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	<title>大前研一ニュースの視点blog アーカイブ | 株式会社Aoba-BBT</title>
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	<description>幼児から経営層までの生涯学習プラットフォーム株式会社Aoba-BBTは、「知のネットワークは人間の能力を無限に伸ばす」をミッションに、インターナショナルスクール、企業研修、オンライン大学・大学院（MBA）などの教育サービスを提供しています。</description>
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	<title>大前研一ニュースの視点blog アーカイブ | 株式会社Aoba-BBT</title>
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	<itunes:explicit>no</itunes:explicit><itunes:subtitle>幼児から経営層までの生涯学習プラットフォーム株式会社Aoba-BBTは、「知のネットワークは人間の能力を無限に伸ばす」をミッションに、インターナショナルスクール、企業研修、オンライン大学・大学院（MBA）などの教育サービスを提供しています。</itunes:subtitle><item>
		<title>KON1129：日産6500億円赤字・東電「金融出身者」会長・牧野フライス中止勧告──「持ち腐れ」が並ぶ日本企業の現在地</title>
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		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 30 Apr 2026 07:56:53 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[日産自動車・6500億円赤字の本質──ゴーン後の「商品力枯渇」と日本市場軽視のツケ ── コストダウンに偏重した結果、車を作る会社の魂が抜けた 日産自動車が20 &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b>日産自動車・6500億円赤字の本質──ゴーン後の「商品力枯渇」と日本市場軽視のツケ</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">── コストダウンに偏重した結果、車を作る会社の魂が抜けた</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日産自動車が2026年3月期の連結最終損益として6500億円の赤字見通しを発表しました（その後4月27日には為替や固定費削減の効果で5500億円の赤字に上方修正）。最終赤字は2期連続で、過去最大級の規模です。世界で2万人の人員削減と7工場の削減という構造改革を打ち出していますが、私はこの数字の背後にある本質的な問題を語らなければならないと考えます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日産再建の歴史を振り返ると、ルノーから派遣されたカルロス・ゴーンが断行した「日産リバイバルプラン」は確かに最初は成功しました。しかしその後、ゴーンは二つの致命的な誤りを犯しています。一つはコストダウン一辺倒で、車を生み出す力という日産の生命線をないがしろにしたこと。もう一つは、自分が得意なアメリカ市場に偏重し、日本市場をないがしろにしたことです。ゴーン氏は月に1〜2日しか日本に来ず、来てもマスコミを連れてディーラーで写真を撮って帰るだけでした。その結果、国内シェアは2位から4位に転落しました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日産はもともと、神奈川・厚木の研究所が生み出す車の魅力で勝負してきた会社です。フェアレディZ、スカイライン、GT-R──ドライバーの心をつかむ走りの良さ、形やデザインの美しさ。これが日産のDNAです。私自身、日産の車を何十台も買ってきましたが、その魅力が基本的に失われてしまいました。今、国内で売れているのはノートとセレナくらい。スカイラインやシルビアといった旧プリンス系の名車を生んだ系譜は、もう細々としか残っていません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">自動車産業全体の構造も大きく変わりました。販売台数で見るランキングと、時価総額で見るランキングが逆転しつつあるのです。フェラーリは販売台数では入ってこないが時価総額では世界6位前後。BMWやメルセデスも時価総額が高い。一方で台数だけ多いフォルクスワーゲンや日産系は時価総額で評価されない。「規模から質へ」という地殻変動が起きており、日産はその逆方向にいるのが現状です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私が日産再建の方向性として提案したいのは三つ。第一にアライアンスの見直し──ルノーから全株を買い戻し、提携を実質的に解消する。第二に拡大路線の見直し──日本・北中米・中国・欧州・アジア太平洋の5極体制に縮める。第三に段階的なEVシフト──当面はHV人気を取り込みつつ、電池はホンハイなどと組む。そして何より、厚木研究所の人をもう一度取締役に戻し、世界的なカーデザイナーを入れて、スカイライン・Z・GT-Rの新型を本気で開発することです。日産にとって売れる車とは「形がいい」「デザインが好き」と言われる車。原点に戻る以外に、再生の道はありません。</span></p>
<h4><b>牧野フライス買収中止勧告──MBKを知らない日本政府の「恥」</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">── 外為法初の中止勧告、しかし相手は日本企業の最大級買い手</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">政府が、アジア系投資ファンドのMBKパートナーズによる工作機械大手・牧野フライス製作所の買収計画に対し、外為法第27条第5項に基づく中止勧告を出したことが報じられました。2026年4月22日付。財務相と経産相の連名で発出されたもので、2017年の外為法改正以降では初めて、Jパワー事案以来となる歴史的な事例です。牧野フライスの工作機械が日本の防衛装備品メーカーで広く使われていることから、安全保障上の懸念があると判断されたとされます。23日には日系ファンドのNSSK（日本産業推進機構）が買収提案を検討していることも明らかになりました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私はこのニュースを見て、「これほど恥ずかしい話はない」というのが率直な感想です。財務省や経産省はMBKがどういうファンドかを本当に知らないのではないか。MBKは既に日本で大規模な買収実績を積んでいます。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの再建（ゴールドマン・サックスとの共同事業として5倍の値段で売却）、米ブラックストーンからのアリナミン製薬買収（約3500億円。同社のルーツは武田薬品工業の大衆薬事業）、TASAKI（旧田崎真珠）、コメダ珈琲店、アコーディア・ゴルフ、ゴディバ・ジャパン。皆さんが日常的に手にしている商品やサービスの背後に、MBKが関わっています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかも創業者のマイケル・キム氏（Michael ByungJu Kim）は、私自身、彼がハーバード・ビジネス・スクール時代から知っている超一流の人物です。ゴールドマン・サックスを経てカーライル・グループのアジア責任者を務め、2005年にMBKを立ち上げました。共同創業メンバーもカーライル出身の精鋭ばかりで、出資者の顔ぶれもピカピカ。世界で最も審査が厳しいといわれるカナダ・オンタリオ州の年金基金まで資金を入れています。これを「外国のファンドだから」という雑な理由で中止勧告するのは、日本の対外シグナルとして極めて恥ずかしい。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">もう一点重要なのは、買収には日本政府だけでなく米国政府、中国政府の独占禁止法上の承認も必要だということです。MBKは既に米国・中国の承認を取得済みでした。これからNSSKが代わりに乗り出しても、米中のクリアランスを取り直すのは並大抵ではありません。本当に防衛産業上の懸念があるなら、その問題が顕在化したときに個別に対応すればいい。日本にもMBKのスタッフはいるのですから。「雰囲気で外資を排除する」のは、対日投資全体を萎縮させる愚策です。</span></p>
<h4><b>東電会長に横尾敬介氏──「金融出身」でも解けない原発処理の構造問題</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">── 会社を二つに分けない限り、誰が来てもうまくいかない</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">東京電力ホールディングスが、小林喜光会長の後任に産業革新投資機構（JIC）の横尾敬介社長を招く方向で最終調整に入ったことが分かりました。日本興業銀行（現みずほ銀行）出身でみずほ証券社長を経てJIC社長を務めた横尾氏が就任すれば、東電会長として5代続けて外部招聘、初の金融出身者となります。M&amp;Aや企業再編の経験を生かし、外部資本の受け入れを含む提携戦略を主導する見通しです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">東電は実態として何度も破綻しています。それでも生き残っているのは、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が無限にお金を注ぎ込んでいるからです。M&amp;Aの分かる横尾さんを連れてくるという方向は、外部資本を入れて立て直しを図るという文脈では理解できます。しかし私は、それでは根本問題は解けないと考えています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私の主張は明確です。東電は二つに分けるべきです。一つは福島第一原発の廃炉・デブリ除去を担う会社で、これは国の参加で運営する。なぜなら、デブリ除去は40年以上かかる事業で、お金がいくらかかるか誰にも分からない。これに資本参加したい民間企業は出てこないし、出てくるとすれば期待を裏切る形になります。もう一つは、柏崎刈羽原発6号機の営業運転再開（4月16日）も含めて、他の電力会社と力を合わせて発電・売電を担う会社。こちらは株式会社として通常の経営マネジメントが効きます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ところが現状はこの二つを一つの会社のままにし、足りない分を国からの補助で穴埋めする構造になっています。これがあるために世界最大の電力会社が「資本参加したい」という声を集めながらも、福島第一の費用が読めないという理由でディールが進まない。横尾さんは74歳で、40年規模のデブリ除去事業をマネジメントできるとは思えません。電力会社のマネジメントなら経営手腕で対応できるが、原子炉のデブリ除去は別物です。だからまず構造を組み直すこと──分離なくして再建なし。これを横尾さんが提案できるかどうかが、本人の真価を問う最大の論点になります。</span></p>
<h4><b>長期金利2.49%急上昇──「責任ある積極財政」という言葉の矛盾</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">── 市場は高市政権の足元を見始めている</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">10年もの国債の利回りが2.49%まで急上昇しました。先週、市場が高市政権の財政運営に対する不安を一気に織り込んだ形です。同時に円安基調も継続しており、株式市場は成長投資への期待から上昇しているものの、金利上昇が株価の下押し要因となる可能性も指摘されています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私はこの動きの根底にあるのは、「責任ある積極財政」という言葉そのものの矛盾だと考えています。高市首相は「責任ある」と「積極財政」を組み合わせて使っていますが、少子高齢化が進み、政府債務がGDPの2倍を超える日本で、積極財政をやって責任を取れるはずがない。一方で「責任ある緊縮財政」と「無責任な積極財政」という言葉の組み合わせなら筋が通ります。「責任」と「積極」は両立しない。にもかかわらず両方を看板にしているから、市場は「どちらが本気なのか」と足元を見始めたのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">参考になるのはイタリアのメローニ首相の事例です。財政が厳しい中で緊縮財政を断行し、結果を出している。メローニ氏と高市首相は仲が良いと聞きますが、政策の方向は両極端です。さらに今後、ホルムズ海峡情勢で原油が高騰すればインフレが加速し、日銀は金利を上げざるを得なくなります。金利を上げなければ円安が進み、輸入物価がさらに跳ね上がる。どちらに転んでも舵取りは極めて難しい局面に入りました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私はこの市場の警告を、政策の整合性を求めるシグナルだと受け取っています。「成長投資」と「財政健全化」のどちらを優先するのか、その順序を明確に示さない限り、長期金利の上昇は止まらないでしょう。</span></p>
<h4><b>パナソニックが拓く「マイiPS細胞」革命──5000万円から100万円以下へ</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">── 再生医療の経済的ハードルを一気に下げる装置開発</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">パナソニックホールディングスが、患者自身の血液から作るiPS細胞を全自動で培養する装置を開発したと発表しました。京都大学iPS細胞研究財団と組んで2026年4月から実証実験を本格化させ、2028年度の製品化を目指すといいます。これまで手作業による培養では1人あたり約5000万円かかっていた費用を、新装置で50分の1の100万円以下に抑えられる可能性があるとしています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私はこの開発を素直に評価したい。患者本人の細胞から作る「マイiPS」は、他人由来のiPS細胞に比べて拒絶反応が起きにくいという根本的な優位性があります。一方で、培養を熟練者の手作業に依存していたことが、コストとスケールの両面でボトルネックになっていました。装置内で衛生管理を完結できるようにし、人件費を大幅に削減できれば、再生医療の経済的ハードルが一気に下がります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">再生医療は、これまで「期待は大きいが現実には届かない」分野でした。50分の1のコストダウンが本当に実現すれば、移植医療や難病治療の選択肢が大きく広がります。私は2028年度の実用化に向けて、パナソニックの技術が単発で終わらず、産業として根付くかどうかをしっかり見ていきたい。日本発の医療イノベーションとして、注目に値する動きだと思います。</span></p>
<h4><b>ノジマが日立家電事業を1100億円で買収──白物家電が量販店の手に渡る意味</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">── 「中立的なブランド」を量販店経営者が守れるか</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">家電量販店のノジマが、日立製作所の白物家電事業を1100億円で買収すると発表しました。日立グローバルライフソリューションズ（日立GLS）が新会社を設立し、その株式の80.1%をノジマが取得、残り19.9%を日立GLSが保有する形です。さらにトルコの家電大手アルチェリクと共同設立していた海外事業会社AHHAも傘下に取り込み、国内外の日立ブランド家電を一体運営する体制を構築します。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ノジマは過去に携帯代理店のITX、コネクシオを各約850億円で買収し、2025年1月にはVAIOも買収しています。今回は過去最大の案件です。野島廣司社長は「店舗で得られるお客様の声を製品開発からアフターサービスまで循環させる体制を構築する」と語っています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ただ、私はこのディールには二つ気になる点があります。一つはノジマが家電量販店として他社にどう中立的な顔を見せられるかです。日立の白物家電はヨドバシ、ヤマダ、ビックカメラといった他の量販店でも売られています。ノジマが事実上の「メーカー」になった時点で、競合量販店が「ノジマ系の商品は扱いたくない」となれば、せっかく買った事業の販路が縮みます。「日立」ブランドを残し、他量販店でも売り続けるという方針はそのリスクを意識したものでしょうが、運営の中立性を実際に保てるかは別問題です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">もう一つは、白物家電というセグメントの将来性です。アメリカではGEもシアーズも白物事業から手を引き、別の所に売却しています。茶物（ブラウン）家電は中国勢にやられ、白物も中国・韓国勢に押されている。ソニーすらテレビ事業をTCLとの合弁にしました。日本の家電は「お客様の声」だけで再生できるほど甘くない構造変化の中にあります。それでもノジマが利益を出している会社であり、1100億円を出せる体力があるのは事実です。挑戦そのものは応援したいが、楽観論は禁物です。</span></p>
<h4><b>ブルガリア親ロ派政権の誕生──しかし「ロシア寄り」は長続きしない</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">── EU補助金とのトレードオフが現実を縛る</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">東欧ブルガリアで議会選（一院制、定数240）が4月19日に投開票され、親ロシア派のラデフ前大統領が率いる中道左派連合「前進するブルガリア（PB）」が約130議席を獲得し、単独過半数を取る勢いとなりました。得票率は約44.6%。ボリソフ元首相が率いる親EU・中道右派の「欧州発展のためのブルガリア市民（GERB）」を大きく引き離しました。EU加盟国でNATOにも加盟するブルガリアにウクライナ支援に消極的な政権が誕生する可能性が出てきたわけです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私はこのニュースを見て、ハンガリーのオルバン政権との比較で考えています。一見、欧州内の「親ロシア派ベルト」が拡大したように見えるが、ブルガリアの場合は事情が違うと見ています。私自身、トルコから車でブルガリアを通り、ポーランドを経てウクライナまで運転したことがありますが、ブルガリアは穏やかな農業国で、貿易構造もEU依存です。輸出はドイツ、ルーマニア、イタリア、トルコが中心。ロシアとの貿易はそれほど大きくありません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">もう一つ重要なのが、EUからの結束基金や復興基金です。ブルガリアは1人あたりGDPがEU平均より低く、EUからの補助金がインフラ整備や農業に欠かせません。EUから受け取る補助金とEUへの拠出金の差し引き額は受け取り超過の年間19億ユーロ規模で、この資金が来なくなれば、即座に生活水準に跳ね返ります。ロシアに寄り添うことで得られるメリットは、これら経済的便益と比べて極めて小さい。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">したがって私の見立ては、ラデフ政権は当初こそ反EU・親ロのレトリックを掲げるが、最終的には実利の前で軌道修正を余儀なくされる、というものです。「ウクライナ支援は反対」と言ってみても、もともとブルガリアはあまり拠出していなかったのですから、実害は少ない。ロシアに振れたところで「経済的に何ももらえない」現実が、政策をEU側に引き戻す力学になります。ブルガリアはオルバン氏ほどには「親ロ路線」を貫けないでしょう。</span></p>
<h4><b>フランス中銀、米国保管の金129トンを本国移送で2.3兆円利益</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">── 純度規格更新に名を借りた、地政学的な意思表示でもある</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">フランス中央銀行が米国に保管していた金129トンを本国へ移動させる過程で、約128億ユーロ（約2.3兆円）の利益を得たことが分かりました。ロンドン地金市場協会（LBMA）の最新の品質基準に合わない古い金を基準に合致する金に置き換えるため、米国でいったん売却し、欧州で同量を再取得した際の価格変動が利益につながった、というのが公式の説明です。仏中銀のビルロワドガロー総裁は「政治的な意図はない」と強調しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">実利だけ見れば、これはフランス国民にとって朗報だと私は思います。約2.3兆円という金額は、フランスの国家予算の1.5%程度に過ぎないとはいえ、棚ぼたとしては相当な規模です。中央銀行の金保有量はアメリカ、ドイツ、IMF、イタリアが多い。今回の動きを見て、イタリアなどが「うちもやろう」と続く可能性は十分にあるでしょう。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ただし「政治的意図はない」というのは、私はやや額面通りには受け取れません。米国保管の金を本国に戻すという行為自体が、米欧間の信認に対する一つのシグナルです。トランプ政権下で関税や同盟関係が揺れる中、各国中銀がドル資産・米国保管資産の比率を見直す動きの一環として位置づけられます。日本は金保有量がまだ少なく、こうした駆け引きの主役にはなれませんが、外貨準備や金保有のあり方を改めて考える時期に来ているのは確かです。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2026年4月26日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" fetchpriority="high" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
