返りを進めた結果、40〜50代の優秀な人材が出世競争に見切りをつけ、次々と起業に乗り出しているというのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私はこれを非常に興味深く見ています。韓国では「ヘル・コリア（地獄の韓国）」という言葉が若者の間で広まっていますが、優秀な中年層は「地獄に行く前に自分で道を切り開こう」と動き始めています。しかも彼らは、財閥系企業でグローバルビジネスを経験し、世界に出て戦ってきた実績を持っている。その経験と技術力を持った人材が100万社以上の新興企業を立ち上げているとなると、韓国経済の底力を侮れません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">翻って日本はどうでしょうか。日本でも確かに起業は増えていますが、中心は20〜30代の若年層です。50代の「大企業OB起業家」はまだ少数派です。終身雇用の崩壊が叫ばれて久しいですが、実際には「定年まで何とか会社にしがみつく」という行動様式がまだ根強く残っている。これでは韓国の「50代起業家100万社」という分厚い中間層の起業エコシステムは生まれません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">起業の成功は数の論理でもあります。多く生まれれば多く成功事例が出て、それがさらなる起業を呼ぶ正のスパイラルが生まれます。日本においても、大企業で培った経験・人脈・技術を持つ50代が積極的に起業できる環境を整えることが、経済の再活性化に向けた有力な処方箋の一つになるはずです。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2025年3月8日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" loading="lazy" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><span style="font-weight: 400;">─────────────────────────────────────</span></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>KON1121：地政学・経済・テクノロジーが交差する&#8221;転換点&#8221;の世界を読む</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5478/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 05 Mar 2026 02:30:15 +0000</pubDate>
				<guid isPermaLink="false">https://aoba-bbt.com/?post_type=ohmae_blog&#038;p=5478</guid>

					<description><![CDATA[イランへの先制攻撃とハメネイ師死亡── 約37年続いたイスラム共和国体制の終焉と、中東の地政学的大転換 イスラエルのカッツ国防大臣は2月28日、アメリカ軍と共同 &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4 class="text-text-100 mt-3 -mb-1 text-[1.125rem] font-bold">イランへの先制攻撃とハメネイ師死亡── 約37年続いたイスラム共和国体制の終焉と、中東の地政学的大転換</h4>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">イスラエルのカッツ国防大臣は2月28日、アメリカ軍と共同でイランの軍事施設に空爆を実施したことを明らかにしました。そしてトランプ大統領は同日、この攻撃によってイランの最高指導者ハメネイ師が死亡したと発表しました。1979年のイスラム革命後、1989年に最高指導者に就任したハメネイ師が約37年にわたって統治してきた神政体制が、一夜にして根底から揺さぶられたことになります。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">私がまず指摘したいのは「なぜハメネイ師は家族と同じ場所にいたのか」という素朴な疑問です。攻撃が予測されうる緊張状態にありながら、娘や孫まで同席させていたとすれば、指導者としての危機管理能力に根本的な疑問が生じます。これは体制の硬直性と内部機能不全を象徴しているとも言えます。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">体制崩壊後の展望については、不確実性が高いと見ています。革命防衛隊は依然として強力な軍事力を保持しており、トランプ大統領が呼びかける「国民蜂起」が容易に実現するわけではありません。人口約9,000万人を擁するイランは巨大な国家であり、内部変革には相当な時間と外部からの関与が必要です。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">今後の焦点は、大統領職のペゼシュキアン氏が権力を掌握して通常の大統領制へ移行するのか、それとも新たな宗教指導者がトップに就くという旧来の構造を維持するのかという点です。また、イスラエル・アメリカによる攻撃が「吉」と出るか「凶」と出るかは、数週間のうちに明らかになるでしょう。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">社会的に示唆されるのは、宗教的権威主義と核開発の組み合わせがいかに国際的孤立を深め、最終的に壊滅的な結末をもたらすかという教訓です。同時に、力による体制転換がその後の安定をもたらすとは限らないという現実も改めて問われています。中東の火種は、ハメネイ師亡き後も続く可能性が十分にあります。</p>
<hr class="border-border-200 border-t-0.5 my-3 mx-1.5" />
<h4 class="text-text-100 mt-3 -mb-1 text-[1.125rem] font-bold">中国のハイブリッド戦と台湾侵攻2027年説── 日本の国政選挙への介入と、半導体サプライチェーンを揺るがす地政学リスク</h4>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">日経新聞の分析により、今年1月の衆院選において中国系の約400のSNSアカウントが連携し、高市首相の印象を操作する工作を行っていたことが判明しました。AI生成画像も活用された巧妙な情報戦は、中国が常用する「グレーゾーン・ハイブリッド戦略」の典型例です。私は「労力もむなしく高市圧勝となった」と評しつつも、台湾などに対してははるかに大規模なハイブリッド戦が展開されていることへの警戒を促したいと思います。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">さらに深刻なのは、CIAが2023年7月、主要テック企業の幹部に対して「中国が2027年までに台湾へ侵攻する可能性がある」という極秘ブリーフィングを実施していたという事実です。当時のレイモンド商務長官が、台湾の半導体依存からの脱却に消極的な企業幹部に強い危機感を持たせるために開催したもので、アップルのティム・クックCEOが「その後は片目を開けて眠るようになった」と語ったとされます。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">私はこれに関連して、習近平が自らの3期目が終わる2027年までに台湾統合を望んでいると指摘します。反対する軍部はほぼ粛清されており、けん制が効かない状況になりつつあるとの認識です。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">一方、中国商務省は日本の三菱造船など20の企業・団体を輸出規制対象に指定しました。「日本の再軍備化と核への野心を抑制する」との名目ですが、私はこれを高市首相が非核三原則の見直しに言及したことへの反発であり、謝罪か撤回があるまで続くと見ています。レアアースなど他の日本企業にも影響が及ぶ可能性があり、政府レベルでの対応策が急務です。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">日本企業にとって、台湾有事リスクとハイブリッド戦争という二重の地政学的脅威をサプライチェーン戦略に組み込むことは、もはや選択肢ではなく必須事項になっています。</p>
<hr class="border-border-200 border-t-0.5 my-3 mx-1.5" />
<h4 class="text-text-100 mt-3 -mb-1 text-[1.125rem] font-bold">少子化加速と円安が示す「国力低下」の現実── 出生数70.5万人・実質実効為替レート50年ぶり最安値が物語るもの</h4>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">厚生労働省の2025年人口動態統計によると、出生数は705,809人と1899年の統計開始以来10年連続で過去最少を更新しました。特に深刻なのは、国立社会保障・人口問題研究所の推計より約17年も早いペースで少子化が進んでいるという事実です。婚姻数の増加が若干の歯止めになっているものの、根本的な趨勢は変わっていません。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">私は各国の対策の限界も指摘したいと思います。フランスが導入した「N分のN乗方式」（家族人数に応じた税負担軽減）は一時的に出生率を回復させましたが、時間とともにその効果は消えてしまいました。スウェーデンでも同様の傾向が見られます。先進国においては、いかなる政策的介入も長期的な出生率の改善には結びつかないという「恐ろしい現象」が起きているのです。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">この少子化と軌を一にするように、日本円の実質実効為替レートが67.73と1973年の変動相場制移行後で最安値を記録しました。実質実効為替レートとは各通貨に対する円の総合的な購買力を示す指標であり、バブル崩壊後の長期低迷と超低金利政策がその背景にあります。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">私が強調したいのは、円安を歓迎してきた日本の輸出産業・財界の体質が、結果として国力低下を放置してきたという構造的な問題です。タイへの旅行者が「こんなに高いの？」と驚く現実は、かつてとは全く逆転した日本の国際的地位を如実に示しています。インバウンド増加は「日本が安い国」になった裏返しに過ぎません。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">少子化と通貨価値の下落は、表面上は別々の問題に見えますが、どちらも日本社会の活力・生産性・投資力の低下という同一の根幹から生じています。根本的な構造改革なしには、この二重の衰退スパイラルから抜け出すことは難しいでしょう。</p>