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		<title>KON1128：国債2.49%・ユーロ187円・人民元23円──”円と日本国債なら安全”の時代は終わった</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5547/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 22 Apr 2026 05:19:41 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[教皇レオ14世を呼び捨てたトランプ大統領 ──「核とベネズエラ攻撃に弱腰な教皇は不要」発言が招くカトリック離反の可能性 トランプ大統領は12日、自身のSNSでロ &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b>教皇レオ14世を呼び捨てたトランプ大統領</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">──「核とベネズエラ攻撃に弱腰な教皇は不要」発言が招くカトリック離反の可能性</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">トランプ大統領は12日、自身のSNSでローマ教皇レオ14世を呼び捨てで批判しました。教皇が対イラン軍事作戦や米国のベネズエラへの姿勢を問題視したことに反発したもので、「レオは犯罪対策に弱腰で、外交政策も最悪だ」「イランが核兵器を持つことを容認する教皇などいらない」と投稿し、さらに「私がホワイトハウスにいなかったら、レオはバチカンにいなかっただろう」とまで述べています。CNNは16日、両者の対立が長期化する可能性があり、カトリック層のトランプ支持に変化をもたらす可能性があると報じました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私は、トランプ大統領が極めて危うい領域に踏み込んだと見ています。第一期政権のアドバイザーだったスティーブ・バノンは、当時のフランシス教皇を引きずり下ろすような運動を展開していましたから、ユダヤ系に近いそうした発想がトランプ周辺に根強くあります。問題は、「自分が大統領になったからアメリカ出身のレオが教皇になれた」という論理まで持ち出している点です。現実認識としてかなり無理のある主張です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ローマ教皇の本来の役割は平和を説くことにあります。今回も教皇は「一握りの暴君が世界を荒廃させる」と語っていて、これは宗教指導者として至極まっとうな発言です。イタリアはまさにカトリックの国ですから、これまでトランプと良好な関係にあったメローニ首相ですら、今回は距離を置いています。昨年の米大統領選でトランプを支えた福音派プロテスタント、ヒスパニックのプロテスタント、白人のカトリック層が、今後どれだけ離反していくか。私は中間選挙で共和党が大敗する展開は、もはや避けがたいと見ています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">さらに深刻なのは、トランプが自らをイエス・キリストになぞらえた生成AI画像を投稿したり、病人に手をかざす姿、水の上を歩くパロディまで拡散していることです。キリスト教の伝統的な信者にとって、これは明白な冒涜行為です。支持層の信仰心を逆なでする行動を繰り返せば、得るものは何もありません。</span></p>
<h4><b>対イラン戦争と「自己顕示欲の傲慢」</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">──クシュナー氏・ウィトコフ特使の助言に依拠した「1日で決着」の誤算</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ニューヨーク・タイムズは14日、トランプ氏の予測不能な言動と過激な発言がメンタルヘルスに関する議論を再燃させると題する記事を掲載しました。イランへの強硬発言や要人批判を繰り返す中、その精神状態をめぐる議論が世論や専門家のみならず、支持層にまで広がっていると伝えています。日経新聞も16日、「トランプ氏 虚栄心の傲慢」と題する記事で、当初「終わりなき戦争」として中東介入に否定的だった大統領が、側近ら強硬派の働きかけと自身のレガシー志向に動かされ対イラン攻撃に踏み切ったと指摘しました。ギリシャ悲劇の教訓的パターンになぞらえた分析です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">自己顕示欲と傲慢という指摘は的を射ています。トランプ大統領は、イランとの戦争がどう展開するか十分に見通せないまま、「1日で決着できる」という前提で踏み切ってしまった。この判断を後押ししたのが娘婿のジャレッド・クシュナー氏と、スティーブ・ウィトコフ中東担当特使です。実際にはイラン側の抵抗は想定以上にしぶとく、現在は戦況の実像すら把握しづらい状況にあります。仲介役として当初は想定すらしていなかったパキスタンに頼らざるを得なくなっている事実が、戦略の破綻を雄弁に物語っています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">イラン側の被害は停戦交渉が始まるまでで物理的に40兆円以上、回復には10年を要すると私は見ています。これほどの戦争を、戦線布告もせず、議会の承認も得ずに始めてしまった。連邦議会の機能はどこへ行ったのかと問いたいところです。世界から見れば、アメリカは不安定で暴力的な振る舞いを繰り返す、予測不能な国家に変質しつつあります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ラスベガスでの演説では、「イランというラブリーな場所へのちょっとした気晴らしにも関わらず、経済は成長した」という発言まで飛び出しました。数千人の死者を出した戦争を「気晴らし」と呼ぶ感覚は、一国の指導者として受け入れがたいものです。停戦交渉の論点とされているウラン濃縮停止の期間についても、そもそも2015年の核合意から離脱したのはトランプ自身です。「20年か10年か」で議論している間に、当のトランプが政権を去っている可能性すらあります。この問題の本質は、合意文書の条文ではなく、濃縮能力を持つ技術者の存在にあり、人がいる限りいつでも再開できてしまうのです。</span></p>
<h4><b>ハンガリー16年ぶり政権交代</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">──ティサ党マジャール・ペーテル氏圧勝と「J.D.ヴァンス応援のブーメラン」</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ハンガリーで12日、総選挙の投開票が行われました。中道右派の新興政党「ティサ（尊重と自由）」が議会で圧倒的多数を確保し、16年ぶりの政権交代となります。オルバン首相率いる与党フィデスは2022年の選挙から大幅に議席を減らして敗北を認め、野党としての役割を果たすと表明しました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">マジャール・ペーテル氏の勝利は圧倒的でした。ロシア寄りの路線を続けてきたオルバン首相に対し、国民は「我々はEUのメンバーであり、EUと協調するのが本来の道だ」「ロシアは信頼できる相手ではない」という判断を下したわけです。かつてハンガリーがロシアから受けてきた歴史的な苦難を踏まえれば、当然の帰結と言えます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">「マジャール」というのはハンガリー語で「ハンガリー」を意味します。ハンガリーで早くから自動車生産を手掛けてきたスズキがインドでも強いことで知られていますが、現地では「マジャール・スズキ」と呼ばれ、ハンガリー国民から深く愛されている存在です。中央アジアにいたフン族が西へ流れてハンガリー（フンガリー）となり、さらにフィンランド（フンランド）に至った。その歴史の流れの中で、「マジャール」という党首が圧勝したという構図です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">オルバン敗北の一因は、J.D.ヴァンス副大統領がハンガリー入りして応援したことだと私は見ています。現在の米国政権は、ハンガリー国民から見れば歓迎されざる存在に映っていました。「トランプと親密である」というオルバンの売りが、今のヨーロッパにおいては逆に重大なマイナス要因として作用したのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">もう一つ看過できないのがEU補助金の構造です。ハンガリー、ギリシャ、ルーマニア、ポーランドなどは、一人当たりGDPがEU平均を下回る地域が補助金の受給側で、残る諸国は拠出側に回ります。ドイツは徹底した拠出国です。ハンガリーの最大の貿易相手はロシアではなくEUですから、EUと良好な関係を保つことで初めて経済的恩恵を享受できる。ウクライナ支援に消極的だったオルバン政権と異なり、マジャール新政権は今後、欧州と歩調を合わせた前向きな政策を展開するものと見られます。</span></p>
<h4><b>長期金利2.49% 日本国債暴落のカウントダウン</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">──1998年運用部ショック超え、IMFも海外への波及リスクを警告</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">13日の国内債券市場で、新発10年もの国債の利回りが一時2.49%となり、1998年の運用部ショックの水準を上回りました。運用部ショックは当時の大蔵省が財政投融資改革の一環として国債の買い入れを停止したのを受け、金利が3カ月で1%未満から2.44%まで急上昇したものです。今回の上昇の背景には日銀の利上げ観測、高市政権の積極財政路線、そして中東情勢の混迷による原油高があります。IMFも14日、日本の金利上昇が海外に波及するリスクを指摘する報告書を公表しました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">この動きは、日銀が利上げできないと市場が見切ったことの表れです。10年もの国債利回りが2.49%という水準に急激に達している。日銀は現在、長期国債を約555兆円（2025年9月末時点）保有していますから、金利上昇に伴う利払い負担の増加は無視できない規模に達します。日本国債暴落の危険性が迫っているというのが、今週の懇親会で私が取り上げたテーマでした。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">IMFの指摘には、もう一つ別の側面があります。「日本国債の利回りが上がったなら、そこに資金を振り向けよう」と海外投資家が動き始めているという事実です。一見するとありがたい話に見えますが、実は極めて危険な兆候です。これまで日本国債が安定していた最大の理由は、「日本人が保有している」という認識でした。実際には日銀と国内金融機関が大半を持っているのであって、国民が直接保有している額は大きくありませんが、少なくとも海外勢の比率は極めて低く保たれてきました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ここに海外投資家が「利回りが高いから組み込もう」と入ってくると、暴落リスクが顕在化した瞬間に容赦なく空売りを浴びせてきます。一度売り浴びせられれば、元の水準には戻りません。「責任ある積極財政」という掛け声の下で歳出を膨らませる政策を続ける限り、こうしたツケはさらに積み上がっていくのです。</span></p>
<h4><b>ユーロ対円187円・人民元23円台の衝撃</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">──利上げできない日本の通貨価値が音を立てて崩れていく</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">14日の東京市場で、円が対ユーロで一時187円52銭となり、1999年のユーロ誕生以来の最安値を更新しました。対オーストラリアドルでも一時113円台と、1990年以来の安値水準に迫っています。中東情勢を受けた資源高騰で日本の貿易赤字が拡大するとの見方から、円売りが進みました。同じく13日には中国人民元が一時1元23円台となり、管理変動相場制に移行した2005年以降の最高値を更新しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ユーロ187円という水準は相当に衝撃的です。かつてはドルとユーロが等価で取引されていた時代もあったのに、現在はドルが159〜160円、ユーロが187円。これは日本が金利を引き上げられないという制約、今後の経済運営への不信、そして原油輸入による貿易赤字拡大への懸念が一体となって円に圧力をかけている結果です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">人民元についても、これまでは15円、せいぜい20円という水準で推移してきました。それが現在は23円。日中間の国力差が、為替レートという最も残酷な形で可視化され始めたとも言えます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">長期金利の急上昇と通貨価値の崩落は、それぞれ独立した現象ではなく、共通の根から同時に発生しています。利上げができない、積極財政で財政規律が緩む、貿易赤字が拡大する、海外投資家が日本国債への参入機会を窺う──この連鎖が円安を加速させ、同時に金利を押し上げているのです。資産と会社をどう守るかという点については、今週の向研会で詳しく論じましたので、ぜひご覧いただきたいと思います。少なくとも、「円と日本国債だけを保有していれば安全」という時代認識は、もはや通用しなくなったという前提に立つ必要があります。</span></p>
<h4><b>食料品消費税ゼロ公約の迷走</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">──国民会議に付託した時点で「やる気なし」、ポスレジ改修を口実にした先送り</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日経新聞が小売業を対象に行った調査では、食料品の消費税ゼロを店舗価格に反映するまでの準備期間が「6カ月以上」との回答が約7割に上りました。1989年の消費税導入以降、ポスレジが消費税を前提に設計されてきたため、税率をゼロにするにはシステム改修が必要で、エンジニア不足も懸念材料とされています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">これは政策論としてやや苦い笑いを誘う展開です。自民党は衆院選で「食料品の消費税8%を2年間だけゼロにする」と公約しました。ところがその実現を、超党派の国民会議に委ねて議論するという方針を打ち出したのです。自民党は単独で316議席を確保しており、法案を通そうと思えば通せる状況にあります。あえて他党と議論する場を設けたという事実は、高市内閣に当初から実施する意思がなかったことを示唆しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ここに小売業界から「ゼロにするには1年かかる」「全国のポスレジを改修しなければならない」「あらゆる調査を踏まえても半年は要する」という声が上がってくる。2年間だけゼロにして、その後また8%に戻すというオペレーションは、現場に大きな負担を強いる。結果として「実施は困難だ、他の方法を検討しよう」という結論に流れていく、という布石が見事に打たれているわけです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">本気で実施する意思があるのなら、この国会で即座に法案を通すことができたはずです。国民会議への付託という手順を踏んだ時点で、政治的な答えは「実施しない」方向に傾いていたと読むべきでしょう。最終的には別の形で財政を膨らませる措置が取られる可能性が高いと私は見ています。有権者がこの政策と発言の乖離をどう評価するかが、次の政局を左右するはずです。</span></p>
<h4><b>南鳥島での核のごみ文献調査、小笠原村長が容認</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">──全国4例目、地元要請によらず国主導で進む初のケース</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に向け、国が南鳥島での文献調査を申し入れたことについて、東京都小笠原村の渋谷正昭村長は13日、「国が主体的に責任を持って判断すべきだ」と述べ、事実上容認する意向を表明しました。実施されれば北海道寿都町、神恵内村、佐賀県玄海町に次ぐ全国4例目。地元の要請によらず国主導で進む初のケースとなります。南鳥島は島全体が国有地で、滞在するのは気象庁職員と自衛隊員ら約30人のみで、住民はいません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">現実的な選定先として、南鳥島以外の選択肢は極めて限られていると私は見ています。住民不在の地ですから、反対運動が発生する余地がありません。これまで文献調査を受け入れた自治体には、交付金獲得という動機も少なからず働いていました。最終的に試掘段階に進むには、市町村ではなく都道府県知事の同意が必要となります。佐賀県も北海道も知事が反対姿勢を示しており、そこから先に進めないのが実情です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">南鳥島の場合、該当する知事は東京都知事となります。住民が不在である以上、都知事が「国のために受け入れる」と表明すれば、地元合意のハードルは格段に低くなる。小池都知事であれば、国に対して恩を売って自身の政治的立場を強化する機会として活用する可能性もあります。もっとも、試掘開始までに30年以上を要する長期プロジェクトであることは、改めて留意すべき点です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">地質的にも南鳥島は優位性を持っています。日本列島は大陸プレートの下に海洋プレートが沈み込む側に位置するため、国内のどこを掘っても地震リスクを免れません。これに対し南鳥島は沈み込む側のプレート上にあり、火山活動からも隔たっている。地質的安定性という観点では、国内で最も条件の良い立地です。小笠原村は人口約2800人ですから、文献調査で最大20億円、概要調査に進めば最大70億円の交付金を2800人で分け合う計算になり、財政的なインパクトも大きい。国が地質的適性と無住環境を理由に、責任を持って踏み込んだことの意義は評価されて良いと思います。</span></p>
<h4><b>サントリー×第一三共ヘルスケア2465億円買収</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">──酒類離れ時代、ニュートラシューティカル戦略でOTC市場へ本格参入</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">サントリーホールディングスは15日、第一三共ヘルスケアを2465億円で買収すると発表しました。第一三共ヘルスケアは風邪薬「ルル」や解熱鎮痛剤「ロキソニン」などを展開し、2025年3月期の売上高は約760億円。国内酒類市場の成長鈍化を受け、サントリーは健康関連事業を中核事業に育てる考えです。2029年6月までに段階的に完全子会社化する計画となっています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">第一三共にとって、OTC（一般用医薬品）領域は事業全体の中ではそれほど大きくありません。同社の主力はがん治療薬「エンハーツ」や抗凝固薬「リクシアナ」であり、特にがん治療薬の売上高が最大です。760億円のOTC事業を2465億円で売却するというのは、第一三共にとって妥当な判断と言えます。（売上高は25年度第３四半期累計額）</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">サントリー側の狙いは、大塚ホールディングスが先行して築いてきた「ニュートラシューティカル」戦略──医薬品（ファーマシューティカル）と栄養食品（ニュートリション）の融合ビジネス──に本格参入することです。大塚は「ポカリスエット」「カロリーメイト」「ソイジョイ」「オロナミンC」「オロナイン軟膏」「OS-1」など多彩なブランド群を擁し、5500億円規模の事業を築き上げています。市場には他にも、大正製薬（1970億円）、小林製薬のコアシリーズ、ロート製薬、パンシロン、武田から分離してファンド傘下に入ったアリナミンなどが並びます。今回サントリー傘下に入る第一三共ヘルスケア（867億円）は、この競争地図に新たな強者として加わることになります。（24年度実績）</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">医薬品メーカーは、一般消費者に対する認知度を得にくいという構造的な弱点を抱えています。「アステラス製薬は何を作っているか」と問われて即答できる生活者は多くありません。大塚が塩事業から始まり、点滴・天敵事業を経て薬品事業に入り、日本の主要薬品メーカーへと登り詰めた道のりは、サントリーにとって極めて示唆に富みます。酒類と清涼飲料で培った圧倒的なブランド力をOTC市場で活用できれば、サントリーは「第二の大塚」を目指せる立場にあります。</span></p>