<hr class="border-border-200 border-t-0.5 my-3 mx-1.5" />
<h4 class="text-text-100 mt-3 -mb-1 text-[1.125rem] font-bold">iPS細胞医療が世界初の条件付き承認へ── 心不全・パーキンソン病治療の扉を開く、日本発の医療イノベーション</h4>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">厚生労働省の専門部会は2月19日、iPS細胞を活用した再生医療製品2品目の製造販売を条件付きで了承しました。大阪大学発スタートアップ「クオリプス」の心不全向け心筋細胞シート「リハート」と、住友ファーマのパーキンソン病向け治療薬候補「アムシェプリ」の2製品です。いずれも7年以内に有効性・安全性を再検証することを条件とした「条件期限付き承認」となります。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">私はこれを「世界的に素晴らしいこと」と高く評価します。心臓のリプレイスメントとパーキンソン病という二つの深刻な疾患に対して、山中伸弥教授がノーベル賞を受賞したiPS細胞技術が実際の治療薬として認められたことは、日本の基礎科学研究が世界トップクラスであることの証明です。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">iPS細胞は患者自身の細胞から作製できるため、拒絶反応のリスクが低く、倫理的問題も少ないという利点があります。心不全は世界で3,800万人以上が罹患し、パーキンソン病も世界で600万人以上の患者がいるとされる難病です。これらに対する根本的治療法が確立されれば、医療費削減と患者QOLの劇的な向上が期待されます。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">課題は7年間の実証期間をどう乗り越えるかです。再生医療は製造コストが高く、普及・保険適用の枠組み整備が必要です。また、スタートアップ企業が長期の臨床検証を継続するためには、国や大企業からの継続的な資金支援が不可欠です。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">日本はiPS細胞技術で世界をリードしてきた一方、応用・実用化では海外勢に先を越されてきた歴史があります。今回の承認を起爆剤に、製薬企業・大学・規制当局が一体となってこの7年間で確実な成果を積み上げていくことが、日本の医療イノベーション産業の未来を左右すると言っても過言ではありません。</p>
<hr class="border-border-200 border-t-0.5 my-3 mx-1.5" />
<h4 class="text-text-100 mt-3 -mb-1 text-[1.125rem] font-bold">空飛ぶ車と自動運転── オリックスが20拠点整備、スカイドライブが東京で旅客実証——「空のモビリティ革命」は本物か</h4>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">「空飛ぶ車（eVTOL：電動垂直離着陸機）」の実用化に向けた動きが具体化しています。オリックスは2030年秋までにeVTOLの発着場を20か所整備する方針を固めました。大阪・関西万博での整備実績を活かし、大阪湾岸から瀬戸内海の観光地を結ぶ路線網の構築を目指すもので、IRとの連携も視野に入れています。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">一方、東京では三菱地所・兼松・スカイドライブの三社が東京都推進の実証実験を実施しました。スカイドライブ製の機体によるデモフライトに加え、チェックインから搭乗直前までの旅客体験を検証するターミナルを設置し、実際に人を乗せて運んだという点で注目されます。私は「マスコミの人たちも、この程度ならいいかなという評判だった」と比較的前向きに評価しています。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">他方で、アメリカではウェイモ（アルファベット傘下）の自動運転タクシー拡大計画がニューヨーク州知事に阻止され、自動運転全般にも逆風が吹いています。テスラの完全自動運転（FSD）は人間の5倍の事故率という報告もあり、技術の完成度への疑問符は消えていません。私の分析では、自動運転分野では中国勢が先行しつつあります。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">空飛ぶ車の本格普及には「静岡区間の通過問題でリニアがいまだ着工できないように、インフラ整備が想定より大幅に遅延する」というリスクが常に伴います。現に、リニア中央新幹線は南アルプス貫通工事の難しさから見通しが立たず、唯一未着工だった山梨県駅がようやく3月11日に着工予定です。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">日本の新モビリティは技術的には世界に肩を並べる水準にあります。問題は規制・制度整備のスピードと、継続的な民間投資の確保です。eVTOLが「夢の乗り物」から「生活インフラ」へと進化できるかどうか、今後5年間が正念場と言えます。</p>
<hr class="border-border-200 border-t-0.5 my-3 mx-1.5" />
<h4 class="text-text-100 mt-3 -mb-1 text-[1.125rem] font-bold">AI覇権競争── OpenAIの超大型増資、中国によるClaudeの不正蒸留、そしてAnthropicの安全指針緩和</h4>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">AI業界の覇権争いが新たな局面を迎えています。OpenAIはAmazon、エヌビディア、ソフトバンクグループを引受先とする増資で約17兆円を調達すると発表しました。未上場企業としては史上最大の資金調達であり、半導体・データセンターへの集中投資を通じて高性能AI開発を加速させる方針です。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">これに対抗する形でMetaはAMDと最大6ギガワット相当のAI半導体を5年間調達する約16兆円規模の契約を締結し、エヌビディア一極支配への対抗軸を形成しつつあります。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">一方、深刻な問題も浮上しています。Anthropicは中国のAI企業3社が同社のAIモデル「Claude」と1,600万回以上のやりとりを行い、その出力データを使って自社モデルを訓練する「蒸留」と呼ばれる手法で不正に能力を抽出していたと明らかにしました。私は「DeepSeekがアメリカのAIを蒸留してコストを大幅に削減したのと同じ手口」と指摘し、中国の技術獲得手法の巧みさを改めて警告します。皮肉なことに「日本はパクるべき企業さえない」とも言及しており、日本のAI産業の存在感の薄さが気になるところです。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">Anthropicはまた、安全指針を緩和することを発表しました。これまでは安全性を保証できない場合は開発を中断するとしていましたが、競合が高性能AIを開発した場合には競争力維持を優先するという方針に転換したものです。AI安全性と競争力の間のトレードオフに迫られる構図は、業界全体の課題でもあります。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">日本の総務省がAI-RANアライアンスに政府として初めて加盟したことは前向きなニュースですが、個別企業レベルでの投資規模には圧倒的な差があります。国家戦略として日本がAI時代に何を強みとするか、早急に問い直す必要があります。</p>
<hr class="border-border-200 border-t-0.5 my-3 mx-1.5" />