<h4><b>フジクラ時価総額10兆円の虚と実</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">──AIデータセンター向け光ファイバー特需の裏で、営業利益との乖離</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">電線メーカー大手フジクラの株価が13日、上場来高値となる5698円で取引を終え、終値ベースの時価総額は10兆1149億円と初めて10兆円を超えました。昨年末比で約2倍、東証プライム市場ではHOYA、ゆうちょ銀行、丸紅を上回る27位にランクインしています。米国でデータセンター向けの光ファイバー関連製品の需要が急速に高まっていることが背景です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日本には光ファイバーを手掛けるメーカーが多数存在するにもかかわらず、フジクラだけが突出して評価された理由は明確です。AIデータセンター内部で銅線（カッパー）が担ってきた領域を光ファイバーに置き換えることで、発熱を抑制できるという技術的優位性があるのです。発熱が減れば冷却コストも削減できる。この実需が、フジクラを一気にAI関連銘柄の主役に押し上げました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">これまで長距離通信用の光ファイバーは日本の各メーカーが共通して手掛けてきましたが、データセンター内部の短距離・大容量伝送という領域で、フジクラは一歩先に踏み出した格好です。情報通信部門の利益率が急拡大し、全社の収益構造が書き換わりました。2026年3月期の通期予想は売上高1兆1430億円、営業利益1950億円と上方修正されています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ただし、時価総額10兆円という評価には慎重な視点も必要です。営業利益1950億円の規模に対して時価総額10兆円は、PER（株価収益率）で相応に高い水準となります。米国のAI関連銘柄急騰の波に引き上げられた側面が大きく、実需の成長は本物であっても、10兆円の評価が今後も持続するかは別問題です。AIデータセンター投資の拡大ペース、競合他社の追い上げ、そしていつか来る調整局面──これらを冷静に織り込んだ上で、経営層と投資家は距離感を測る必要があります。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2025年4月19日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>KON1127：イラン停戦決裂とトランプ「ナルシシズム」──ハンガリー政変・台湾揺さぶり・AI業界激震が同時進行する世界</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5543/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 16 Apr 2026 02:54:20 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[イラン停戦決裂とトランプの「悪性ナルシシズム」── 21時間の交渉も実らず、心理学者まで警鐘を鳴らす大統領の精神状態 4月8日にパキスタンの仲介でようやく成立し &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b>イラン停戦決裂とトランプの「悪性ナルシシズム」</b><b>── 21時間の交渉も実らず、心理学者まで警鐘を鳴らす大統領の精神状態</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">4月8日にパキスタンの仲介でようやく成立した米イラン2週間停戦は、わずか数日で崩壊の危機に瀕しています。イスラマバードで行われた21時間に及ぶ直接交渉も合意に至らず、JDバンス副大統領は「合意できなかったのはイランにとってアメリカ以上に悪いニュースだ」と捨て台詞を残して帰国しました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私が一番気になるのは、トランプ大統領の言動が日に日に常軌を逸してきていることです。3日か4日のあいだに「文明全体を滅ぼしてやる」と口走ったかと思えば、レバノン攻撃を止めると約束しながらネタニヤフ首相との電話一本で立場を翻す。アメリカのジョンズ・ホプキンス大学元教授で著名な心理学者のジョン・ガートナー博士までもが、トランプ氏の精神状態の急速な悪化を指摘し、「悪性のナルシシズム」と分析しているほどです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">問題の根は、政権中枢に巣食うユダヤロビーの存在です。娘婿のクシュナー、そして中東特使のウィットコフ、この二人がネタニヤフの言い分をそのままトランプに吹き込んでいる。仲介役として送り込まれたバンス副大統領も、私から見れば1×1や3引く2しか分からないような人物で、こうした微妙なニュアンスを読み取れる器ではありません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ただ、私はあまり悲観していません。この戦争が長引けば長引くほど、原油価格は高騰し、アメリカのガソリンも1ガロン4ドルを超えてくる。中間選挙で共和党は惨敗するでしょう。トランプの命脈もあと半年です。あと半年さえ持ちこたえれば、レイムダック化したトランプは何もできなくなる。日本もイランも、半年の我慢と腹をくくることが大事だと私は考えています。</span></p>
<h4><b>パキスタンが見せた「仲介力」の限界</b><b>── シャリフ首相とムニール陸軍元帥が果たした役割と、その先にある壁</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">今回の米イラン停戦交渉で世界の注目を集めたのが、パキスタンのシャバズ・シャリフ首相と、ムニール陸軍元帥という二人です。シャリフ首相は、かつて首相を務めたナワズ・シャリフ氏の弟であり、政治家一家の出身。ムニール元帥はトランプ大統領のお気に入りで、ホワイトハウスにも単独で招かれたことがある人物です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">パキスタンが仲介役として浮上したのには理由があります。米軍基地を国内に持たず、イスラム圏で唯一の核保有国であり、イランとも長い国境を接している。湾岸諸国とも中国とも良好な関係を維持している。これだけの条件が揃う国は他にありません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">実際、私もこの両首脳の動きを評価していました。トランプ大統領が「全面破壊」を宣言する直前のギリギリのタイミングで2週間停戦を引き出した手腕は見事でした。しかし、結果としては会談を成立させるところまでで、合意までは漕ぎ着けられなかった。これまでもオマーンやエジプトなどさまざまな仲介国が出てきましたが、いずれも「両者の言い分を行ったり来たり伝える」だけで、本当の意味でのシャトル外交、丁々発止のやり取りを設計する技術までは持ち合わせていなかったように見えます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">イスラマバードの会談を21時間続けたといっても、両者を同じテーブルに座らせて折衝した時間がどこまであったのか、私には疑問です。仲介国の「善意」だけでは、構造的な不信感を埋めることはできません。仲介者として真に信頼を築くには、相手の本音を引き出す対話設計の力量こそが問われるのです。</span></p>
<h4><b>ローマ教皇レオ14世がトランプを公然と拒絶</b><b>── 250周年記念の招待を断り、ランペドゥーザ島で移民とともに過ごす意味</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">ローマ教皇レオ14世が、アメリカ建国250周年記念式典へのトランプ大統領からの招待を正式に断りました。教皇はトランプ氏が「イランの文明を滅ぼす」と投稿したことに対し、「真に受け入れがたい」との声明を出しています。バチカン関係者は、レオ14世がトランプ政権の在任中はアメリカを訪問しない可能性が高いとまで語っています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私はこれを当然のことだと受け止めています。レオ14世は史上初のアメリカ人教皇で、シカゴ出身、ペルーで30年近く宣教師として過ごした方です。移民問題、戦争に対する立場が、トランプ政権とは根本的に相容れません。教皇は7月4日のアメリカ独立250周年の日に、ヨーロッパ最大級の移民流入地点であるイタリア領ランペドゥーザ島で過ごすと発表しました。これは強烈なメッセージです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">問題はトランプ陣営の本質にあります。スティーブ・バノンに代表されるトランプ周辺のイデオローグは、もともとローマ教皇庁を権威主義の象徴として敵視してきた。前教皇フランシスコの「引きずり下ろし」を画策した人物さえいます。エプスタイン文書の問題もそうですが、伝統的な権威――イギリス王室、ローマ教皇庁、こうした「歴史を持つもの」を根こそぎ打ち倒したいという衝動が、政権の取り巻きを動かしているのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">アメリカ建国わずか250年の国の大統領が、2000年の歴史を持つカトリック教会のトップに頭ごなしの態度を取れば、こういう結末になります。世界の道徳的指導者がトランプ政権と距離を置くという事実そのものが、アメリカの国際的孤立を象徴していると私は見ています。</span></p>
<h4><b>ハンガリー政変：オルバン16年支配の終焉</b><b>── ペーテル・マジャル率いるティサ党が地滑り的勝利、JDバンスのテコ入れも空振り</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">4月12日に行われたハンガリー総選挙で、ペーテル・マジャル氏率いる中道右派・ティサ党が199議席中138議席を獲得し、3分の2の絶対多数を確保しました。長年首相を務めてきたヴィクトル・オルバン氏のフィデス党は55議席に転落し、オルバン氏自身が敗北を認めました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私はこの結果は当然だと思います。10数年続いたオルバン政権は、近年すっかり人気を失っていました。経済の停滞、生活費の高騰、政権周辺のオリガルヒ化――どれをとっても国民の不満は限界に達していたのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">投票直前にはJDバンス副大統領がブダペストに乗り込んでオルバンの応援に入り、「ブリュッセルの官僚」を批判してみせ、トランプ大統領も「経済力でハンガリーを支援する」と援護射撃しました。しかし、これは完全に裏目に出ました。今ヨーロッパでトランプ政権ほど嫌われている存在はないのです。バンス氏はそのことを理解せずに乗り込み、結果としてオルバン陣営にとってマイナスにしか働かなかった。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">オルバン政権の退場は、EUにとって極めて重要な意味を持ちます。これまでオルバンの拒否権によってブロックされていたウクライナへの900億ユーロ規模の支援が動き出す可能性が出てきたからです。プーチン氏にとってEU内最大の盟友を失うことになり、欧州の右派ポピュリズムの旗手も一人退場する。マジャル新政権が反汚職改革と司法独立の回復をどこまで実行できるか、今後の焦点になっていくでしょう。</span></p>
<h4><b>ベトナム、トーラム氏が国家主席を兼任、権力集中の懸念</b><b>── 集団指導体制から「一人体制」へ、油の乗った経済を失速させないために</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">ベトナム国会は4月7日、共産党書記長のトーラム氏を国家主席に選出しました。68歳のトーラム氏は党のトップと国家元首を兼任することになり、これは建国の父ホー・チ・ミン以来という極めて異例の人事です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ベトナムは今、まさに油の乗った時期に差しかかっています。あらゆる産業が前向きに動き出し、中部のダナンやホイアンを中心に観光業も賑わいを取り戻している。新政権は今後5年間、年率10%以上の経済成長を目標に掲げ、低コスト製造業中心のモデルから高付加価値産業への転換を急ぐとしています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ただ私が心配しているのは、集団指導体制から一人への権力集中という点です。トーラム氏個人について悪い噂は今のところ聞きませんが、権力の集中はいずれ問題を引き起こすものです。中国の習近平国家主席の3期目、トルコのエルドアン大統領、いずれも当初は「やり手」と評価されていた人物が、長期化するにつれて統治が暴走していった例です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ベトナムは今後3年、4年、5年と経つうちに、トーラム体制の弊害が出てくる可能性があります。特にタイのように観光業に大きく依存する国は、ちょっとした政情不安ですぐ観光客が逃げ出します。せっかく勢いに乗ってきたベトナム経済を、トーラム書記長の独走で失速させないでほしい。これが今の私の率直な願いです。</span></p>
<h4><b>Anthropic「Cowork」がSaaS業界を直撃</b><b>── クロードの新ツールで米IT大手の株価が軒並み下落、AI時代の業務再定義</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">アメリカのAnthropic社は4月9日、事務作業を自動化する新ツール「Claude Cowork」を有料プラン全般で一般提供開始しました。これは資料作成やデータ分析を対話形式でAIに指示できるサービスで、エンジニア以外の知識労働者、つまりマーケティング、財務、法務、オペレーションなどの「コアではないが時間を奪う仕事」を肩代わりするのが狙いです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">発表を受けて、ニューヨーク市場ではセールスフォースやインテュイット、米国にとどまらずインフォシスやTCSといったインドのITサービス大手まで、いわゆるSaaS銘柄の株価が軒並み下落しました。中には昨年末比で半値近くまで売り込まれた銘柄もあります。日本のNECなど主要IT企業の株価も2割から3割下落しました。中東情勢を受けたエネルギー価格高騰でIT投資自体が縮んでいることも背景にあります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私が注目しているのは、ホワイトカラーの「ブレイン業務」がついに直接的にAIに代替されつつあるという事実です。これまで「人にしかできない」とされてきた専門業務が、対話一つで相当のレベルまでこなされてしまう。SaaSというビジネスモデル、つまりサブスクリプションでソフトウェアを売り続けるという発想そのものが、根本から問われ始めています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">Anthropicはもともと、OpenAIから主義主張の違いで分かれた会社です。両社の企業価値はOpenAIが倍ほど大きいのですが、Anthropicも急速に伸びています。日本のIT業界、特にSIerと呼ばれる業務委託型のソフト開発会社にとって、これは他人事ではありません。AIを使う側に回れる人材を急いで育てなければ、日本のIT産業はあっという間に存在意義を失う恐れがあります。</span></p>
<h4><b>鄭麗文KMT主席の「やりすぎ訪中」</b><b>── 習近平との10年ぶり会談、孫文陵参拝と日本批判が招いた台湾世論の警戒</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">台湾の最大野党・国民党(KMT)の鄭麗文主席が中国を訪問し、4月10日に北京の人民大会堂で習近平国家主席と会談しました。中国共産党と国民党のトップ同士の会談は実に10年ぶりです。鄭氏は会談に先立って南京の孫文陵を参拝し、その後の演説で日本の植民地支配を強く非難しました。習氏は「両岸は一つの中国に属する」と強調し、両党は「祖国統一と民族復興」を目指すべきだと述べました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私から見ると、習近平にとって台湾を香港のように「戦争ではなく取り込む」唯一の希望が国民党です。これまでも連戦氏や馬英九氏が訪中するたびに大歓迎してきました。今回も同じパターンで、現在の民進党政権を揺さぶるカードとして鄭主席を活用したわけです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ただ、鄭主席は今回少しやりすぎました。習近平が好む言葉である「中華民族の偉大な復興」「両岸一家」をそのまま並べて見せたうえ、日本を80年前の戦争を引き合いに執拗に批判した。これは台湾世論にとって逆効果です。台湾の世論調査では、自分を「台湾人」と認識する層が年々増え続けており、「中国人でもあり台湾人でもある」と答える層は減り続けています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">つまり今の台湾の有権者の多くは、鄭主席の中国寄り発言に対して「やりすぎだ」と感じるはずです。今回の訪中は、習近平との蜜月を演出することには成功しましたが、政治的には国民党にとってマイナスだったと私は判断しています。むしろ次の選挙で警戒されることになるでしょう。</span></p>
<h4><b>ビル・アックマンによるユニバーサルミュージック10兆円買収提案</b><b>── 寝ていたと思われた著名投資家が動き出した音楽業界の地殻変動</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">アメリカのヘッジファンド、パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントは4月7日、ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)に対して総額約644億ドル(およそ9兆〜10兆円)規模の買収を提案したと発表しました。著名投資家ビル・アックマン氏率いるパーシング・スクエアは2021年からUMG株を保有しており、今回の提案では既存株主に1株あたり30.40ユーロ、これは直近終値に対して78%のプレミアムが乗った金額です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">アックマン氏といえば、しばらく目立った動きがなく、私も「ああ、寝てるのかな」と思っていたところでした。それがいきなり10兆円規模の買収提案に出てきた。「やっぱり起きていたのか」というのが正直な感想です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">UMGの株価は本業の音楽事業の業績とは無関係な要因で低迷していました。フランスのボロレ・グループが18%の株を保有していること、米国上場が延期されていることなど、株価を抑え込んでいた要因があり、アックマン氏は「これらはすべて今回の取引で解決できる」と語っています。買収後はオランダのアムステルダム上場をニューヨーク証券取引所に移す計画です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">メディア・音楽業界全体を見ると、ネットフリックスの強さが突出しており、ウォルト・ディズニー、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー、パラマウント・スカイダンス(ラリー・エリソンの息子デイビッド・エリスンが買収)など、業界再編が一気に進んでいます。その中でUMGという巨大な音楽資産を10兆円で取りに行くというのは、なかなかの賭けです。アックマン氏自身もこの一手で改めて存在感を示せるでしょう。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2025年4月12日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
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		<title>KON1126：トランプ「勝利宣言」の虚構・タングステン危機・ペロブスカイトの敗北</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5535/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 09 Apr 2026 01:54:55 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[トランプの「勝利宣言」──勝っているなら、なぜまだ戦争を続けるのか 4月2日、トランプ大統領は国民向け演説で、対イラン軍事作戦について「圧倒的な勝利」を強調しま &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b>トランプの「勝利宣言」──勝っているなら、なぜまだ戦争を続けるのか</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">4月2日、トランプ大統領は国民向け演説で、対イラン軍事作戦について「圧倒的な勝利」を強調しました。イランの海軍・空軍は壊滅し、ミサイル能力は破壊され、核兵器開発の道は断たれたと主張しています。そして「2〜3週間以内に作戦を完了させる」意向を示しました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし、勝っているのであれば、なぜまだ戦争の継続を語らなければならないのでしょうか。イランのアラグチ外相は「少なくとも6ヶ月の戦闘に備えている」と明言しています。トランプ氏の発言はこの1週間で完全に迷走しており、「イランを石器時代に戻す」と言ったかと思えば、「責任者を呼べ」と叫び、その責任者が誰なのかさえわからない状態です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">米国内の専門家からも懸念の声が出始めています。F-15やA-10といった米軍機が撃墜され、パイロットの救出に手間取るなど、「圧倒的勝利」とはほど遠い現実が明らかになっています。アマゾンやオラクルなど米IT大手の中東拠点がイランの攻撃対象になっているという報告もあり、経済面での打撃も深刻化しています。</span></p>