<h4 class="text-text-100 mt-3 -mb-1 text-[1.125rem] font-bold">トランプ政権の「友好的占領」と一般教書演説の空虚さ── ネットフリックス介入・キューバ発言・歴代最長の自己礼賛演説が示すトランプの本質</h4>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">トランプ大統領は一般教書演説で、関税政策によりアメリカ経済が「驚異的な回復を遂げた」と強調しました。歴代最長の1時間47分を費やした演説でしたが、私は「内容はない」と一刀両断せざるを得ません。自身の功績を際限なく列挙し、称賛しない議員を「バカ者」と呼ぶなど、品格を欠く振る舞いが際立ちました。世論調査でもこの演説の評価は低かったとのことです。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">より問題なのは、大統領権限の私物化とも言うべき行動です。ネットフリックスに対し、取締役のスーザン・ライス元国連大使を解任するよう要求しました。背景には、友人のラリー・エリソン氏の息子が主導するパラマウント・スカイダンス社によるワーナー買収案件へのてこ入れがあったとされます。大統領が民間企業の役員人事に介入するという前代未聞の事態に、私は「とんでもない」と強い懸念を示したいと思います。ネットフリックスが買収を取り下げると株価はむしろ回復し、市場も大統領の介入を「余計なお世話」と評価した格好です。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">キューバに対しては「友好的に占領するかもしれない」と発言しました。ベネズエラからの石油供給が途絶え、メキシコもアメリカの圧力で供給を停止した結果、深刻な経済危機に陥っているキューバへの影響力行使の意図を公言したものです。私は「友好的でない占領と何が違うのか」と皮肉りつつ、アフターケアなき力による支配の危うさを指摘したいと思います。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">FRBとの関係でも緊張が続いています。FOMCの議事要旨では、インフレが続く場合に利上げが適切になる可能性が示唆されており、利下げを強く求めるトランプと中央銀行の独立性の衝突が今後の焦点になります。</p>
<hr class="border-border-200 border-t-0.5 my-3 mx-1.5" />
<h4 class="text-text-100 mt-3 -mb-1 text-[1.125rem] font-bold">日本の輸出がイタリアに抜かれた衝撃——抹茶・商用車・自販機に見る産業競争力の明暗</h4>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">OECDの統計によると、2025年下半期（7〜12月）の輸出額でイタリアが日本を上回り、初めて半期ベースで逆転しました。イタリアは高級アパレル、ワイン、プロシュート、チーズ、メガネなど需要が揺らぎにくい高付加価値品を強みとし、トランプ関税の影響が大きい汎用製品とは一線を画した輸出競争力を発揮しています。イタリアのドル建て輸出額は同期間に約58兆円を記録し、日本の約57兆円を上回りました。私は「輸出のチャンピオンだった日本が、狭い高付加価値分野を持つイタリアにやられてしまった」と嘆かざるを得ません。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">東南アジア主要6か国での日本車の販売台数が2019年比22%減少し、中国EVメーカーにシェアを奪われている現実も重なります。かつて日本が築いたタイ・ベトナム・インドネシアでの市場は、低価格EVの攻勢によって急速に侵食されています。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">一方で、日本国内にも課題は山積しています。抹茶の海外需要が急拡大しているにもかかわらず、茶畑の摘採実面積は2015年比29%減少しており、生産が追いついていません。高齢化と人手不足が原因であり、私は「外国人労働者を静岡・鹿児島に入れなければ、輸出チャンスを逸する」と明快に指摘したいと思います。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">自動販売機事業では、伊藤園がドル箱と呼ばれた自販機75,000台の事業を子会社に移管する方針です。物価高でスーパーやドラッグストアへの消費者移動が加速し、補充要員の人件費・物流費高騰も重なり、かつてのビジネスモデルが通用しなくなっています。日野・三菱ふそうの統合によるトラック業界の再編も、産業構造の地殻変動を示しています。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">イタリアに学ぶべきは、一つの都市・地域が一つのブランドを持ち、それを世界に発信する「地域密着型グローバル戦略」の徹底です。高付加価値でブランド力のある日本産品は数多く存在しますが、その磨き上げと輸出戦略が体系的に行われていない現実が、今回の数字に表れていると言えます。</p>
<p>&#8212;この記事は2025年3月1日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" loading="lazy" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
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		<title>KON1120：関税違憲判決、エプスタイン波紋拡大、NATO縮小要求が示すもの</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5465/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 26 Feb 2026 00:45:41 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[ベネズエラ情勢 ── マドゥーロ拘束後も変わらない現実 先月、アメリカ軍がベネズエラに軍事介入し、マドゥーロ大統領を拘束しました。石油産業での雇用増加や、銀行が &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b>ベネズエラ情勢 ── マドゥーロ拘束後も変わらない現実</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">先月、アメリカ軍がベネズエラに軍事介入し、マドゥーロ大統領を拘束しました。石油産業での雇用増加や、銀行が一般市民にもドルを売り始めるなど、一部で変化の兆しが見えています。しかし私は、この「変化」には懐疑的です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">治安部隊を率いるカベジョ内務法務大臣がそのまま残っており、政治犯としてマドゥーロ政権に反対した約800人が未だ拘束されたままです。トランプ政権はマドゥーロを逮捕したものの、新政権の樹立を支援せず、ノーベル平和賞受賞者のグアイドを支持する姿勢も見せていません。本質は何も変わっていないのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ベネズエラからの難民は782万人に達し、スーダンを上回って世界最大規模です。コロンビアを中心に周辺国へ逃れた人々の生活は依然として厳しい状況にあります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私が最も問題視しているのは、この軍事介入の真の動機です。トランプファミリーがベネズエラのLNG・原油の利権を確保し、アメリカの石油会社が手を引いた資源をインドなどに売りつけようとしている構図が浮かび上がっています。トランプ大統領の親族もこの利権に関与しているとされ、「ベネズエラの解放」が実はファミリービジネスの拡大に過ぎないのではないか。油ぎった話が聞こえてきます。</span></p>
<h4><b>トランプ関税に違憲判決 ── 最高裁の歯止めと迷走する政策</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">アメリカ連邦最高裁は2月20日、相互関税を課す権限はトランプ大統領にはないとする画期的な判決を言い渡しました。IEEPA（国際緊急経済権限法）に基づき、議会の承認なく関税を発動したことが大統領権限の逸脱に当たると判断されたのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし翌21日、トランプ大統領は別の法律を根拠に全世界を対象とした追加関税を発表。当初は一律10%と述べながら、翌日には15%に引き上げるなど、政策の一貫性が大きく揺らいでいます。私に言わせれば、信憑性がガクンと落ちたと言わざるを得ません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">さらに衝撃的だったのが、ニューヨーク連銀が発表したレポートです。関税負担の実に9割がアメリカ側の負担になっているという分析結果が示されました。トランプは「関税は相手国が負担する」と言い続けていますが、それは嘘です。輸出国側がわずか5%程度しか出し値を下げていないのに対し、アメリカの輸入業者や消費者がほぼ全額を負担しているのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">このレポートに対し、ハセット国家経済会議（NEC）委員長は「最悪の論文」と批判し、「関わった人々は処分されるべき」と発言しました。論文を書いただけで処分しろというのは、もうトランプと同じ頭の構造です。事実に基づく分析を認めた上で議論すべきなのに、事実を封殺しようとする。これこそが最大の危機です。</span></p>
<h4><b>日本の対米投資84兆円 ── 不透明な負担構造と「成果」の実態</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">トランプ大統領は2月17日、日本による対米投資約84兆円の第一号として三つのプロジェクトを発表しました。オハイオ州のガス発電施設、テキサス州の原油積み出し港、ジョージア州の人工ダイヤモンド製造施設です。トランプ氏は「関税なしには実現し得なかった」とその成果を強調しました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし私が最も疑問に思うのは、「誰がこのお金を負担するのか」という点です。これが依然として不明なのです。日本の関連企業は名を連ねていますが、これらの企業は日本政府が費用を負担すると考え、それに便乗しようとしているのではないでしょうか。つまり、日本企業もたかっているのではないかと私は見ています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">もしこの構図が正しければ、5兆円規模の投資がアメリカになされるとしても、アメリカが一銭も出さず、日本政府の資金を日本企業が受け取るという奇妙な状況が生まれます。当然、アメリカ側からは「アメリカ企業への恩恵はないのか」という声が上がるでしょう。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">さらにトランプ大統領の理解不足も気になります。テキサス州の原油積み出し港のプロジェクトについて、トランプ氏は「LNGの輸出」と説明しましたが、実際は石油の積み出し施設です。AI関連のデータセンター急増によるアメリカの電力不足を補うための発電事業など、実態を正確に把握しないまま「自分の関税のおかげ」と喧伝している。この人はどうも理解していないのです。</span></p>
<h4><b>米台貿易協定と中国訪問 ── トランプ外交の「使い分け」戦略</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">アメリカと台湾は2月12日、先月大枠で合意した貿易協定に正式署名しました。アメリカが台湾に課していた20%の相互関税を15%に引き下げる代わりに、台湾は半導体を中心に約38兆円の対米投資と、エネルギーや航空機など約13兆円分の購入を約束するという大型の取引です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">台湾にとってアメリカは最大の輸出先であり、電気製品、特に半導体が主力商品です。一方、アメリカからは食料品や武器を輸入しています。しかし台湾にとって</span><span style="font-weight: 400;">輸入を含めた</span><span style="font-weight: 400;">最大の貿易相手は依然として中国であり、この三者間の力学がトランプ外交の「使い分け」を生んでいます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私が注目しているのは、3月末に予定されているトランプ大統領の中国訪問です。習近平主席との会談を控え、トランプ政権は台湾との関係を一時的に抑制する姿勢を見せています。台湾に武器購入を求めておきながら、台湾が購入の意思を示すと一時中断する。中国が文句を言っているからだ、というわけです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">つまりトランプ大統領の頭の中では、中国訪問を成功裏に「儀式化」し、「俺のおかげで中国がおとなしくなった」というストーリーを作ることが最優先なのです。台湾への武器輸出はその後でいいという判断であり、同盟国・パートナーの安全保障よりも自身の政治的演出が優先されている。これがトランプ外交の本質です。</span></p>
<h4><b>「逸脱の常態化」── FT紙が警鐘を鳴らすトランプ暴走の構造</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">フィナンシャル・タイムズ紙が発表した「逸脱の常態化（Normalization of Deviance）」に関する論文は、今週最も重要な指摘の一つです。私もこの概念は非常に重要だと考えています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">「逸脱の常態化」とは、人々が逸脱行為に慣れ、直接的な損失や被害が見えない限り、その逸脱が社会的に許容されていくプロセスを指します。まさに現在のアメリカで起きていることそのものです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ヘッジファンド・シタデルのグリフィン氏のように、トランプ政権に対し「企業にとってもアメリカにとってもマイナスだ」と公然と苦言を呈する経済人はいます。しかし大多数のビジネスリーダーや政治家は沈黙を続けています。トランプがおかしいぞ、やめろ、と言わなければならないのに、みんな黙ってしまう。これが問題の核心です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">トランプファミリーが</span><span style="font-weight: 400;">私腹を肥やしているとも受け取れかねない施策や</span><span style="font-weight: 400;">、科学的根拠に基づく政策の撤回、他国の主権に対する無理解など、数々の逸脱行為が積み重なっています。にもかかわらず、アメリカの言論界、政界（民主党を含む）、そして市民社会がこれを放置していることこそが、トランプの暴走を許している最大の原因なのです。私もそう思います。トランプの暴走を許しているのは、やはりアメリカ社会全体の沈黙であると。逸脱そのものが「新しい常識」として定着してしまう前に、声を上げることが求められています。</span></p>
<h4><b>温暖化対策の根拠撤回とゴーディーハウ橋問題 ── 科学と常識からの逸脱</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">トランプ大統領は2月12日、EPA（環境保護局）が2009年に示した温暖化ガスの危険性に関する科学的認定を撤回しました。CO2やメタンなど6種類の温暖化ガスに対する排出規制の根拠となってきたこの認定を、「事実面でも法律面でも全く根拠を欠いている」と切り捨てたのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ちょっと待ってほしい。トランプ大統領はこうした科学的論文をちゃんと読んでいるのでしょうか。パリ協定は何だったのか、京都議定書は何だったのか。膨大な科学的知見を一大統領の判断で否定することがどれほど危険か。軍事基地で石炭使用を推進する大統領令に署名し、「石炭とはなんと美しい言葉だ」と語る。これはまさにFT紙が指摘する「逸脱の常態化」の典型例です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">もう一つ、国際常識からの逸脱を象徴するのがゴーディー</span><span style="font-weight: 400;">・</span><span style="font-weight: 400;">ハウ橋の問題です。ミシガン州とカナダ・オンタリオ州を結ぶこの橋は、既存のアンバサダー橋やデトロイト＝ウィンザートンネルだけでは慢性的な交通渋滞を解消できないため、カナダ政府が全額を負担して建設しました。当初は米加折半の計画でしたが、アメリカが断ったため、カナダが単独で建設に踏み切った経緯があります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ところがトランプ大統領は、この橋の半分はアメリカのものだと主張し、通行を認めない姿勢を見せています。資金を全額カナダが出したのに「俺のものだ」と言う。頭がおかしいとしか言いようがありません。科学の否定も、他国が建設した橋の所有権主張も、事実に基づかない強引な態度という点で根は同じです。</span></p>
<h4><b>エプスタイン文書の波紋拡大 ── 英王室からオリンピックまで</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">エプスタイン事件の影響がかつてない規模で拡大しています。イギリス警察は2月19日、チャールズ国王の弟アンドリュー元王子を逮捕しました。アフガニスタン復興に絡む機密情報をエプスタインに提供した疑いに加え、性的虐待の疑惑も報じられています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">この事件の裾野は広い。アンドリューの元妻セーラは離婚後、エプスタインに結婚や雇用を求める手紙を送っていたことが判明し、2人の王女の称号剥奪まで議論されています。ウォール街にも波紋は及び、ゴールドマン・サックスのルームラー氏はエプスタインとの関係で辞職を余儀なくされました。大物タレントエージェントのワッサーマン氏はマクスウェルとの親密な関係が発覚し、ロサンゼルスオリンピックの大会委員長辞任を求められています。ハイアットのオーナーであるプリツカー氏も関与を深く後悔し辞任に至りました。</span></p>
<h4><b>NATO縮小要求とトランプの世界二分割構想</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">政治メディア「ポリティコ」が2月19日に報じたところによると、トランプ政権はNATOに対し、イラクやコソボで展開している域外活動の大幅縮小を求めています。NATOを欧州大西洋地域の防衛に特化した同盟に「原点回帰」させる狙いとされ、7月にトルコで開催予定のNATO首脳会議には、ウクライナや日本を含むインド太平洋4カ国を招待しないよう働きかけているといいます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ここにトランプ大統領の頭の中がはっきり見えます。NATOの東方拡大を阻止するという主張は、まさにプーチン大統領がウクライナ侵攻の理由として掲げてきたものと同一です。NATOは「北大西洋条約」なのだから大西洋に集中しろ、東に浸透するな。これはプーチンが言い続けてきたことそのものであり、それをトランプが代弁しているのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ここから見えてくるのは、トランプとプーチンが暗黙のうちに世界を分割する構想です。トランプは西側全体を押さえ、プーチンはNATOの東方拡大を封じ旧ソ連圏を確保する。ゼレンスキーには領土の譲歩とNATO非加盟を求める。残りは中国と分け合う。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">このきわめて単純な三極構造の世界像が、各種の政策判断の背後に横たわっていることが、今週のニュースを通じてはっきりと見えてきました。日本がインド太平洋の一員としてNATO首脳会議から排除される可能性は、日本の安全保障にとっても極めて重大な意味を持ちます。私たちはこの世界秩序の再編を注視し、日本の立ち位置を改めて考える必要があります。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2025年2月22日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" loading="lazy" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