<h4><b>カーグ島占領論の危うさ──イラン原油の90%が集中する島を狙う狂気</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">トランプ大統領は3月29日、イランの原油輸出拠点であるカーグ島を制圧する可能性に言及しました。イラン産原油の90%がこの島から輸出されており、ここを抑えればイランの経済を窒息させられるという算段です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし私は、仮にカーグ島を占領したとしても、その先に待つのは地獄だと考えます。イランは自国の施設を破壊してでも抵抗するでしょうし、駐留する米軍を殲滅するために全力を尽くすはずです。これは陸上戦を意味し、トランプ氏が通常ならやらないようなことですが、今は追い詰められているだけに、やりかねません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">イランは世界第4位の原油埋蔵量を持ち、人口も約9000万人を擁する大国です。カーグ島を潰しても他の油田は残りますし、陸上輸送で対象国に供給することも可能です。壊滅的ではあっても致命的ではない。トランプ氏が「簡単に占領できる」と言うのは、イラクやアフガニスタンと同じ過ちを繰り返す前兆にしか見えません。</span></p>
<h4><b>ホルムズ海峡と日本のエネルギー政策──「170円に抑える」は合理的でない</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">高市首相は国民への節電要請について「あらゆる可能性を排除しない」と述べ、需要抑制策の可能性を示唆しました。一方、EU加盟国のうち10ヶ国以上がすでに燃料税の一時引き下げに踏み切っています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし、私に言わせれば高市首相のリスク認識は完全に甘い。ホルムズ海峡が通れず、石油の90%がそこを経由する日本にとって、これは選挙前の「市民サービス」で済む問題ではありません。ガソリン価格を170円に設定するなど、非合理としか言いようがない。日本は石油を一滴も産出しないのに、世界最大の産油国であるアメリカよりも安い価格で売ろうとしている。ドイツは日本の2倍以上、フランスやイタリアも軒並み高い。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかも、たとえホルムズ海峡を通過できるようになっても、湾岸の輸出施設はすでに破壊されています。カタールのLNG施設の復旧には1〜2ヶ月、長ければそれ以上かかります。これは短期的な問題ではありません。国民に対して本当のことを伝え、エネルギーを大幅に節約する覚悟を求めるべきです。値上げこそが最も合理的な消費抑制策なのです。</span></p>
<h4><b>タングステン危機──中国依存の「見えない急所」が露呈した</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">今回のニュースで多くの方がご存じなかったであろうトピックが、タングステンの供給危機です。タングステンは融点が最も高い金属で、その炭化物にコバルトなどを混ぜると超硬合金になります。工作機械の切削工具や砲弾の芯材など、産業と軍事の両面で不可欠な素材です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">このタングステンの価格がわずか4ヶ月で3倍に高騰しました。供給の大部分を中国が握っており、モリブデンやロジウムなど関連レアメタルも同様に不足しています。中国以外ではベトナムやロシアに若干の埋蔵量がありますが、代替調達は容易ではありません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">タンガロイのような超硬合金メーカー、そして工作機械全般がこの影響を受けます。機械加工、研磨、切削──日本のものづくりの根幹を支える素材が、中国の手の中にあるという事実に、私たちはもっと危機感を持つべきです。少なくとも3年分の備蓄を国内に持っておかなければ、中国に首根っこを掴まれたままになります。レアアースだけでなく、タングステンの備蓄戦略を今すぐ議論すべきです。</span></p>
<h4><b>米国防予算240兆円の非現実性──日本の国家予算2年分が「軍事費」に消える</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">米国の2027年度国防予算が過去最高の約240兆円に達する方針が明らかになりました。前年比42%増という数字は、冷戦時代のレーガン政権の増加幅すら上回ります。トランプ政権のミサイル防衛システム「ゴールデン・ドーム」などの新規プログラムも含まれています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">これは日本の国家予算のまるまる2年分に相当します。日本の防衛予算が5兆円から10兆円へ、GDP比5%にしたとしても25兆円ですから、少なくとも10倍の規模です。「世界最強」を何度も連呼しながら、他のあらゆる予算を削ってまで軍事費だけを積み上げていく。正気の沙汰とは思えません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">NATO諸国にもGDP比5%の防衛費を求めており、これが実現すれば世界全体の軍拡が加速します。議会が否決する可能性はありますが、上下両院とも共和党多数の「トリプルレッド」状態では、通ってしまう危険性も否定できません。</span></p>
<h4><b>台湾の原発再稼働と国民党訪中──「台湾人意識」の高まりと習近平の焦り</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">台湾当局が原子力発電所の2028年再稼働を検討していることが明らかになりました。AI半導体産業の電力需要急増とエネルギー供給への懸念が背景にあります。台湾は脱原発政策で2025年に原子力をゼロにしましたが、石炭依存度が高く、CO2問題もあり、原発再稼働に舵を切らざるを得ない状況です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">一方、中国共産党は3月30日、台湾最大野党の国民党・鄭麗文（テイ・レイブン）主席と習近平主席が会談したと発表しました。2016年以来の党首級会談で、経済交流の拡大と大統領選を見据えた動きです。習近平は日々台湾を取り込もうとしていますが、なかなか思い通りにはいきません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私が注目しているのは台湾のアイデンティティの変化です。「自分は台湾人だ」と考える人が圧倒的に増えています。李登輝の時代に私が提案した「本省人・外省人の区別をやめ、全員を台湾人とする」戸籍改革はまだ実現していませんが、実態としてはその方向に進んでいます。「本土籍」という区分が残っている限り、「いつか大陸に戻って全部取り戻す」という建前が消えません。ここが大きな問題です。</span></p>
<h4><b>ペロブスカイト太陽電池──桐蔭横浜大学発の技術が中国100社に奪われる構図</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">ペロブスカイト型太陽電池の開発競争で、中国企業100社以上が参入していることが明らかになりました。中国のスタートアップがすでに世界初のギガワット級生産拠点を稼働させ、昨年11月には世界最高の変換効率を持つ市販品を開発しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">この技術は桐蔭横浜大学の研究者が開発しました。ところが、費用や手間の問題で特許を出願せず、中国が自由に技術を活用できる状況になり、今や開発競争で日本を圧倒しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">曲げられる、変換効率が高い、製造コストが安い──次世代太陽電池の本命と目されるペロブスカイトですが、開発のスピードと規模で中国に太刀打ちできていません。日本発の技術がまたしても中国に持っていかれるという、何度目かの悲劇が繰り返されています。</span></p>
<h4><b>韓国コスメの躍進と資生堂の苦境──SNS時代のブランド戦略の明暗</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">韓国の化粧品輸出が過去最大を記録し、初めて中国を抜いて米国が最大の輸出先となりました。TikTokやInstagramでのインフルエンサーが「保湿力が高い」「肌に優しい」と拡散したことが爆発的な成長の原動力です。アモーレパシフィックをはじめとする韓国企業がSNSマーケティングで世界市場を席巻しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">一方、資生堂はこの波に完全に乗り遅れました。従来のフランス型・アメリカ型のブランド投資──高額な広告費をかけてブランドイメージを構築する手法──に頼り続けた結果、SNS時代の「インフルエンサーが一言いえば売れる」というスピード感についていけなくなりました。中国市場でもシェアを落としています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">問題は、インフルエンサー頼みのマーケティングは、ブランドへの持続的な投資がないまま一瞬で消えるリスクもあるということです。</span></p>
<h4><b>オムロン電子部品事業のカーライル売却──「ノウハウなき買い手」への懸念</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">大手電機メーカーのオムロンが、電子部品事業を米カーライル・グループに810億円で売却すると発表しました。対象事業の従業員は約6500人。中国企業との競争激化で業績が低迷する中、カーライルの支援で成長を目指すとしています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私はオムロンの創業者・立石一真さんと50年前からの付き合いがあり、スイッチ・タイマー・リレーという電子部品の世界をよく知っています。かつては世界トップの圧倒的な強さを誇っていましたが、中国に一つずつ奪われ、今や利益がほとんど出なくなりました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">問題はカーライルにこの事業のノウハウがあるかどうかです。私にはないと思います。カーライルは買収資金は持っていますが、電子部品事業の知見はない。4〜5年以内に「出口」を求めるのが投資ファンドの常であり、その時に中国企業に投げ売りされる可能性は十分にあります。オムロンにとっては810億円が手元に入りますが、日本のスイッチ・タイマー・リレー産業がそのまま中国に移転するリスクを考えると、手放しでは喜べません。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2025年4月5日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" loading="lazy" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
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			</item>
		<item>
		<title>KON1125：4000キロ弾道ミサイル・エネルギー備蓄の限界・NEC世界首位の皮肉──日本の”持ち腐れ”体質を撃つ</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5518/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 02 Apr 2026 01:07:37 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[ イランの長距離ミサイル発射──4000キロの射程が欧州を震撼。ディエゴガルシア基地への攻撃が示す「想定外の脅威」 イランが3月20日、インド洋のディエゴガルシ &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b> イランの長距離ミサイル発射──4000キロの射程が欧州を震撼。</b><b>ディエゴガルシア基地への攻撃が示す「想定外の脅威」</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">イランが3月20日、インド洋のディエゴガルシアにある米英共同基地に向け、射程約4000キロの中距離弾道ミサイル2発を発射しました。1発は迎撃され、もう1発は途中で墜落し攻撃は失敗に終わりましたが、問題はその「射程」にあります。イランはこれまで弾道ミサイルの射程を2000キロに自主規制してきたとされており、4000キロという数字はイギリスやフランスなど欧州の主要都市が射程圏内に入ることを意味します。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">欧州各国にとってこの衝撃は計り知れません。これまでイランのミサイルは「中東地域の問題」という認識でしたが、それが一夜にして自国の安全保障に直結する脅威へと変貌したのです。攻撃そのものは不成功に終わりましたが、イランが4000キロ級の兵器を開発しているという事実こそが、安全保障上の前提を根本から揺さぶる出来事です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ディエゴガルシアはB-2ステルス爆撃機やB-52戦略爆撃機を運用できる米軍の戦略的要衝であり、ここを狙うことはイランにとって「米軍の安全圏はもはや存在しない」というメッセージの発信でもあります。技術的な精度はまだ未成熟であっても、この「到達能力の誇示」が持つ地政学的インパクトは極めて大きいと言わざるを得ません。</span></p>
<h4><b>トランプの「夢遊病」──停戦交渉の一人芝居と責任転嫁</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">トランプ大統領はイランとの戦闘停止に向けた協議が「生産的だった」として、イランの発電所への攻撃を5日間延期すると発表しました。しかし、私にはこの停戦協議そのものが行われていないように見えます。パキスタンのシャリフ首相が仲介に動いてはいますが、正式な交渉とは言い難い状況です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">当初「48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければ発電施設を攻撃する」と最後通牒を突きつけたはずが、それが5日間に伸び、さらに延びていく。これは彼の「一人芝居」に過ぎません。陸上作戦の準備に時間を稼いでいる可能性もありますが、停戦に向けた実質的な進展があるとは考えにくいでしょう。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">さらに問題なのは責任転嫁です。トランプ氏は対イラン軍事作戦を最初に支持したのはヘグセス国防長官だったと示唆し始めました。しかし実態は、娘婿のジャレッド・クシュナーが「今やればすぐ終わる」と助言したことがきっかけだったとされています。泥沼にはまった結果、秋の中間選挙に不利だと気づき、誰かに責任をなすりつけようとしている。「戦争をしない大統領」を公約したはずの人物が始めた戦争の代償は、想像以上に重いものになりつつあります。</span></p>
<h4><b>ホルムズ海峡封鎖とエネルギー危機──日本は「我慢」と「節約」で乗り切るしかない</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">ホルムズ海峡の通航リスクが高まる中、日本のエネルギー自給の限界が改めて突きつけられています。しかし、ここで原発再稼働に舵を切ったところで、実際に動くまでには5年、6年とかかります。福島第2原発は物理的には稼働可能でも、福島県民がOKする可能性はほぼゼロです。青森県の東通原発も建設途中で止まったまま。再生可能エネルギーも建設に同程度の時間がかかります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">したがって、今回は「油が来なければ来ないなりに我慢する」しかありません。夏の甲子園を中止する、東京タワーのライトアップをやめる、冷房を27度で我慢する──コロナ禍で夜8時閉店をやったのと同じことです。今あるエネルギーを倍持たせるよう節約を徹底すれば、十分に耐えられるはずです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">政府がガソリン価格を170円に抑える補助金を再開するという話がありますが、これはIEA（国際エネルギー機関）が呼びかけている消費抑制策とは完全に矛盾します。供給不安の局面で消費を喚起する政策は間違いです。自然な価格に委ね、高ければ高いなりに節約する。それが合理的な対応です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">もう一つ重要なのは、フィリピンやベトナムへの支援です。これらの国は石油備蓄がほとんどなく、すでにパニック状態に陥っています。日本の254日分の備蓄のごく一部を回すだけで大きな助けになります。アジアにおける日本の役割として、ぜひ検討すべきだと考えます。</span></p>
<h4><b>湾岸の生産基地が破壊されている──ホルムズ解放後も供給は戻らない</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">シェルのサワンCEOが、カタールのエネルギー施設の修復におよそ1年かかるとの見通しを示しました。エクソンモービルも、カタールに権益を持つLNG輸出基地の復旧に最大5年かかると言っています。これは、仮にホルムズ海峡が通れるようになったとしても、湾岸の生産基地そのものがイランの攻撃で破壊されており、供給力自体が落ちているということを意味します。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私たちは「海峡が通れるかどうか」ばかりに注目しがちですが、向こう側で生産設備がやられているという事実こそがより深刻な問題です。LNGについては、日本はかつてカタール一辺倒だったものが今は調達先をかなり多様化しているため、まだ対応の余地はあります。しかし石油については依然として湾岸からの調達に頼らざるを得ず、急遽、南米あたりからの調達を考える必要があります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">この状況は、エネルギー安全保障における「調達先の多様化」がいかに重要かを改めて突きつけています。海峡の開放だけでは問題は解決しない──この認識を持つことが、今後の政策判断の出発点になるべきです。</span></p>
<h4><b>福島原発3号機のドローン調査──「チャイナシンドローム」が現実に</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">東京電力が福島第1原発3号機の格納容器内を小型ドローンで撮影した映像が公開されました。事故後初めて確認されたのは、鋼鉄製の圧力容器底部に開いた大きな穴です。溶融した核燃料がテーブルを突き破り、さらにその下のコンクリートまで溶かしていたことがわかりました。これはまさに、かつて映画にもなった「チャイナシンドローム」の現実版です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">東電は今後、デブリ取り出しの方法を検討するとしていますが、880トンものデブリを数グラムずつ削って取り出すなど、現実的に不可能です。あれはあのまま固めるしかないと考えます。東電が約束している「2051年までに全て取り出して更地にして大熊町と双葉町にお返しする」という計画は、今回のドローン調査で「思ったよりもひどい状況」であることが判明した以上、撤回すべきです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私は基本的に原子力の人間ですが、この業界には嘘つきが多いと言わざるを得ません。「絶対安全」と言わなければ建てさせてもらえないから「絶対安全」と言う。確率の議論ができない日本の原子力行政の構造的問題は、事故から15年経った今もまったく解消されていないのです。</span></p>
<h4><b>イタリアに輸出で抜かれた日本──「地方創生」の本質はブランド力にある</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">OECDの統計によると、2025年第3四半期にイタリアの輸出額が日本を上回り、イタリアは世界第4位の輸出国となりました。仏『Les Echos』紙をはじめ各紙がこの逆転を大きく報じています。10年前は世界7位だったイタリアが、人口3倍の日本を追い抜いたのです。その強さの源泉としてよく挙げられるのは、高級ブランドやワイン、チーズなど価格競争に巻き込まれにくい高付加価値製品です。しかし、私の見解は少し異なります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">イタリアの本質的な強みは、国内に約140の「産業集積地区（ディストレット）」が存在し、それぞれが世界市場と直接取引していることにあります。トスカーナのワイン、ビエッラのウール・繊維、カルピのニットウェア、パルマ近郊のプロシュートとパルミジャーノ・レッジャーノ、コモ湖畔のシルク産業──地域ごとの専門特化した中小企業群が、強力な輸出競争力を支えています。これは都市国家の伝統に根ざした「1つの地域＝1つの産業＝世界市場」という構図であり、『Les Echos』も指摘するように、地理的近接性がサプライチェーンの強靱性を高め、不安定な国際環境下でもイタリア企業の競争力を維持しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">翻って日本の地方創生はどうか。成功例として知られる徳島県上勝町の葉っぱビジネス（つまもの事業）は年商約2.6億円。大分県の一村一品運動は県全体で総生産額1,400億円に達したが、336品目に分散しており、個々のブランドが世界市場で独立して戦える規模にはなっていません。新潟の燕三条は金属加工で世界に通じるポテンシャルがありますが、品目やブランドが拡散して「一点突破」に至らない。福井の鯖江も眼鏡フレームで世界シェアの一角を占めながら、それ一筋で突き抜けられていない。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日本に欠けているのは、中央集権を脱して「自分の地域から世界へ」という発想の転換です。ローマ（中央政府）を嫌い、自分たちの街で世界と勝負する──イタリアの産業集積地区に流れるその精神にこそ、日本の地方創生が学ぶべき本質があります。</span></p>