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		<title>KON1119：自民党圧勝の裏側、日銀ETF「112年」の衝撃、そしてレイ・ダリオが日本に突きつけた外交戦略</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5457/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 19 Feb 2026 06:20:04 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[アパグループ創業者・元谷敏夫氏の逝去― 石川県小松市から「日本のヒルトン」を築き上げた経営者 アパグループの創業者で会長の元谷敏夫氏が11日、82歳で亡くなりま &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b>アパグループ創業者・元谷敏夫氏の逝去</b><b>― 石川県小松市から「日本のヒルトン」を築き上げた経営者</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">アパグループの創業者で会長の元谷敏夫氏が11日、82歳で亡くなりました。1971年に石川県小松市で前身の信金開発を創業し、注文住宅や賃貸分譲マンション事業からホテルへと事業を拡大。アパホテルを全国8万室を誇る日本一の客室数を持つチェーンへと育て上げた方です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私にも不思議な縁がありまして、スノーモービルの先生を通じて越後湯沢でお会いしたことがあります。ごく最近も、金沢を訪れた知人を通じてお酒を一本いただきました。あの時のスノーモービルの体験を覚えていてくださったようで、よほど楽しかったのでしょう。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">元谷氏の経営手腕は素晴らしいものでした。最初は安っぽいビジネスホテルばかりでしたが、横浜などには堂々たるビルを建て、カナダの会社を買収してアメリカにも展開するなど、まさに「日本のヒルトン」と呼べる存在にまで成長させました。奥様の文子さんが広告塔として表に出ていましたが、実際の経営を担っていたのは元谷氏本人です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ただ一つ、私と全く違うところがありました。かなり右寄りの思想をお持ちだったことです。その点を除けば、金沢が誇る素晴らしい経営者でした。ご冥福をお祈りいたします。</span></p>
<h4><b>衆院選で自民党が316議席の圧勝</b><b>― 「中道」惨敗の本質は名前の変更と連合の力の衰退にある</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">衆院選で自民党が316議席を獲得し、単独で定数の3分の2を上回る戦後最多の議席数を記録しました。一方、立憲民主党と公明党が結成した中道改革連合は改選前の167議席から大きく減らし、惨敗という結果になりました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私が注目するのは、惨敗の原因が極めて明確だということです。まず、選挙直前に名前を変えるというのは致命的な判断ミスでした。例えるなら、松田聖子と郷ひろみが結婚して「郷聖子」名義でコンサートをやっても誰も来ないのと同じです。立憲民主党と公明党なら、「立憲公明党」としてどちらを書いてもいいという形にすべきでした。中道という理念自体は正しいのですが、急な場合には名前の継続性が重要なのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">もう一つの要因は連合の力の弱体化です。私の自宅の近くにも自治労の本部と支部がありますが、選挙期間中は閑古鳥が鳴いていました。公明党にとっての創価学会のように、中道にとっては連合が総力を挙げて応援しなければなりません。批判は中道だけでなく、連合の力が弱まったという点にも向けられるべきです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">小選挙区で自民党が249選挙区中86%で勝利したのは、私の記憶でも最多です。ただし、過去の例を見ると、中曽根政権の304議席も民主党の大勝も、その後に惨敗しています。大勝の後に大敗するのが日本政治のパターンですから、この圧勝が持続するかは疑問です。</span></p>
<h4><b>高市首相の「責任ある積極財政」</b><b>― 食料品消費税ゼロの公約は「やらない」ための仕掛けである</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">高市首相は食料品の消費税率を二年間ゼロにするため、超党派の国民会議を立ち上げ、夏前までに制度設計をまとめる考えを示しました。また「責任ある積極財政を推進する」とも強調しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私はこの公約は守られないと見ています。なぜなら、もし本気で食料品の消費税をゼロにしたいなら、今すぐ議会に法案を出せばいいのです。3分の2の議席があるのですから通ります。それをわざわざ超党派の国民会議に委ねるということは、そこで議論を紛糾させ、結局やらないという結論に持っていく布石です。しかも、チームみらいのような勢力が「消費税じゃなくて社会保険料だ」と主張すれば、高市首相にとってはありがたい口実になるでしょう。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">「責任ある積極財政」という言葉自体が矛盾しています。少子高齢化の日本で積極財政をすれば、責任を取りようがありません。これを十年やったのが安倍政権であり、その結果がどうなったかは明白です。イタリアのメローニ首相は同様に財政が厳しい中で堅実に財政を運営し、市場に評価されています。メローニ氏と高市首相は仲がいいそうですが、やっていることは両極端です。</span></p>
<h4><b>チーム未来の躍進と社会保険料の本質</b><b>― SNS選挙時代に「正しいことをクリアに伝える力」が票を動かした</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">チーム未来は今回の衆院選で11議席全てを比例代表で獲得し、得票数は381万票と昨年の参院選から2.5倍に拡大しました。若年層と無党派層から幅広い支持を集め、無党派層の投票先では自民党に次ぐ2番目となりました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">注目すべきは、安野代表が主張した政策の核心です。消費税率は維持する一方、社会保険料を引き下げるべきだと訴えました。多くの人はこれを「何を言っているのかわからない」と感じたかもしれませんが、実はこちらの方がはるかにインパクトが大きいのです。10%の消費税よりも社会保険料の負担の方が圧倒的に大きく、食料品の軽減税率を二年間ゼロにしたところで、生活への影響は限定的です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">これがSNS選挙の特徴だと私は考えています。非常にクリアに一つのことだけを訴え、「他の人はこちらを言っているが、それはマイナスだ。本当に必要なのはこちらだ」と明確に示す。従来のマスコミは「政策論争なき選挙だった」と評しますが、それは的外れです。有権者は政策の中身よりも、誰がわかりやすく本質を伝えているかを見ています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">チーム未来の躍進は、見た目や肩書きではなく、言っていることがはっきりしていて、若者にも伝わる形で発信できたからこそ実現しました。政策で言えば中道こそが今の日本に必要なのに全く票に結びつかなかったことと対照的です。マスコミも政党も、この新しい現実を直視すべきでしょう。</span></p>
<h4><b>レイ・ダリオが日本に突きつけた外交戦略</b><b>― 「拍手喝采を浴びる外交」ではなく「事故を起こさない外交」を</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">現代ビジネスが掲載したレイ・ダリオ氏の論文は、今の日本にとって極めて重要な提言です。世界有数の投資家であり、アメリカ経済界のご意見番であるダリオ氏は、日本に対して中国との対立か迎合かではなく、中間戦略を取るべきだと指摘しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ダリオ氏の主張の核心はこうです。強硬路線は国内で支持を集めやすいが、国力を消耗させる。今の日本に国力を消耗する余裕はないはずだ。したがって、備えを一生懸命しながら刺激を最小化し、何があっても対応できるようにする中間の戦略が必要だ、というものです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">これは要するに、高市首相に対して「静かに方向転換しないとやばい」と言っているのです。今、日本にとって中国とことを構えて良いことは何もありません。台湾について積極的に発言しても得るものはない。経済を優先すれば、中国と良好な関係を築くことが不可欠です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">実際、4月にはトランプ大統領の訪中が予定されており、米中は関係安定化で動いています。そのタイミングで日本がいくら台湾問題を訴えても、トランプ氏が賛同する可能性はゼロです。日本に必要なのは「拍手喝采を浴びる外交」ではなく、「事故を起こさない外交」です。中国との関係を改善しつつ、アメリカをいらだたせない。この冷静なバランス感覚こそが、今の日本外交に求められています。皆さんもぜひダリオ氏の論文の全文をお読みいただきたいと思います。</span></p>
<h4><b>日銀ETF売却「完了まで112年」</b><b>― アベクロ時代の禁じ手が残した百年の後遺症</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">日銀が先月開始したETF（上場投資信託）の売却について、1月の売却額が簿価でおよそ53億円分だったことが明らかになりました。株価に影響を与えないよう年間3300億円ずつ売却する方針ですが、時価で95兆円に膨らんだ保有銘柄の売却が完了するまで、単純計算で112年かかるというのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">「40年後に生まれる人によろしくお願いします」と申し上げたいところです。日銀がETFを大量に買い入れて株価を維持してきたこと自体が、いわば「イカサマ」だったのです。かつては禁じ手と言われていたこの政策を、特にアベクロ（安倍・黒田）時代に積極的に推進した結果、90兆円近い保有残高が積み上がりました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">急激に売れば株が暴落しますから、少しずつ売るしかない。しかし、その「少しずつ」では112年かかる。これこそが「責任ある積極財政」の成れの果てです。高市首相が掲げる積極財政路線を続ければ、こうした後遺症はさらに膨らむことになります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">この問題は、日本の金融政策における過去の判断の重さを象徴しています。後始末に百年以上かかるような政策が「責任ある」とは到底言えません。次世代に途方もないツケを残していることを、私たちはもっと深刻に受け止めるべきでしょう。</span></p>
<h4><b>日産自動車6500億円の赤字</b><b>― ゴーン後遺症からの脱却には「いい車を作る」原点回帰しかない</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">日産自動車は2026年3月期の連結最終損益が6500億円の赤字となる見通しを示しました。最終赤字は二期連続で、過去最大の赤字額です。工場など資産の見直しやリストラ費用が膨らんだことが主因ですが、根本的な問題はもっと深いところにあります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ゴーン氏は二つの大きなミスを犯しました。一つ目は、コストダウンには成功したものの、新しい車を生み出すという日産の命綱をないがしろにしたこと。二つ目は、自分が得意なアメリカ市場に偏重し、日本をないがしろにしたことです。ゴーン氏は月に一日程度しか日本に来ず、来ても マスコミを連れてディーラーを回る写真を撮って帰るだけでした。その結果、国内販売は低迷しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日産という会社は本来、厚木の研究所が生み出す車の魅力で勝負してきた会社です。フェアレディZに代表されるような、走りの良さ、ドライバーの心をつかむ車。私も日産の車は何十台も買ってきましたが、その魅力が基本的に失われてしまいました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">アメリカで若干売れ始めている車種があるものの、全体をひっくり返すには至りません。今の経営陣にはメキシコやイギリスの生産拠点出身の外国人が多く、日産のDNAを完全に失っているわけではありませんが、厚木の研究所を立て直し、みんながグッとくるような車を再び生み出すこと。それなくして日産の再生はないと私は考えます。</span></p>
<h4><b>関税の90%は米国消費者が負担している</b><b>― トランプ氏の主張を真っ向から否定するニューヨーク連銀の調査結果</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">ニューヨーク連銀が発表した報告書によると、トランプ大統領が輸入品に課した関税の90%をアメリカの消費者と企業が負担していることが明らかになりました。昨年、平均関税率が2.6%から13%に上昇した際の影響を調査したものです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">トランプ氏は「関税は貿易相手国が負担する」と繰り返し主張してきましたが、この調査結果は完全にそれを否定しています。相手国が負担しているのはわずか5%程度に過ぎず、残りは関税として政府が徴収するか、最終的にアメリカの消費者が高い価格として負担しているのです。つまり、関税はインフレの原因そのものになっているということです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私はトランプ氏が徐々にこの現実を認識し、静かに軌道修正していくと見ています。言っていることが事実と異なることが数字で明白になれば、いくら強弁しても限界があります。タコのように自分の足を食べるような政策を続けることはできないでしょう。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">この問題は日本にとっても他人事ではありません。トランプ政権が関税政策を見直す場合、日本企業への影響も変わってきます。また、関税が消費者に転嫁されるという経済の基本原則は、日本国内の貿易政策を考える上でも重要な教訓です。事実に基づいた冷静な政策判断が、いかに大切かを改めて示しています。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2025年2月15日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" loading="lazy" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
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		<title>KON1118：2025年、激動の地政学とAI革命—日本が『茹でガエル』を脱する唯一の道</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5448/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 12 Feb 2026 07:24:27 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[消費の二極化と「44年前の貧乏」への逆戻り—エンゲル係数が物語る、日本経済の深刻な地盤沈下 最近の家計調査で、エンゲル係数が28.6%と44年ぶりの高水準を記録 &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b>消費の二極化と「44年前の貧乏」への逆戻り—</b><b>エンゲル係数が物語る、日本経済の深刻な地盤沈下</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">最近の家計調査で、エンゲル係数が28.6%と44年ぶりの高水準を記録したことは衝撃的です。これは実質的な生活水準が40年以上前の水準にまで低下したことを意味し、まさに「富の喪失」の象徴と言えます。物価高騰が続く中、菓子類などの支出が減少している一方で、家計に占める食費の割合だけが跳ね上がっているのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">この状況に対し、野党は「消費税ゼロ」などの減税公約を掲げていますが、その財源確保についての議論は極めて不透明です。全国知事会の阿部守一会長が懸念するように、消費税の約4割は自治体の重要な財源であり、無計画な減税は介護や保育といった地方の行政サービスを崩壊させかねません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">真に解決すべきは、消費税の税率操作といった目先の議論ではなく、実質賃金が上がらず、国民が「ちびちび」としか休暇も消費もできない構造そのものです。40年前の日本は、今より貧しかったかもしれませんが、未来への明るい記憶がありました。今の日本に必要なのは、場当たり的なバラマキではなく、国民が再び「豊かさ」を実感できる産業競争力の再構築です。</span></p>
<h4><b>生成AIの衝撃：ホワイトカラーの「聖域」が崩れる—</b><b>クロード4.6の登場で、専門職の付加価値が問われる時代へ</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">アンソロピック社が発表した新型AI「クロード・オーパス 4.6」は、これまでのプログラミング支援から一歩進み、財務や法律といった専門業務の効率化を打ち出しました。これにより、これまで「AIには代替できない」と考えられていたホワイトカラーの知的労働が、直接的な脅威にさらされています 。実際に米国市場では、財務ソフトや法律情報大手の株価が急落するという事態が起きています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">例えば、訴訟の勝訴可能性の分析や戦略立案といった、かつて高額な弁護士費用を払って依頼していた業務が、AIによって瞬時に、かつ低コストで遂行可能になりつつあります。これは、ホワイトカラーの「間接業務」や「ブレイン業務」が急速に代替されていく前兆です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">米国の雇用統計を見ても、AIによる業務代替に備えた早期の人員削減や採用抑制の動きが強まっており、1月の人員削減数は前年比2.1倍に達しています。もはやAIは「便利な道具」ではなく、労働市場のルールそのものを書き換える「破壊的な存在」です。この変化を直視し、AIを使いこなす側へ回るためのリスキリングこそが、ビジネスパーソンにとって唯一の生存戦略となります。</span></p>