<h4><b>NEC顔認証「世界首位」の皮肉──インドで使われ日本で使われない技術</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">NECの顔認証技術が、アメリカ国立標準技術研究所の性能試験で再び世界首位になりました。1200万人分の静止画テストで認証エラー率0.06%という驚異的な精度です。顔、虹彩、指紋、声、耳の音響──いずれの分野でもNECはトップクラスの技術を持っています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ところが、この世界最高の技術が日本のマイナンバーカードには使われていません。一方、インドでは14億人の国民ID「アドハー」に、10本の指と虹彩をNECの技術で認証するシステムが導入されています。しかもインドはそれを基盤に決済プラットフォームまで構築し、「21世紀型国家」へと進化しました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日本のマイナンバーカードは暗証番号が2つあって5年に1回変更が必要という、時代遅れのシステムです。問題の根っこは、住基ネットの時代に自治体ごとにベンダーが異なるシステムを作ってしまったことにあります。統一するとNECに全部持っていかれるのが嫌だと、他のベンダーが抵抗した結果が今の惨状です。アメリカ軍でさえNECの虹彩認証を採用しているのに、日本政府だけが使っていない。この恥ずかしい現実を、もっと深刻に受け止めるべきです。</span></p>
<h4><b>ソニー・ホンダのEV事業中止──「正しい質問」ができなかった悲劇</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">ソニーグループとホンダの合弁会社ソニー・ホンダモビリティが、EVの開発販売を中止すると発表しました。2022年の設立時には大きな期待を集めましたが、私はプレゼンを聞いた瞬間に「ダメだ」と思いました。彼らの発想が完全にフリーズしていたからです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">彼らのコンセプトは「レベル5の自動運転になれば運転しなくていい。だからリビングルームのようにスパイダーマンを見てプレイステーションで遊ぶ」というものでした。しかしそれなら自宅でやればいい話です。車は「動いている」のです。「動いている」ことの価値に対する問いかけがまったくなかった。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">例えば、動いているときにGoogleマップと連動させ、ルートセールスの営業マンが訪問先企業の最新情報をAIで準備する。ストリートビューから駐車中の車の車検期限を読み取り、切れる2ヶ月前に売り込む──セールスフォースオートメーション（SFA）と組み合わせれば爆発的な可能性があります。これが「正しい質問」の力です。「動いていることで何ができるか」と問えば、無限のアイデアが出てくる。「スパイダーマンとプレステ」で止まったのは、サラリーマン経営者の発想の貧困さを象徴しています。ソニーとホンダの組み合わせは、創業者がいた頃であれば面白かったかもしれません。</span></p>
<h4><b>三菱電機が中国ヒューマノイド企業に出資──「見てないで飛び込め」の実践</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">三菱電機が、中国のルーモス・ロボティクス・テクノロジーに出資する見通しが明らかになりました。ルーモスは2024年設立の新興企業で、製造業向け人型ロボットや作業データ収集技術に強みを持っています。三菱電機は自社のFA（ファクトリーオートメーション）機器と組み合わせ、工場の省人化・無人化を目指す方針です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">先月の講演会でも、ヒューマノイドの重要性を強調したところ「飛び込むしかない」とは言ったものの、実際にどう飛び込むのか難しいという反応が多くありました。その意味で、FA機器で十分な体力を持つ三菱電機が中国の新興企業に入っていったのは正解です。中国にはヒューマノイド関連企業が150社もあり、競争の真っ只中に入ることになります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日本企業の多くは「中国</span><span style="font-weight: 400;">企業との提携はリスクが高い</span><span style="font-weight: 400;">」と遠くから見ているだけです。しかし、200億円以下の時価総額の企業もまだ多く、投資の機会は十分にあります。三菱電機のこの動きが他の日本企業にとっても良い事例となることを期待しています。遠くから見ていないで、突っ込んでいくしかないのです。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2025年3月29日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" loading="lazy" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
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			</item>
		<item>
		<title>KON1124：イラン戦争泥沼化・日米首脳会談・EV戦略破綻  ──「トランプの戦争」に巻き込まれる日本のサバイバル戦略</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5514/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 26 Mar 2026 07:16:41 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[イラン戦争の泥沼化と「トランプの孤立」── 同盟国は背を向け、政権内部からも批判噴出。中間選挙への命取りとなるか イランへの軍事作戦が開始から3週間を迎え、事態 &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b>イラン戦争の泥沼化と「トランプの孤立」</b><b>── 同盟国は背を向け、政権内部からも批判噴出。中間選挙への命取りとなるか</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">イランへの軍事作戦が開始から3週間を迎え、事態は一向に収束の気配を見せません。ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続く中、トランプ大統領はNATOや日本など同盟国に艦船派遣を要請しましたが、各国は軒並み消極的な態度を示しました。すると一転して「支援は必要ない」と表明。翌日にはまた派遣を求めるという二転三転ぶりです。さらには「48時間以内にホルムズ海峡を全面開放しなければ、イランの発電所を攻撃し壊滅させる」と警告するに至りました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">韓国・中央日報は「アメリカではなくトランプの戦争」と題する記事を掲載し、同盟全体の合意に基づかない戦争に各国が背を向けた構図を描いています。中国は「自分で火をつけて、今になって世界中に火消しを求めている」と冷ややかに傍観しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">さらに深刻なのは、政権内部からの離反です。国家テロ対策センターのケント所長が「イランは差し迫った脅威ではない」と公言して辞任しました。ギャバード国家情報長官もアメリカとイスラエルの目標が異なると指摘し、トランプ氏が攻撃の根拠としてきた「差し迫った核の脅威」の存在を否定しています。これはイラク戦争でコリン・パウエルが「大量破壊兵器」のプレゼンを行い、後にそれが嘘だったと認めた構図と酷似しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">トランプ氏の支持率は低下を続けており、民主党支持者の74%が「非常に激しく不支持」と回答。原油価格の高騰がインフレを加速させれば、11月の中間選挙は苦戦必至です。この戦争は、アメリカ自身の足を食べるタコのような政策と言わざるを得ません。</span></p>
<h4><b>日米首脳会談：高市首相の「法律の範囲内」</b><b>── ホルムズ海峡護衛要請をかわした外交と、曖昧さが残した課題</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">高市首相は3月19日、ワシントンでトランプ大統領と首脳会談を行いました。冒頭で高市氏は「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだ」と述べました。多くのメディアは「無事に乗り切った」と評しましたが、果たしてそうでしょうか。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">最大の焦点はホルムズ海峡への艦船派遣要請でした。高市首相は「法律の範囲内でできることとできないことがある」と説明したとのことですが、茂木外務大臣が補足する場面もあったようです。日本の法律では紛争地域への艦艇や掃海艇の派遣はできないのですから、その点をはっきりと国民に向けて説明すべきです。「法律の範囲でできることをやります」では、何ができて何ができないのか、曖昧なままです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">一方、対米投融資の第二弾として約11兆円規模のプロジェクトが合意されました。日立製作所などが手がけるSMR（小型モジュール炉）に約6兆円、データセンター向けガス発電施設に約5兆円という内容です。しかし、日立がSMRを実際に作った実績はなく、利益が出なかった場合の負担者も不明確です。アラスカの原油パイプラインなど、完成まで10年はかかるプロジェクトが多く、その頃にはトランプ氏はいません。起承転結がまったくクローズしていない「怪しいプロジェクト」と言わざるを得ません。</span></p>
<h4><b>トランプの「真珠湾発言」とテレビ朝日記者の失態</b><b>── 話法に長けた大統領に切り返された日本メディアの英語力不足</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">日米首脳会談の冒頭で、トランプ大統領が放った「真珠湾発言」は大きな波紋を呼びました。テレビ朝日の記者がイラン攻撃を同盟国に事前通知しなかった理由を問うと、トランプ氏は「奇襲の効果を狙った。日本ほど奇襲（スニークアタック）をよく知っている国はないだろう。なぜ真珠湾攻撃を教えてくれなかったのか」と切り返したのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">これは100%、質問した記者の責任です。トランプ氏は話法に非常に長けた人物であり、こうした切り返しは彼の得意技です。もし記者が「ならばアメリカも同じ汚名を今後背負うのか」と返せれば合格でしたが、見事に切り返されてしまいました。高校1年生レベルの英語力では、トランプ氏のレトリックには太刀打ちできません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">興味深いのは、アメリカ側のメディアの反応です。米国の記者たちはむしろトランプ氏のこの下品な切り返しを厳しく批判する記事を多数書いています。日本の記者がバカな質問をしたことで、結果的に日本が辱められるという最悪の展開になりました。こうした場での発言は国益に直結します。英語力だけでなく、相手の話法を理解した上で戦略的に質問できる人材を送り込むべきです。</span></p>
<h4><b>ソフトバンク「80兆円」の大風呂敷</b><b>── 人類史上最大の投資計画、しかしビジネスプランは見えず</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">ソフトバンクグループの孫正義会長が、アメリカ・オハイオ州で約80兆円規模のAI向けデータセンター投資計画を発表しました。アメリカの閣僚も同席してのくわ入れ式が行われ、「人類史上最大規模の産業拠点」を目指すと大々的にアピールしています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし、トランプ第一期の時もインディアナ州でくわ入れ式をやっていたことを覚えている人がどれだけいるでしょうか。あの計画がどうなったか、もう誰も覚えていません。日経新聞がついに「孫正義大風呂敷」と見出しに書いたのは、象徴的です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">問題は、これだけの巨額投資に見合うビジネスプランがまったく見えないことです。データセンターを作ったとして、ユーザーはどこにいるのか。完成してからどのように利益を出すのか。パートナー企業も未確定のまま、でかい数字だけが先行しています。アメリカ側は雇用創出につながるので歓迎していますが、投資のリスクを負うのは日本側です。孫氏はテレビのディレクター出身者のように、その瞬間のインパクトで勝負する人です。しかし経営は瞬間芸ではありません。</span></p>
<h4><b>ホンダ6900億円の赤字：EV戦略転換の手遅れ</b><b>── トヨタのハイブリッド戦略が正解だった理由と、日産・ホンダの根本的な違い</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">ホンダが2026年3月期の連結決算で最大6900億円の赤字になる見通しを発表しました。EV需要の鈍化を受けた資産減損と開発中止に伴う損失が主因です。三部社長は「2040年までにEVとFCVの販売比率100%」の目標について「現実的に達成困難」と認めました。しかし「達成困難」ではなく「方向転換する」とはっきり言うべきです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">結果論ではありますが、トヨタのハイブリッド戦略が正解でした。同じ1リッターで30キロ走れるハイブリッド車に対し、EVは走行時こそクリーンですが、電気そのものが石炭火力で作られていれば、CO2の総排出量はむしろ多くなります。補助金ありきのEV普及策の欠陥に、もっと早く気づくべきでした。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">欧州主要自動車メーカー6社の決算でも、ステランティスなど3社が最終赤字に転落し、損失総額は約6兆7000億円に達しました。世界的なEV需要の低迷が各社を直撃しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ここで重要なのは、日産とホンダの問題は根本的に異なるという点です。日産はカルロス・ゴーン氏のアメリカ偏重戦略が日本市場を失わせた「ゴーン後遺症」です。一方、ホンダは「ホンダにあらざれば人にあらず」という企業文化から、どの会社と組んでもうまくいかないという体質的な問題を抱えています。ホンダの救いは二輪事業の利益です。オートバイがなければ、もっと深刻な状態だったでしょう。</span></p>
<h4><b>EU「原発は戦略的に正しかった」フォンデアライエン委員長の方針転換</b><b>── 福島後の脱原発路線を「誤り」と認め、SMR推進へ舵を切る欧州</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">EUのフォンデアライエン委員長が、「欧州が原発から距離を置いてきたことは戦略的な誤りだった」と明言しました。福島第一原発事故後、欧州各国は脱原発に舵を切りましたが、再生可能エネルギーのインフラ整備が追いつかず、ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー不足が深刻化した現状を踏まえたものです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">フランスは何があっても原発路線を貫いてきましたが、ドイツは脱原発を決断し、その結果エネルギー供給の脆弱さが露呈しました。イギリスは国民投票で原発再開のコンセンサスを得ています。欧州全体で見ると、再生可能エネルギーは確かに増えていますが、風力が中心で、原発の比率低下分を完全には補えていません。CO2を出す石油・石炭は減少傾向にあるものの、原発がかつてのように30%程度に戻れば、エネルギーミックスはかなり安定します。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">フォンデアライエン委員長はSMR（小型モジュール炉）の導入を推進する方針を示しました。比較的短期間で小規模なものを多数設置できるSMRは、大型原発に比べて立地の柔軟性が高く、段階的な導入が可能です。EUは今後、原発を低炭素電源と位置づけ、産業競争力の回復とエネルギー安全保障の強化を両立させる戦略をとることになります。エネルギー政策における現実主義への回帰と言えるでしょう。</span></p>
<h4><b>イギリス解体の予兆：ウェールズ独立派が首位に</b><b>── スコットランドに続きウェールズも。ブレグジットが招く「イングランド・アローン」</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">イギリスの調査会社ユーガブの世論調査で、ウェールズ議会選において地域政党ブライド・カムリ（ウェールズ党）の支持率が37%で首位となりました。反移民のリフォームUKが23%で2位、労働党と保守党はともに10%に沈んでいます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">これは重大な変化です。ユナイテッド・キングダムはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4地域で構成されていますが、スコットランドの独立運動はすでに長い歴史があります。それに加えてウェールズでも独立志向の政党がトップに立ったことは、UKの解体リスクが現実味を帯びてきたことを意味します。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ブレグジットの日にBBCに出演して「このまま行けばイングランド・アローンになる」と指摘した時、イギリスの司会者には一笑に付されましたが、今やブレグジットは間違いだったと考える国民が6割に達しています。スコットランドが独立すればEUに再加盟を申請し、ウェールズもほぼ同時に動くでしょう。北アイルランドはアイルランドとの統合を望んでいます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日本企業にとって見逃せないのは、日産以外の日本企業の多くがウェールズに進出しているという事実です。ソニーもパナソニックも拠点を置いており、ウェールズは日本企業と非常に相性がよい地域です。ウェールズの独立が現実になれば、日本の製造業に直接的な影響が及びます。この動きはしっかりと注視しておく必要があります。</span></p>
<h4><b>レアアース国産化は「経済的に非合理」</b><b>── コスト20倍の深海採掘に3400億円、中国に市場で潰される構造を見よ</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">南鳥島沖のレアアース開発について、供給網整備の総投資額が約3400億円に上る見通しが報じられました。1トンあたりの生産コストは約1100万円と、中国の約20倍です。国内需要の約1割を供給できる計算ですが、これは経済的には非合理な計画です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">企業戦略の立案家として断言しますが、やめるべきです。コストが20倍のものを苦労して高い施設を作り、運んできて売り始めた瞬間に、中国は輸出制限を解除して安い価格で大量供給に転じるでしょう。競合を潰すのは企業戦略の基礎中の基礎です。今は意地悪をして輸出を絞っていますが、それは日本にバカな投資をさせるための罠とも言えます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">レアアースは世界中に存在します。チリ、オーストラリア、アフリカなど、中国以外の国々が参入し始めています。放っておいても供給源は多様化していきます。日本がやるべきは、深海5600メートルから莫大なコストをかけて引き上げることではなく、都市鉱山の活用です。パソコンやスマートフォンを解体し、中に含まれるレアアースを回収する方が、はるかに合理的です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">学者はこうした採掘プロジェクトをやりたがりますし、役人は予算を確保したがります。しかし、3400億円もの税金を投じて、中国に市場で叩き潰される未来が見えている事業に手を出すべきではありません。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2025年3月22日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" loading="lazy" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