<h4><b>トヨタの異変と「回転ドア社長」への懸念</b><b>—</b><b>絶好調のピークで敢行されたトップ人事の違和感</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">トヨタ自動車が、ハイブリッド車（HV）の好調を背景に過去最高益を更新し、世界首位の生産台数を誇る「ピーク」のタイミングで社長交代を発表したことには、強い違和感を覚えます。佐藤　恒治氏が社長から副会長へ退き、後任に財務出身の近氏を据える人事は、単なる「フォーメーションチェンジ」以上の、より深刻な問題を孕んでいるように見えます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">佐藤氏は豊田章男会長の「あうんの呼吸」を知る車作りのプロでしたが、３年で社長を退くことになりました。経営の第一線から遠ざけ、業界団体のお飾り的な役割に回すような人事は、組織の活力を削ぎかねません。これは、かつてのニデックのように社長が次々と入れ替わる「回転ドア化」の始まりではないでしょうか。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">もしトヨタが「章男会長の意向」ばかりを気にする独裁的な体制に陥れば、世界最高の企業であっても終わりの始まりを迎えかねません 。HV戦略の成功という「王者の戦略」が結実している今だからこそ、経営の透明性と、次世代リーダーを真に育てるための健全なガバナンスが問われています。</span></p>
<h4><b>テスラの「変節」：EVのパイオニアが迎える黄昏—</b><b>イーロン・マスクが描くAIシフトは、顧客への背信か</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">イーロン・マスク率いるテスラが、主力EVの「モデルS」と「モデルX」の生産を終了し、事業の主体をAIや人型ロボットへシフトさせると発表したことは、大きな驚きを持って受け止められています。中国BYDとの価格競争に敗れ、補助金廃止などの逆風を受ける中、マスク氏はあっさりと「EVのテスラ」を捨て去ろうとしています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">問題は、これまで高価な高級EVを購入してきた既存顧客へのアフターサービスです。マスク氏のような気まぐれな天才が、果たして10年単位の部品供給やサポートを責任を持って続けるでしょうか。もしサービスが疎かになれば、街中にあるテスラ車は文字通り「墓場」と化すでしょう。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">一方で、欧州ではHVがガソリン車を抜き、補助金なしでも市場の34%を占めるなど、「手頃なエコカー」としての需要を確立しています。テスラの極端なAIシフトは、実需を無視した賭けのようにも映ります。テスラが単なる「過去の革新者」で終わるのか、あるいはAI企業として再生するのか。その鍵は、顧客の信頼を繋ぎ止める「誠実さ」にあるはずですが、今のマスク氏にそれを期待するのは難しいかもしれません。</span></p>
<h4><b>レアアース採掘の罠：中国との「コスト競争」に勝機はあるか—</b><b>南鳥島での採取成功を、安易に喜べない経済的理由</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">南鳥島近海の海底からレアアースを含む泥の採取に成功したというニュースは、資源の乏しい日本にとって「朗報」に見えます。しかし、経済の専門家として冷徹に分析すれば、これをコマーシャルベースで成功させるのは極めて困難です。最大の壁は、深海5,600メートルから引き上げるための莫大なコストと、中国による「市場支配力」です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">現在、中国はレアアース供給を独占し、政治的意図で輸出を絞るなど「意地悪」をしています。しかし、日本が高いコストをかけて自給を始めれば、中国は即座に大量供給に転じ、価格を暴落させて競合他社を潰しにかかるでしょう。これが「市場の競争原理」です 。中国の製造コストよりも安く提供できる目処が立たない限り、税金を投じて採掘を続けるのは危険な賭けとなります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日本が取るべき戦略は、同じ土俵での対抗ではなく、レアアースを使わない技術開発や、中国がコントロールできない最終製品での優位性を確保することです 。資源の有無以上に、その資源をどう経済的な武器に変えるかという「戦略的思考」こそが、今の日本に欠けているものです。</span></p>
<h4><b>習近平とトランプ：独裁者の「ディール」と台湾の危機—</b><b>武器売却停止を巡る駆け引き、日本の頭越しで進む裏合意</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">習近平国家主席とトランプ大統領の電話協議で、台湾への武器売却停止が議題となったことは、日本や台湾にとって看過できない事態です。トランプ氏は4月の訪中を前に「習近平の懸念を重視する」と応じており、伝統的な米国の立場から大きく逸脱し始めています。トランプ氏にとって、外交はすべて「取引（ディール）」の材料に過ぎません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">一方、中国国内では軍のトップが相次いで粛清されるなど、習近平による権力集中の極地を迎えています。かつての幼馴染であり、台湾有事を戒めた張友教氏さえも「障害物」として排除する姿勢は、習近平が一人で暴走し、自分の代で台湾統一を成し遂げようとしている強い意志を感じさせます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">米国が「自国の利益」のために台湾を見捨てるようなディールに応じれば、日本の安全保障環境は根底から覆ります。トランプ氏が日本の高市氏を「毒苗（毒のある早苗）」と呼ぶ習近平の機嫌を取り、日本の立場を無視する可能性も十分にあります。私たちは、もはや米国を無条件に信頼できる時代ではないという厳しい現実を直視すべきです。</span></p>
<h4><b>エプスタイン文書の衝撃：欧米指導層を揺るがす「腐敗の連鎖」—</b><b>公開された300万ページの資料が暴く、エリートの邪悪な素顔</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">ジェフリー・エプスタインを巡る捜査資料が公開され、その影響は欧米の政治・経済・文化のあらゆる分野に広がっています。トランプ氏やクリントン氏、ビル・ゲイツ氏、さらには英国のスターマー首相に近い人物まで、あまりにも多くの著名人がこの「邪悪なネットワーク」に関与していた疑いが浮上しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ビル・ゲイツ氏については、妻メリンダ氏が「汚らわしい」と激怒し、財団からの離脱を決意するほどの事態となっています。また、ロサンゼルス五輪の会長や英国の駐米大使指名者など、社会のリーダーであるべき人物たちが次々と名指しされ、その地位を揺るがされています。これは単なる個人の不祥事ではなく、欧米の知的・指導層がいかに腐敗し、互いの弱みを握りあっているのかを示すものです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">トランプ政権に入り込んでいる富豪たちの多くも、この文書に名がある者たちです。忠誠心だけで要職を固めるトランプ氏の人事戦略は、こうした「腐敗の連鎖」を加速させる懸念があります。私たちが尊敬してきたはずの「民主主義のリーダー」たちの実像がこれほどまでに汚濁に満ちている今、世界は真のモラルと信頼をどこに見出すべきなのでしょうか。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2025年2月8日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" loading="lazy" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
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			</item>
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		<title>KON1117：「トランプ・ショック」の連鎖と、漂流する日本政治の羅針盤</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5433/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 05 Feb 2026 06:51:07 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[米FRB次期議長にケビン・ウォーシュ氏指名—「トランプ流」人事の意外な正当性とドル買いの加速 トランプ大統領は、FRB（米連邦準備制度理事会）の次期議長に元理事 &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b>米FRB次期議長にケビン・ウォーシュ氏指名</b><b>—</b><b></b><b>「トランプ流」人事の意外な正当性とドル買いの加速</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">トランプ大統領は、FRB（米連邦準備制度理事会）の次期議長に元理事のケビン・ウォーシュ氏を指名すると発表しました。ウォーシュ氏は35歳の若さでFRB理事に就任した「天才」として知られ、名門エステローダー創業者の娘婿という側面からトランプ氏とも家族ぐるみの付き合いがあります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">特筆すべきは、この人事が単なる「イエスマン」の起用ではない点です。市場はウォーシュ氏を、トランプ氏が望む利下げを無条件に断行するタイプではなく、むしろ規律を重んじる「タカ派」と見ています。この観測により、一時高騰していた金価格は急落し、売られていたドルが買い戻されるという現象が起きました。トランプ氏にしては珍しく、実力と信頼を兼ね備えた人物を選んだと言えるでしょう。通貨の安定こそが国力の源泉であるという基本に立ち返れば、この選択は米経済にとってポジティブなサプライズとなりました。</span></p>