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		<title>KON1123：イラン危機・トランプ迷走・エネルギー問題──「頼れるアメリカ」なき時代に日本はどう生き残るか</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5504/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 19 Mar 2026 00:44:59 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[イラン最高指導者の後継と体制の行方 ── 次男モジタバ・ハメネイ氏の選出は「革命防衛隊の傀儡」誕生か ハメネイ師の殺害を受けて、次男のモジタバ・ハメネイ氏が最高 &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b> イラン最高指導者の後継と体制の行方</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">── 次男モジタバ・ハメネイ氏の選出は「革命防衛隊の傀儡」誕生か</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ハメネイ師の殺害を受けて、次男のモジタバ・ハメネイ氏が最高指導者に選出されました。しかし私は、この人事の裏側を冷静に見極める必要があると考えています。モジタバ氏は保守強硬派として知られ、革命防衛隊もただちに忠誠を表明しましたが、宗教的権威の不足を指摘する声は根強いものがあります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">注目すべきは、モジタバ氏自身も爆撃を受けた場所にいたとされ、重傷との情報がある点です。私は「もしかしたら革命防衛隊がこの人をパペット（操り人形）として使っていく可能性がある」と見ています。イランの統治構造は、人民が選ぶ大統領と、宗教指導者が選ぶ最高指導者という二重構造になっており、革命防衛隊は通常の軍よりも巨大な存在です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">体制の安定は、この新指導者が自ら統治するのか、それとも革命防衛隊に操られるのかによって大きく左右されます。アメリカの情報機関もイラン体制が近い将来崩壊する兆しはないと分析しており、事態の長期化は避けられない見通しです。</span></p>
<h4><b> トランプ大統領の「夢遊病」──女子学校誤爆と迷走する指揮</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">── 170人以上の児童を殺害しながら謝罪なし、娘婿の助言で戦争を始めた大統領</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">イランへの攻撃において、アメリカ軍の巡航ミサイル「トマホーク」が女子小学校を誤爆し、児童を含む170人以上が死亡しました。これに対するトランプ大統領の対応は、私に言わせれば「夢遊病状態」としか形容できないものでした。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">当初トランプ氏は「イランが自爆した」と主張し、次に「イランのトマホークだ」と述べ、イランがトマホークを保有していないと指摘されると「よく知らなかった」と答えたのです。これは明らかに戦争犯罪であり、未だに謝罪していないという事実は深刻です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">さらに問題なのは、この攻撃がCIAなどの情報機関ではなく、娘婿のジャレッド・クシュナー氏の助言に基づいて決断されたという点です。クシュナー氏はイスラエルのネタニヤフ首相の情報を鵜呑みにし、「攻撃すればすぐに終わる」と報告したとされます。トランプ氏は今になって「あいつの言うことを聞きすぎた」と親子喧嘩を始めています。あらゆる情報組織を持つ大統領が、身内の助言だけで戦争を決断する──これが世界最大の軍事力を持つ国の現実なのです。</span></p>
<h4><b> ホルムズ海峡封鎖と原油危機──日本のエネルギー安全保障が試される</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">── 原油98ドル台、ガソリン200円超え、「数日で終わる」楽観論は完全に消えた</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ホルムズ海峡の事実上の封鎖により、原油価格（WTI先物）は一時110ドルに迫り、攻撃前から47%上昇しました。私がこの週末に訪れた長野県では、すでにガソリン価格が200円を超えていました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">もし海峡に機雷が敷設されたとしたら、その除去は大きな問題になります。「気合を入れて通ればいい」というトランプ氏の当初の発言がいかに非現実的だったかが明らかになりました。来週の高市首相訪米では日本への掃海艇派遣要請も予想されますが、日本は法律上、紛争地域に自衛隊を派遣できません。高市首相がトランプ氏に「戦争が終わった状況を作ってくれ」とうまく言いくるめることができるかどうか。ここが一つの鍵になります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">高市首相はガソリン価格を170円程度に抑える緊急措置を発表し、IEAも過去最大の4億バレルの備蓄放出で合意しましたが、いずれも短期的な対症療法に過ぎません。サウジアラムコのCEOが警告するように、封鎖の長期化は石油市場に壊滅的な影響を及ぼします。しかもアメリカは自国が産油国であるため、日本や韓国のような輸入依存国の窮状を真に理解していないのです。</span></p>
<h4><b> 原子力産業の崩壊──廃炉不可能・人材枯渇・柏崎刈羽の不具合</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">── MIT原子力工学科130人→17人の衝撃、「彼女にデートを断られる」産業の末路</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">原子力規制委員会の山中委員長が「住民の意見を聞きながら議論を進める」「2051年までの廃炉完了を貫徹してほしい」と述べましたが、私はこれを聞いて「この人は何もわかっていない」と断じざるを得ません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">原子炉の専門家として申し上げますが、福島第一原発のデブリ除去は不可能です。チェルノブイリでもスリーマイルでもデブリを取り除けた例はなく、唯一の現実的な解決策は、国が双葉町・大熊町・浪江町の土地を買い取り、デブリはそのまま封じ込めることです。住民の意見を聞いて解決する問題ではありません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">さらに深刻なのが人材不足です。私自身の体験をお話しします。1967年にMITの原子力工学科に入学した時は130人の学生がいました。しかしスリーマイル事故の後は17人にまで激減し、全員がアフリカからの国費留学生でアメリカ人はゼロになりました。なぜか。「原子炉をやっている」と言うと、彼女がデートしてくれないのです。「そんな衰退産業を勉強しているの？」と。これは笑い話ではなく、世界中で起きている現実です。柏崎刈羽原発6号機でも15年間停止していた配管系統の不具合が相次いでおり、巨大システムを長期間放置するリスクが顕在化しています。私が週刊ポストに書いた通り、そう簡単にはいかないでしょう。</span></p>
<h4><b> ロシア制裁の一時解除──「親分、何考えてるの」という同盟国の悲鳴</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">── ホルムズ封鎖の穴埋めにロシア産原油を許可する矛盾</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">アメリカ財務省が、ホルムズ海峡封鎖による原油逼迫を受けて、ロシア産原油への制裁を約1か月間一時的に解除すると発表しました。とんでもない話です。ロシアに対する制裁を言ったアメリカが、自分の引き起こした中東危機の穴埋めのために「ロシアのを買っていいですよ、一ヶ月だけは」と言っているのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">フランスやウクライナが「ロシアに莫大な資金が転がり込む」と猛反発するのは当然です。「親分、何考えてるの」というのが、同盟国の偽らざる気持ちでしょう。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ロシアの原油輸出データを見ると、ウクライナ戦争後に中国とインドがロシア産原油の購入を大幅に増やしている構図が見て取れます。EUが制裁で購入量を減らす中、その穴を埋めてきたのがこの両国でした。そこにアメリカまでが「都合によって買っていい」と言い出す。もう方針がないんじゃなくて、放心状態になっていると言うべきでしょう。同盟国を振り回しながら、自らのルールをも破る──この「日替わりメニューのトランプ」に引きずり回される世界の構図は、深刻というほかありません。</span></p>
<h4><b> AI兵器利用の現実──OpenAIとAnthropicの対立が映す倫理の境界</b></h4>
<p><i><span style="font-weight: 400;">── 国防総省がクロードを「こっそり使っていた」という不都合な真実</span></i></p>
<p><span style="font-weight: 400;">アメリカ国防総省がOpenAIと機密ネットワークでのAI展開契約を結んだことに対し、Anthropicのアモディ CEOが強く批判しました。Anthropicは「AIの乱用防止を重視したため、国防総省の取引を受け入れなかった」と説明しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし、現実はさらに複雑です。イスラエルとアメリカによるイラン攻撃においてAIが実際に使用されており、しかもAnthropicのクロードも使われていたことが後に明らかになりました。国防総省はトランプが「Anthropicは生意気だから使うな」と言っても、実際は使わないとダメだという状況なのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">これはAI倫理をめぐる根本的なジレンマを浮き彫りにしています。開発企業が軍事利用を拒否しても、政府機関が「こっそり」利用する。トランプ大統領が「使ったやつは懲罰だ」と言っても、現場は必要性から使い続ける。AIが戦争の道具として不可欠になりつつある現実の中で、技術と倫理の境界線をどこに引くのか。トランプさんも少しは目覚めてほしいところですが、この問いは軍事だけでなく社会全体に突きつけられています。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2025年3月15日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" loading="lazy" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
<p><span style="font-weight: 400;">─────────────────────</span></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>KON1122：カリスマの「絶対君主病」、買われる日本、そして失敗から学ばぬ国の行方</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5491/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 12 Mar 2026 04:47:17 +0000</pubDate>
				<guid isPermaLink="false">https://aoba-bbt.com/?post_type=ohmae_blog&amp;p=5491</guid>

					<description><![CDATA[イーメタンが拓く脱炭素の未来――都市ガス業界が賭ける次世代燃料 都市ガス大手がこぞってe-メタン（イーメタン）の調達先確保に動き始めました。e-メタンとは、CO &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b>イーメタンが拓く脱炭素の未来――都市ガス業界が賭ける次世代燃料</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">都市ガス大手がこぞってe-メタン（イーメタン）の調達先確保に動き始めました。e-メタンとは、CO2と水素を合成して作るメタンで、再生可能エネルギー由来の電力で製造すれば「カーボンニュートラルなガス」とみなされる次世代燃料の一つです。政府は2030年までに都市ガス供給量の約1%をe-メタンにするよう義務付ける検討を進めており、業界にとっては避けられない転換点が近づいています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私がこのニュースを見て感じるのは、「1%」という数字の持つ象徴的な重みです。現実的なインパクトとしてはわずかであっても、義務化によって業界全体が動き、技術・調達・インフラの整備が一気に進むという構造変化を引き起こす可能性があります。ゴミから燃料を作るSAF（持続可能な航空燃料）への義務付けをヨーロッパが進めているように、規制がイノベーションの呼び水になるケースは少なくありません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ただし、手放しで賞賛できるわけでもありません。e-メタンの製造コストはまだ高く、再エネ由来の水素を大量調達する体制も整っていない。「1%の義務化」が単なるノルマ達成に終わるか、産業構造の変革の起点になるかは、企業が本気でコスト競争力を追求するかどうかにかかっています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">脱炭素の文脈では、特定の技術に偏った「義務化」が非効率を生む危険性もあります。e-メタン一択ではなく、水素直接利用や電化との組み合わせを視野に入れた柔軟なエネルギーポートフォリオが求められます。今はまだ「種まき」の段階ですが、2030年に向けた動きをしっかり注視しておく必要があります。</span></p>
<h4><b>高島屋・700億円の特別損失が示す「不動産百貨店モデル」の限界</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">高島屋が2026年2月期の連結純損益見通しを、従来の130億円の黒字から一転して105億円の赤字へと大幅に下方修正しました。理由は2028年満期のユーロ円建て転換社債（CB）を自社で買い戻して償却するための712億円の特別損失です。投資家が社債を株式に転換して株式が希薄化するのを事前に防ぐ「攻めの損失計上」と報道され、本業の儲けを示す営業利益の予想は修正されていませんが、私はもう少し懐疑的に見ています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">高島屋は「半分が不動産会社」と言っても過言ではない企業です。新宿では敷地を開発して高島屋タイムズスクエアとして貸し出し、名古屋駅前でも一人勝ち状態が続いてきた。不動産収益で稼ぎながら百貨店を運営するこのビジネスモデルは、長年にわたり安定した収益の柱でした</span><span style="font-weight: 400;">が、</span><span style="font-weight: 400;">「高島屋モデル」の稼ぐ力そのものが、かつてほどの力強さを失いつつある可能性があります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">百貨店という業態が構造的に苦しい時代に、不動産モデルで補完してきた高島屋</span><span style="font-weight: 400;">でさえも</span><span style="font-weight: 400;">、いよいよビジネスモデルの本格的な再設計が必要な局面に来ているのかもしれません。「攻めの損失計上」という言葉を額面通りに受け取るのではなく、背景にある収益構造の変化を冷静に読む必要があります。</span></p>
<h4><b>ニデック・会計不正の深層――カリスマ経営者と「絶対君主病」の怖さ</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">ニデックの第三者委員会報告書が公表され、複数拠点での棚卸資産の過大評価や費用計上の先送りが認定されました。そして背景に「創業者・永守重信氏による業績目標達成への過度なプレッシャーがあった」と指摘されています。最大2500億円規模の減損損失という、その規模の大きさに改めて驚かされます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし、私はこの報告書の結論の立て方に違和感を覚えます。永守さんへの批判に終始し、彼の功績と問題を混同しているように見えるからです。永守氏がいなければ、ニデックはここまでの規模にはなり得なかった。M&amp;Aを繰り返しながらモーター事業を世界トップに育てた経営手腕は本物です。その点は公正に評価しなければなりません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">問題の本質は「永守氏個人の人間性」ではなく、「絶対君主を生み出した組織構造」にあります。トップが強力であればあるほど、周囲はイエスマンで固まり、内部からの異議申し立てが機能しなくなる。これはカトキチのうどん事業でもスルガ銀行でも見られたパターンです。そして今、トランプ大統領を見れば同じ構図が国家レベルで展開されていることがわかります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">今後の日本企業に必要なのは、カリスマ創業者を排除することではなく、カリスマ経営者でも「一時停止」をかけられる独立した牽制機構を整備することです。社外取締役がイエスマン化していては意味がありません。会社の中で「それはおかしい」と声を上げられる雰囲気と仕組みこそ、真のコーポレートガバナンスです。</span></p>
<h4><b>スペースワン3度目の失敗――「新しい知見」だけでは次に進めない</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">宇宙スタートアップのスペースワンが小型ロケット「カイロス3号機」の打ち上げに失敗しました。2024年の初号機・2号機に続く3度目の失敗です。スペースワンの関係者は「新しい知見を蓄積できた。4回目に挑戦したい」と前向きなコメントを出していますが、私はそれだけでは不十分だと思っています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">失敗は確かに学習の機会です。しかし「学習した」と言えるためには、何が問題だったかを明確にし、その分析を第三者が検証できる形で開示しなければなりません。「社内で知見を蓄積した」では、日本の宇宙開発全体が前進したことにはなりません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私が思い出すのは、福島第一原発事故の分析です。私自身も分析に関わりましたが、あれだけ明確な原因と改善提案があったにもかかわらず、15年経った今も提案の多くが実行されていません。担当者がどんどん変わるため、組織の中に教訓が根付かないのです。スペースワンが同じ轍を踏まないか、心配しています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">もう一つ指摘したいのは、技術的なノウハウの問題です。SpaceXやRocket Labが圧倒的な成功率を誇る中、日本の宇宙開発は「自前主義」にこだわりすぎているのではないでしょうか。世界から優秀な人材とノウハウを取り込むことを、もっと積極的に考えるべきです。挑戦する姿勢は尊重しますが、同じ失敗を繰り返していては、資源の無駄遣いになってしまいます。</span></p>
<h4><b>外国人の土地取得規制――「買う側」から「買われる側」になった日本の矛盾</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">政府が外国人による土地取得ルールを検討する有識者会議を設置し、安全保障上の観点から規制の必要性を議論し始めました。確かに自衛隊基地周辺などへの外資参入は慎重であるべきという議論はわかります。しかし私は、この問題には大きな「非対称性」があると感じています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">40年ほど前、日本が世界中の不動産を買い漁っていた時代を私はよく覚えています。ハワイのホテルはほぼ日本資本に買い占められ、ニューヨークのロックフェラーセンターは三菱が買収し、ロンドンの中心部も日本資本が次々と取得していました。あの頃、規制をかけられた側の国々が「日本に買われるのは安全保障上の問題だ」と声を上げても、日本側は「自由主義経済だから問題ない」と言っていたはずです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">日本が「買う側」として世界に展開していた時代の記憶を持つ世代として、この問題には強い違和感を覚えます。</span></p>
<h4><b>核のゴミ・南鳥島への申し入れ――「絶海の孤島」は救世主になるか</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">赤沢経済産業大臣が、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定候補として、東京都小笠原村の南鳥島での文献調査実施を申し入れると発表しました。文献調査に応じると20億円、次の概要調査では70億円が交付される仕組みです。人口2800人の小笠原村にとっては、一人当たり71万円から約250万円相当のお金が入ってくる計算になります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私はこのアイデア、実はそれほど悪くないと思っています。南鳥島は太平洋プレートの上に位置しており、火山地帯でもなく、地質的な安定性という観点からは一定の評価ができます。しかも現地には常住人口がほとんどなく、本土から1300キロ以上離れているという地理的条件も、最終処分場としての現実的な候補として考えうるものです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ただし、日本全体の問題として見た場合、最終処分場の問題がこれほど長引いているのは、政治的な合意形成のメカニズムが機能していないからです。世界でも最終処分場を確定しているのはフィンランドだけという現実は、この問題がいかに困難かを示しています。アメリカでさえあれだけ広大な国土を持ちながら決まっていません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">今回の北海道や佐賀のケースと同様、「調査は受け入れるが最終的にはノーと言える」という構造になっており、地方交付金目的の「とりあえず調査」で終わる可能性も否定できません。それでも、地質的に合理性のある場所に対して正面から議論を始めることは、問題解決への第一歩として評価したいと思います。</span></p>
<h4><b>旧統一教会・解散命令確定――40年遅れた当然の結末</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">東京高裁が旧統一教会（世界平和統一家庭連合）への解散命令を支持する判断を下し、宗教法人としての解散が確定しました。教団の資産約1000億円が被害者への弁済などに充てられる見通しで、一つの大きな区切りを迎えたことになります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私の率直な感想は「40年遅れた」というものです。この教団は戦後の歴史的経緯から日本への「恨み」を抱き、日本から資金をむしり取ることを組織的に行い、送金された資金の多くが韓国本部に渡っていました。その実態は以前から知られていたにもかかわらず、自民党との選挙協力関係が長年にわたって見て見ぬふりを続けさせてきた。その責任は重いです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">特に問題なのは、岸信介元首相から安倍晋三元首相まで続いた自民党との癒着の構造です。教団が選挙の票読みや運動員の提供を行い、自民党側がそれを利用してきた。この「共生関係」こそが、解散を遅らせ、被害者を増やし続けた根本原因です。高市早苗氏も関係があったとされており、今後の政治的な影響は注目されます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">韓国では法律的な根拠がなく解散に踏み切れていないという現実もあります。日本での解散は、韓国の一部の人々にとっては「よかった」と胸をなで下ろす出来事でもあるでしょう。今後は資産の弁済プロセスを着実に進めるとともに、こうした宗教的な詐欺的行為に対する法的・行政的な防止策を整備することが急務です。</span></p>
<h4><b>英国住宅ローン会社破綻＋ブラックストーン不安――リーマン再来の予兆か</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">英国の住宅ローン会社マーケット・ファイナンシャル・ソリューションズが破綻申請し、バークレイズなど多くの債権者の株価が急落しました。そのほぼ同時期に、米国のブラックストーンが運営する個人投資家向けプライベートクレジットファンドで解約請求が急増し、初めて資金の流出超過となったことが明らかになりました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">この二つのニュースが同じ週に出てきたことに、私は嫌なデジャブを感じています。リーマンショック前夜と酷似した構図だからです。サブプライムローンを細かく刻んでトリプルAの証券に組み替えて売り出し、それが弾けた時に金融システム全体を揺るがした、あの構造が再び顕在化しているのではないかという懸念です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">今回の問題の核心は「ノンバンク融資」です。銀行規制の外側にある融資の積み上がりが、担保の過大評価や内部統制の不備と組み合わさると、危機の連鎖が始まります。ブラックストーンのファンドからの資金流出は、投資家が「何かおかしい」と感じ始めたシグナルとも読めます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">世界最大級のファンドの一つであるブラックストーンがこのような状態になっているという事実は、市場参加者にとって無視できない警告信号です。リーマン時のような「低格付け債券の証券化による格付けロンダリング」的な要素がないか、規制当局と投資家が真剣に調査すべき段階に来ています。楽観的なコメントに流されず、しっかりとリスクを直視することが今求められています。</span></p>
<h4><b>韓国・50代起業ブームが日本に突きつける問いかけ</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">韓国の統計で、IT・専門人材による起業数が100万社を超え、創業者の最多層が50代（35%）であることが明らかになりました。財閥・大企業が役員の若返りを進めた結果、40〜50代の優秀な人材が出世競争に見切りをつけ、次々と起業に乗り出しているというのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私はこれを非常に興味深く見ています。韓国では「ヘル・コリア（地獄の韓国）」という言葉が若者の間で広まっていますが、優秀な中年層は「地獄に行く前に自分で道を切り開こう」と動き始めています。しかも彼らは、財閥系企業でグローバルビジネスを経験し、世界に出て戦ってきた実績を持っている。その経験と技術力を持った人材が100万社以上の新興企業を立ち上げているとなると、韓国経済の底力を侮れません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">翻って日本はどうでしょうか。日本でも確かに起業は増えていますが、中心は20〜30代の若年層です。50代の「大企業OB起業家」はまだ少数派です。終身雇用の崩壊が叫ばれて久しいですが、実際には「定年まで何とか会社にしがみつく」という行動様式がまだ根強く残っている。これでは韓国の「50代起業家100万社」という分厚い中間層の起業エコシステムは生まれません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">起業の成功は数の論理でもあります。多く生まれれば多く成功事例が出て、それがさらなる起業を呼ぶ正のスパイラルが生まれます。日本においても、大企業で培った経験・人脈・技術を持つ50代が積極的に起業できる環境を整えることが、経済の再活性化に向けた有力な処方箋の一つになるはずです。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2025年3月8日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" loading="lazy" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><span style="font-weight: 400;">─────────────────────────────────────</span></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>KON1121：地政学・経済・テクノロジーが交差する”転換点”の世界を読む</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5478/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 05 Mar 2026 02:30:15 +0000</pubDate>
				<guid isPermaLink="false">https://aoba-bbt.com/?post_type=ohmae_blog&amp;p=5478</guid>

					<description><![CDATA[イランへの先制攻撃とハメネイ師死亡── 約37年続いたイスラム共和国体制の終焉と、中東の地政学的大転換 イスラエルのカッツ国防大臣は2月28日、アメリカ軍と共同 &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4 class="text-text-100 mt-3 -mb-1 text-[1.125rem] font-bold">イランへの先制攻撃とハメネイ師死亡── 約37年続いたイスラム共和国体制の終焉と、中東の地政学的大転換</h4>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">イスラエルのカッツ国防大臣は2月28日、アメリカ軍と共同でイランの軍事施設に空爆を実施したことを明らかにしました。そしてトランプ大統領は同日、この攻撃によってイランの最高指導者ハメネイ師が死亡したと発表しました。1979年のイスラム革命後、1989年に最高指導者に就任したハメネイ師が約37年にわたって統治してきた神政体制が、一夜にして根底から揺さぶられたことになります。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">私がまず指摘したいのは「なぜハメネイ師は家族と同じ場所にいたのか」という素朴な疑問です。攻撃が予測されうる緊張状態にありながら、娘や孫まで同席させていたとすれば、指導者としての危機管理能力に根本的な疑問が生じます。これは体制の硬直性と内部機能不全を象徴しているとも言えます。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">体制崩壊後の展望については、不確実性が高いと見ています。革命防衛隊は依然として強力な軍事力を保持しており、トランプ大統領が呼びかける「国民蜂起」が容易に実現するわけではありません。人口約9,000万人を擁するイランは巨大な国家であり、内部変革には相当な時間と外部からの関与が必要です。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">今後の焦点は、大統領職のペゼシュキアン氏が権力を掌握して通常の大統領制へ移行するのか、それとも新たな宗教指導者がトップに就くという旧来の構造を維持するのかという点です。また、イスラエル・アメリカによる攻撃が「吉」と出るか「凶」と出るかは、数週間のうちに明らかになるでしょう。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">社会的に示唆されるのは、宗教的権威主義と核開発の組み合わせがいかに国際的孤立を深め、最終的に壊滅的な結末をもたらすかという教訓です。同時に、力による体制転換がその後の安定をもたらすとは限らないという現実も改めて問われています。中東の火種は、ハメネイ師亡き後も続く可能性が十分にあります。</p>
<hr class="border-border-200 border-t-0.5 my-3 mx-1.5" />
<h4 class="text-text-100 mt-3 -mb-1 text-[1.125rem] font-bold">中国のハイブリッド戦と台湾侵攻2027年説── 日本の国政選挙への介入と、半導体サプライチェーンを揺るがす地政学リスク</h4>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">日経新聞の分析により、今年1月の衆院選において中国系の約400のSNSアカウントが連携し、高市首相の印象を操作する工作を行っていたことが判明しました。AI生成画像も活用された巧妙な情報戦は、中国が常用する「グレーゾーン・ハイブリッド戦略」の典型例です。私は「労力もむなしく高市圧勝となった」と評しつつも、台湾などに対してははるかに大規模なハイブリッド戦が展開されていることへの警戒を促したいと思います。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">さらに深刻なのは、CIAが2023年7月、主要テック企業の幹部に対して「中国が2027年までに台湾へ侵攻する可能性がある」という極秘ブリーフィングを実施していたという事実です。当時のレイモンド商務長官が、台湾の半導体依存からの脱却に消極的な企業幹部に強い危機感を持たせるために開催したもので、アップルのティム・クックCEOが「その後は片目を開けて眠るようになった」と語ったとされます。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">私はこれに関連して、習近平が自らの3期目が終わる2027年までに台湾統合を望んでいると指摘します。反対する軍部はほぼ粛清されており、けん制が効かない状況になりつつあるとの認識です。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">一方、中国商務省は日本の三菱造船など20の企業・団体を輸出規制対象に指定しました。「日本の再軍備化と核への野心を抑制する」との名目ですが、私はこれを高市首相が非核三原則の見直しに言及したことへの反発であり、謝罪か撤回があるまで続くと見ています。レアアースなど他の日本企業にも影響が及ぶ可能性があり、政府レベルでの対応策が急務です。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">日本企業にとって、台湾有事リスクとハイブリッド戦争という二重の地政学的脅威をサプライチェーン戦略に組み込むことは、もはや選択肢ではなく必須事項になっています。</p>
<hr class="border-border-200 border-t-0.5 my-3 mx-1.5" />
<h4 class="text-text-100 mt-3 -mb-1 text-[1.125rem] font-bold">少子化加速と円安が示す「国力低下」の現実── 出生数70.5万人・実質実効為替レート50年ぶり最安値が物語るもの</h4>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">厚生労働省の2025年人口動態統計によると、出生数は705,809人と1899年の統計開始以来10年連続で過去最少を更新しました。特に深刻なのは、国立社会保障・人口問題研究所の推計より約17年も早いペースで少子化が進んでいるという事実です。婚姻数の増加が若干の歯止めになっているものの、根本的な趨勢は変わっていません。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">私は各国の対策の限界も指摘したいと思います。フランスが導入した「N分のN乗方式」（家族人数に応じた税負担軽減）は一時的に出生率を回復させましたが、時間とともにその効果は消えてしまいました。スウェーデンでも同様の傾向が見られます。先進国においては、いかなる政策的介入も長期的な出生率の改善には結びつかないという「恐ろしい現象」が起きているのです。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">この少子化と軌を一にするように、日本円の実質実効為替レートが67.73と1973年の変動相場制移行後で最安値を記録しました。実質実効為替レートとは各通貨に対する円の総合的な購買力を示す指標であり、バブル崩壊後の長期低迷と超低金利政策がその背景にあります。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">私が強調したいのは、円安を歓迎してきた日本の輸出産業・財界の体質が、結果として国力低下を放置してきたという構造的な問題です。タイへの旅行者が「こんなに高いの？」と驚く現実は、かつてとは全く逆転した日本の国際的地位を如実に示しています。インバウンド増加は「日本が安い国」になった裏返しに過ぎません。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">少子化と通貨価値の下落は、表面上は別々の問題に見えますが、どちらも日本社会の活力・生産性・投資力の低下という同一の根幹から生じています。根本的な構造改革なしには、この二重の衰退スパイラルから抜け出すことは難しいでしょう。</p>
<hr class="border-border-200 border-t-0.5 my-3 mx-1.5" />
<h4 class="text-text-100 mt-3 -mb-1 text-[1.125rem] font-bold">iPS細胞医療が世界初の条件付き承認へ── 心不全・パーキンソン病治療の扉を開く、日本発の医療イノベーション</h4>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">厚生労働省の専門部会は2月19日、iPS細胞を活用した再生医療製品2品目の製造販売を条件付きで了承しました。大阪大学発スタートアップ「クオリプス」の心不全向け心筋細胞シート「リハート」と、住友ファーマのパーキンソン病向け治療薬候補「アムシェプリ」の2製品です。いずれも7年以内に有効性・安全性を再検証することを条件とした「条件期限付き承認」となります。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">私はこれを「世界的に素晴らしいこと」と高く評価します。心臓のリプレイスメントとパーキンソン病という二つの深刻な疾患に対して、山中伸弥教授がノーベル賞を受賞したiPS細胞技術が実際の治療薬として認められたことは、日本の基礎科学研究が世界トップクラスであることの証明です。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">iPS細胞は患者自身の細胞から作製できるため、拒絶反応のリスクが低く、倫理的問題も少ないという利点があります。心不全は世界で3,800万人以上が罹患し、パーキンソン病も世界で600万人以上の患者がいるとされる難病です。これらに対する根本的治療法が確立されれば、医療費削減と患者QOLの劇的な向上が期待されます。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">課題は7年間の実証期間をどう乗り越えるかです。再生医療は製造コストが高く、普及・保険適用の枠組み整備が必要です。また、スタートアップ企業が長期の臨床検証を継続するためには、国や大企業からの継続的な資金支援が不可欠です。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">日本はiPS細胞技術で世界をリードしてきた一方、応用・実用化では海外勢に先を越されてきた歴史があります。今回の承認を起爆剤に、製薬企業・大学・規制当局が一体となってこの7年間で確実な成果を積み上げていくことが、日本の医療イノベーション産業の未来を左右すると言っても過言ではありません。</p>
<hr class="border-border-200 border-t-0.5 my-3 mx-1.5" />
<h4 class="text-text-100 mt-3 -mb-1 text-[1.125rem] font-bold">空飛ぶ車と自動運転── オリックスが20拠点整備、スカイドライブが東京で旅客実証——「空のモビリティ革命」は本物か</h4>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">「空飛ぶ車（eVTOL：電動垂直離着陸機）」の実用化に向けた動きが具体化しています。オリックスは2030年秋までにeVTOLの発着場を20か所整備する方針を固めました。大阪・関西万博での整備実績を活かし、大阪湾岸から瀬戸内海の観光地を結ぶ路線網の構築を目指すもので、IRとの連携も視野に入れています。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">一方、東京では三菱地所・兼松・スカイドライブの三社が東京都推進の実証実験を実施しました。スカイドライブ製の機体によるデモフライトに加え、チェックインから搭乗直前までの旅客体験を検証するターミナルを設置し、実際に人を乗せて運んだという点で注目されます。私は「マスコミの人たちも、この程度ならいいかなという評判だった」と比較的前向きに評価しています。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">他方で、アメリカではウェイモ（アルファベット傘下）の自動運転タクシー拡大計画がニューヨーク州知事に阻止され、自動運転全般にも逆風が吹いています。テスラの完全自動運転（FSD）は人間の5倍の事故率という報告もあり、技術の完成度への疑問符は消えていません。私の分析では、自動運転分野では中国勢が先行しつつあります。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">空飛ぶ車の本格普及には「静岡区間の通過問題でリニアがいまだ着工できないように、インフラ整備が想定より大幅に遅延する」というリスクが常に伴います。現に、リニア中央新幹線は南アルプス貫通工事の難しさから見通しが立たず、唯一未着工だった山梨県駅がようやく3月11日に着工予定です。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">日本の新モビリティは技術的には世界に肩を並べる水準にあります。問題は規制・制度整備のスピードと、継続的な民間投資の確保です。eVTOLが「夢の乗り物」から「生活インフラ」へと進化できるかどうか、今後5年間が正念場と言えます。</p>
<hr class="border-border-200 border-t-0.5 my-3 mx-1.5" />