<h4><b> 外国人労働者250万人突破と「鎖国」の危うさ</b><b>—</b><b></b><b>現場を知らぬ政治家たちの「制限論」を問う</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">国内の外国人労働者数が過去最多の250万人を更新しました。少子高齢化が進む日本において、製造業や食品加工、サービス業の現場は彼らなしでは一日も回りません。例えばコンビニの弁当工場に行けば、</span><span style="font-weight: 400;">少なくない</span><span style="font-weight: 400;">外国人</span><span style="font-weight: 400;">が勤務しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし、一部の政治家は依然として「外国人受け入れ制限」を口にします。彼らがいなくなれば、弁当の価格は跳ね上がり、供給網は即座に崩壊するでしょう。今の日本に、彼らに代わって工場のラインに立ち、公園の掃除を担う若者がどれだけいるでしょうか。政府の真の役割は、制限を叫ぶことではなく、彼らを社会の一員として適切に教育し、共生する仕組みを整えることです。フォースバレー・コンシェルジュの柴崎洋平氏が進めるような、現地の大学生に早期内定を出し、日本語や心構えを教育してから受け入れるプラットフォームこそが、これからの日本の救世主となるはずです。</span></p>
<h4><b>日本の「鉄」の凋落と世界4位転落の現実</b><b>—</b><b>62年ぶりの衝撃が示す、内需低迷と中国の圧倒的物量</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">世界鉄鋼協会が発表した2025年の素鋼生産量で、日本は1963年以来、62年ぶりに世界4位に転落しました 。かつて1億6000万トンを誇った日本の生産量は、今やその半分、8000万トン強にまで減少しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">この背景には、新幹線や高速道路といった大規模な建設需要の低迷に加え、中国による安価な鋼材の過剰供給があります。現在、世界のトップは中国、次いでインド、アメリカという順列になっています。日本勢では日本製鉄が孤軍奮闘していますが、買収提案を進めるUSスチールは世界29位にまで沈んでおり、そのような「過去の遺産」を抱え込んでどう戦うのか、戦略の再考が求められます。鉄の生産量は「国力の指標」と言われてきましたが、もはや物量で中国に対抗するのは不可能です。日本は汎用品の競争を捨て、より高度な付加価値と効率性を追求するステージに強制的に立たされています。</span></p>
<h4><b>高市政権下の衆院選と「若者の盛り上がり」の消失</b><b>—</b><b>旬を過ぎた参政党と、混迷する野党の争点</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">高市首相の信任を問う衆院選がスタートしましたが、前回の参院選で見られたような若い世代の熱狂が消えています。SNSを主戦場とした参政党の拡散力は3分の1に減少しました。その理由は明白です。「外国人は不要だ」と叫びながら、自分たちがその労働力に依存している現実との矛盾を、賢明な若者たちは見抜き始めたからです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">一方で、野党側も迫力を欠いています。「中道」を掲げる勢力も生活者ファーストという言葉が空回りし、若者の支持は数％に留まっています。注目すべきは、今回、国民民主党が「103万円の壁」の見直しや消費税減税を掲げ、若者の支持を吸収している点です。しかし、財源の裏付けがないまま「二年限定で減税」といった場当たり的な公約が並ぶ現状は、有権者を混乱させるだけです 。結局、自民党がそこそこの議席を維持するという、消去法的な結果に落ち着く可能性が高いでしょう。</span></p>
<h4><b>東大教授逮捕と「ふんぞり返る」組織の病理</b><b>—</b><b></b><b>ガバナンス強化を阻む、特権意識と倫理の欠如</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">東京大学の教授らが収賄容疑で逮捕された事件は、日本の最高学府が抱える深い闇を露呈させました。学長は謝罪しましたが、問題の本質は単なる「倫理意識の希薄さ」ではなく、東大という組織に染み付いた「ふんぞり返った」特権意識にあります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">「先生のお墨付きがあれば商売が繁盛する」と群がる業者に対し、接待やクラブでの遊興を当然のように享受する構造が医学部などを中心に蔓延しています。彼らは薬価審議会のメンバーなども務めており、その権限は強大です。大学の給与体系が大企業並みに改善されている現在でも、こうした不正に手を染めるのは、外の世界の「悪い大人たち」が周囲でダンスを踊っているからです。形ばかりの頭の下げ方では、この病理は治りません。外部の厳しい目による徹底的な監視と、研究者としての矜持を取り戻す抜本的な解体出直しが必要です。</span></p>
<h4><b>キヤノン・御手洗氏の「90歳社長退任」に漂う老害の影</b><b>—</b><b></b><b>院政を敷くCEOと、日本企業の世代交代の嘘</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">キヤノンが発表した社長交代人事は、一見「若返り」に見えますが、その実態は「老害」と言わざるを得ません。御手洗不二夫氏が90歳にしてようやく社長を退くものの、依然としてCEO（最高経営責任者）として残り、人事権を握り続けるからです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">かつて自ら社長をクビにして会長・社長を兼務した経緯を考えれば、今回の人事が「小川氏に任せられる時期を見極める」という留保付きである以上、実質的な支配体制は変わりません。日本には90歳を超えても現役で活躍する優れた経営者もいますが、御手洗氏のケースは「院政」そのものです。キヤノンの広報は「私の履歴書」の連載に合わせて戦略的にニュースを出し、おべんちゃら的な報道をさせていますが、経営のダイナミズムを奪っているのは他ならぬトップの執着です。企業が真に進化するには、権限を完全に委譲する潔さが必要です。</span></p>
<h4><b>中国・習近平「一人支配」への決死の告発</b><b>—</b><b></b><b>張友経氏の「遺書」が示す、独裁の末路と台湾侵攻のリスク</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">人民解放軍の制服組トップ、張友経（ちょう・ゆうきょう）氏が失脚直前に残したとされる習近平氏への公開書簡が大きな衝撃を与えています。習氏とは幼馴染の盟友であった彼が、死を覚悟して綴った内容は、「共産党の一党支配が、習近平の一人支配に成り下がった」という痛烈な批判でした。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">書簡の中で最も重いのは、軍のシミュレーションにおいて「台湾侵攻は中国側の惨敗に終わる」と断言している点です。軍を自分の私兵として扱い、戦争を熱望する習氏に対し、張氏は「軍は国と国民を守るためのものであり、他国を攻めるためのものではない」と説いています。これは北朝鮮化する中国への、内部からの断末魔の叫びです。こうした直言が許されず、抹殺される組織に未来はありません。中国の暴走を止めるには、こうした内部の「良識」がいかに結集できるかにかかっていますが、現状は極めて悲観的と言わざるを得ません。</span></p>
<h4><b>インド決済網「UPI」の席巻と日本のデジタル敗戦</b><b>—</b><b>銀行口座と生体認証が変える、世界金融のパワーバランス</b></h4>
<p>インド政府が主導する即時決済システム「UPI」の勢いが止まりません。2024年度の年間決済件数は前年比42％増の1,800億件を突破し、そのネットワークはフランスやシンガポールなど世界8カ国へと急速に拡大しています。</p>
<p>このシステムの核心的な強みは、インド独自のデジタルインフラである「インディア・スタック」にあります。14億人の国民全員が付与された生体認証付き身分証（アドハー）と銀行口座が直結しているため、スマートフォン一つで、かつ「原則無料」での即時送金を可能にしました。一つのQRコードで、あらゆる決済アプリを横断して利用できる圧倒的な相互運用性は、従来の銀行振込やクレジットカードといった既存の金融システムを根底から覆そうとしています。</p>
<p>対照的に、日本は「〇〇Pay」といった民間のキャッシュレス決済が乱立し、規格の分断や加盟店手数料の負担、さらには既存の銀行システムの高コスト構造という課題を抱えたままです。インドが「デジタルID＋公共決済網」という国家戦略で世界標準を握ろうとする中、日本は利便性とコストの両面で後塵を拝しており、まさに「デジタル敗戦」とも言える状況に直面しています。</p>
<p>&#8212;この記事は2025年2月1日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" loading="lazy" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
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