<h4 class="text-text-100 mt-3 -mb-1 text-[1.125rem] font-bold">AI覇権競争── OpenAIの超大型増資、中国によるClaudeの不正蒸留、そしてAnthropicの安全指針緩和</h4>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">AI業界の覇権争いが新たな局面を迎えています。OpenAIはAmazon、エヌビディア、ソフトバンクグループを引受先とする増資で約17兆円を調達すると発表しました。未上場企業としては史上最大の資金調達であり、半導体・データセンターへの集中投資を通じて高性能AI開発を加速させる方針です。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">これに対抗する形でMetaはAMDと最大6ギガワット相当のAI半導体を5年間調達する約16兆円規模の契約を締結し、エヌビディア一極支配への対抗軸を形成しつつあります。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">一方、深刻な問題も浮上しています。Anthropicは中国のAI企業3社が同社のAIモデル「Claude」と1,600万回以上のやりとりを行い、その出力データを使って自社モデルを訓練する「蒸留」と呼ばれる手法で不正に能力を抽出していたと明らかにしました。私は「DeepSeekがアメリカのAIを蒸留してコストを大幅に削減したのと同じ手口」と指摘し、中国の技術獲得手法の巧みさを改めて警告します。皮肉なことに「日本はパクるべき企業さえない」とも言及しており、日本のAI産業の存在感の薄さが気になるところです。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">Anthropicはまた、安全指針を緩和することを発表しました。これまでは安全性を保証できない場合は開発を中断するとしていましたが、競合が高性能AIを開発した場合には競争力維持を優先するという方針に転換したものです。AI安全性と競争力の間のトレードオフに迫られる構図は、業界全体の課題でもあります。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">日本の総務省がAI-RANアライアンスに政府として初めて加盟したことは前向きなニュースですが、個別企業レベルでの投資規模には圧倒的な差があります。国家戦略として日本がAI時代に何を強みとするか、早急に問い直す必要があります。</p>
<hr class="border-border-200 border-t-0.5 my-3 mx-1.5" />
<h4 class="text-text-100 mt-3 -mb-1 text-[1.125rem] font-bold">トランプ政権の「友好的占領」と一般教書演説の空虚さ── ネットフリックス介入・キューバ発言・歴代最長の自己礼賛演説が示すトランプの本質</h4>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">トランプ大統領は一般教書演説で、関税政策によりアメリカ経済が「驚異的な回復を遂げた」と強調しました。歴代最長の1時間47分を費やした演説でしたが、私は「内容はない」と一刀両断せざるを得ません。自身の功績を際限なく列挙し、称賛しない議員を「バカ者」と呼ぶなど、品格を欠く振る舞いが際立ちました。世論調査でもこの演説の評価は低かったとのことです。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">より問題なのは、大統領権限の私物化とも言うべき行動です。ネットフリックスに対し、取締役のスーザン・ライス元国連大使を解任するよう要求しました。背景には、友人のラリー・エリソン氏の息子が主導するパラマウント・スカイダンス社によるワーナー買収案件へのてこ入れがあったとされます。大統領が民間企業の役員人事に介入するという前代未聞の事態に、私は「とんでもない」と強い懸念を示したいと思います。ネットフリックスが買収を取り下げると株価はむしろ回復し、市場も大統領の介入を「余計なお世話」と評価した格好です。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">キューバに対しては「友好的に占領するかもしれない」と発言しました。ベネズエラからの石油供給が途絶え、メキシコもアメリカの圧力で供給を停止した結果、深刻な経済危機に陥っているキューバへの影響力行使の意図を公言したものです。私は「友好的でない占領と何が違うのか」と皮肉りつつ、アフターケアなき力による支配の危うさを指摘したいと思います。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">FRBとの関係でも緊張が続いています。FOMCの議事要旨では、インフレが続く場合に利上げが適切になる可能性が示唆されており、利下げを強く求めるトランプと中央銀行の独立性の衝突が今後の焦点になります。</p>
<hr class="border-border-200 border-t-0.5 my-3 mx-1.5" />
<h4 class="text-text-100 mt-3 -mb-1 text-[1.125rem] font-bold">日本の輸出がイタリアに抜かれた衝撃——抹茶・商用車・自販機に見る産業競争力の明暗</h4>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">OECDの統計によると、2025年下半期（7〜12月）の輸出額でイタリアが日本を上回り、初めて半期ベースで逆転しました。イタリアは高級アパレル、ワイン、プロシュート、チーズ、メガネなど需要が揺らぎにくい高付加価値品を強みとし、トランプ関税の影響が大きい汎用製品とは一線を画した輸出競争力を発揮しています。イタリアのドル建て輸出額は同期間に約58兆円を記録し、日本の約57兆円を上回りました。私は「輸出のチャンピオンだった日本が、狭い高付加価値分野を持つイタリアにやられてしまった」と嘆かざるを得ません。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">東南アジア主要6か国での日本車の販売台数が2019年比22%減少し、中国EVメーカーにシェアを奪われている現実も重なります。かつて日本が築いたタイ・ベトナム・インドネシアでの市場は、低価格EVの攻勢によって急速に侵食されています。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">一方で、日本国内にも課題は山積しています。抹茶の海外需要が急拡大しているにもかかわらず、茶畑の摘採実面積は2015年比29%減少しており、生産が追いついていません。高齢化と人手不足が原因であり、私は「外国人労働者を静岡・鹿児島に入れなければ、輸出チャンスを逸する」と明快に指摘したいと思います。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">自動販売機事業では、伊藤園がドル箱と呼ばれた自販機75,000台の事業を子会社に移管する方針です。物価高でスーパーやドラッグストアへの消費者移動が加速し、補充要員の人件費・物流費高騰も重なり、かつてのビジネスモデルが通用しなくなっています。日野・三菱ふそうの統合によるトラック業界の再編も、産業構造の地殻変動を示しています。</p>
<p class="font-claude-response-body break-words whitespace-normal leading-[1.7]">イタリアに学ぶべきは、一つの都市・地域が一つのブランドを持ち、それを世界に発信する「地域密着型グローバル戦略」の徹底です。高付加価値でブランド力のある日本産品は数多く存在しますが、その磨き上げと輸出戦略が体系的に行われていない現実が、今回の数字に表れていると言えます。</p>
<p>&#8212;この記事は2025年3月1日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" loading="lazy" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
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		<item>
		<title>KON1120：関税違憲判決、エプスタイン波紋拡大、NATO縮小要求が示すもの</title>
		<link>https://aoba-bbt.com/ohmae_blog/5465/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[master]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 26 Feb 2026 00:45:41 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[ベネズエラ情勢 ── マドゥーロ拘束後も変わらない現実 先月、アメリカ軍がベネズエラに軍事介入し、マドゥーロ大統領を拘束しました。石油産業での雇用増加や、銀行が &#8230; <span class="c-button is-more">続きを見る</span>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h4><b>ベネズエラ情勢 ── マドゥーロ拘束後も変わらない現実</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">先月、アメリカ軍がベネズエラに軍事介入し、マドゥーロ大統領を拘束しました。石油産業での雇用増加や、銀行が一般市民にもドルを売り始めるなど、一部で変化の兆しが見えています。しかし私は、この「変化」には懐疑的です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">治安部隊を率いるカベジョ内務法務大臣がそのまま残っており、政治犯としてマドゥーロ政権に反対した約800人が未だ拘束されたままです。トランプ政権はマドゥーロを逮捕したものの、新政権の樹立を支援せず、ノーベル平和賞受賞者のグアイドを支持する姿勢も見せていません。本質は何も変わっていないのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ベネズエラからの難民は782万人に達し、スーダンを上回って世界最大規模です。コロンビアを中心に周辺国へ逃れた人々の生活は依然として厳しい状況にあります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私が最も問題視しているのは、この軍事介入の真の動機です。トランプファミリーがベネズエラのLNG・原油の利権を確保し、アメリカの石油会社が手を引いた資源をインドなどに売りつけようとしている構図が浮かび上がっています。トランプ大統領の親族もこの利権に関与しているとされ、「ベネズエラの解放」が実はファミリービジネスの拡大に過ぎないのではないか。油ぎった話が聞こえてきます。</span></p>
<h4><b>トランプ関税に違憲判決 ── 最高裁の歯止めと迷走する政策</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">アメリカ連邦最高裁は2月20日、相互関税を課す権限はトランプ大統領にはないとする画期的な判決を言い渡しました。IEEPA（国際緊急経済権限法）に基づき、議会の承認なく関税を発動したことが大統領権限の逸脱に当たると判断されたのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし翌21日、トランプ大統領は別の法律を根拠に全世界を対象とした追加関税を発表。当初は一律10%と述べながら、翌日には15%に引き上げるなど、政策の一貫性が大きく揺らいでいます。私に言わせれば、信憑性がガクンと落ちたと言わざるを得ません。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">さらに衝撃的だったのが、ニューヨーク連銀が発表したレポートです。関税負担の実に9割がアメリカ側の負担になっているという分析結果が示されました。トランプは「関税は相手国が負担する」と言い続けていますが、それは嘘です。輸出国側がわずか5%程度しか出し値を下げていないのに対し、アメリカの輸入業者や消費者がほぼ全額を負担しているのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">このレポートに対し、ハセット国家経済会議（NEC）委員長は「最悪の論文」と批判し、「関わった人々は処分されるべき」と発言しました。論文を書いただけで処分しろというのは、もうトランプと同じ頭の構造です。事実に基づく分析を認めた上で議論すべきなのに、事実を封殺しようとする。これこそが最大の危機です。</span></p>
<h4><b>日本の対米投資84兆円 ── 不透明な負担構造と「成果」の実態</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">トランプ大統領は2月17日、日本による対米投資約84兆円の第一号として三つのプロジェクトを発表しました。オハイオ州のガス発電施設、テキサス州の原油積み出し港、ジョージア州の人工ダイヤモンド製造施設です。トランプ氏は「関税なしには実現し得なかった」とその成果を強調しました。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">しかし私が最も疑問に思うのは、「誰がこのお金を負担するのか」という点です。これが依然として不明なのです。日本の関連企業は名を連ねていますが、これらの企業は日本政府が費用を負担すると考え、それに便乗しようとしているのではないでしょうか。つまり、日本企業もたかっているのではないかと私は見ています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">もしこの構図が正しければ、5兆円規模の投資がアメリカになされるとしても、アメリカが一銭も出さず、日本政府の資金を日本企業が受け取るという奇妙な状況が生まれます。当然、アメリカ側からは「アメリカ企業への恩恵はないのか」という声が上がるでしょう。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">さらにトランプ大統領の理解不足も気になります。テキサス州の原油積み出し港のプロジェクトについて、トランプ氏は「LNGの輸出」と説明しましたが、実際は石油の積み出し施設です。AI関連のデータセンター急増によるアメリカの電力不足を補うための発電事業など、実態を正確に把握しないまま「自分の関税のおかげ」と喧伝している。この人はどうも理解していないのです。</span></p>
<h4><b>米台貿易協定と中国訪問 ── トランプ外交の「使い分け」戦略</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">アメリカと台湾は2月12日、先月大枠で合意した貿易協定に正式署名しました。アメリカが台湾に課していた20%の相互関税を15%に引き下げる代わりに、台湾は半導体を中心に約38兆円の対米投資と、エネルギーや航空機など約13兆円分の購入を約束するという大型の取引です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">台湾にとってアメリカは最大の輸出先であり、電気製品、特に半導体が主力商品です。一方、アメリカからは食料品や武器を輸入しています。しかし台湾にとって</span><span style="font-weight: 400;">輸入を含めた</span><span style="font-weight: 400;">最大の貿易相手は依然として中国であり、この三者間の力学がトランプ外交の「使い分け」を生んでいます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">私が注目しているのは、3月末に予定されているトランプ大統領の中国訪問です。習近平主席との会談を控え、トランプ政権は台湾との関係を一時的に抑制する姿勢を見せています。台湾に武器購入を求めておきながら、台湾が購入の意思を示すと一時中断する。中国が文句を言っているからだ、というわけです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">つまりトランプ大統領の頭の中では、中国訪問を成功裏に「儀式化」し、「俺のおかげで中国がおとなしくなった」というストーリーを作ることが最優先なのです。台湾への武器輸出はその後でいいという判断であり、同盟国・パートナーの安全保障よりも自身の政治的演出が優先されている。これがトランプ外交の本質です。</span></p>
<h4><b>「逸脱の常態化」── FT紙が警鐘を鳴らすトランプ暴走の構造</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">フィナンシャル・タイムズ紙が発表した「逸脱の常態化（Normalization of Deviance）」に関する論文は、今週最も重要な指摘の一つです。私もこの概念は非常に重要だと考えています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">「逸脱の常態化」とは、人々が逸脱行為に慣れ、直接的な損失や被害が見えない限り、その逸脱が社会的に許容されていくプロセスを指します。まさに現在のアメリカで起きていることそのものです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ヘッジファンド・シタデルのグリフィン氏のように、トランプ政権に対し「企業にとってもアメリカにとってもマイナスだ」と公然と苦言を呈する経済人はいます。しかし大多数のビジネスリーダーや政治家は沈黙を続けています。トランプがおかしいぞ、やめろ、と言わなければならないのに、みんな黙ってしまう。これが問題の核心です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">トランプファミリーが</span><span style="font-weight: 400;">私腹を肥やしているとも受け取れかねない施策や</span><span style="font-weight: 400;">、科学的根拠に基づく政策の撤回、他国の主権に対する無理解など、数々の逸脱行為が積み重なっています。にもかかわらず、アメリカの言論界、政界（民主党を含む）、そして市民社会がこれを放置していることこそが、トランプの暴走を許している最大の原因なのです。私もそう思います。トランプの暴走を許しているのは、やはりアメリカ社会全体の沈黙であると。逸脱そのものが「新しい常識」として定着してしまう前に、声を上げることが求められています。</span></p>
<h4><b>温暖化対策の根拠撤回とゴーディーハウ橋問題 ── 科学と常識からの逸脱</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">トランプ大統領は2月12日、EPA（環境保護局）が2009年に示した温暖化ガスの危険性に関する科学的認定を撤回しました。CO2やメタンなど6種類の温暖化ガスに対する排出規制の根拠となってきたこの認定を、「事実面でも法律面でも全く根拠を欠いている」と切り捨てたのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ちょっと待ってほしい。トランプ大統領はこうした科学的論文をちゃんと読んでいるのでしょうか。パリ協定は何だったのか、京都議定書は何だったのか。膨大な科学的知見を一大統領の判断で否定することがどれほど危険か。軍事基地で石炭使用を推進する大統領令に署名し、「石炭とはなんと美しい言葉だ」と語る。これはまさにFT紙が指摘する「逸脱の常態化」の典型例です。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">もう一つ、国際常識からの逸脱を象徴するのがゴーディー</span><span style="font-weight: 400;">・</span><span style="font-weight: 400;">ハウ橋の問題です。ミシガン州とカナダ・オンタリオ州を結ぶこの橋は、既存のアンバサダー橋やデトロイト＝ウィンザートンネルだけでは慢性的な交通渋滞を解消できないため、カナダ政府が全額を負担して建設しました。当初は米加折半の計画でしたが、アメリカが断ったため、カナダが単独で建設に踏み切った経緯があります。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ところがトランプ大統領は、この橋の半分はアメリカのものだと主張し、通行を認めない姿勢を見せています。資金を全額カナダが出したのに「俺のものだ」と言う。頭がおかしいとしか言いようがありません。科学の否定も、他国が建設した橋の所有権主張も、事実に基づかない強引な態度という点で根は同じです。</span></p>
<h4><b>エプスタイン文書の波紋拡大 ── 英王室からオリンピックまで</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">エプスタイン事件の影響がかつてない規模で拡大しています。イギリス警察は2月19日、チャールズ国王の弟アンドリュー元王子を逮捕しました。アフガニスタン復興に絡む機密情報をエプスタインに提供した疑いに加え、性的虐待の疑惑も報じられています。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">この事件の裾野は広い。アンドリューの元妻セーラは離婚後、エプスタインに結婚や雇用を求める手紙を送っていたことが判明し、2人の王女の称号剥奪まで議論されています。ウォール街にも波紋は及び、ゴールドマン・サックスのルームラー氏はエプスタインとの関係で辞職を余儀なくされました。大物タレントエージェントのワッサーマン氏はマクスウェルとの親密な関係が発覚し、ロサンゼルスオリンピックの大会委員長辞任を求められています。ハイアットのオーナーであるプリツカー氏も関与を深く後悔し辞任に至りました。</span></p>
<h4><b>NATO縮小要求とトランプの世界二分割構想</b></h4>
<p><span style="font-weight: 400;">政治メディア「ポリティコ」が2月19日に報じたところによると、トランプ政権はNATOに対し、イラクやコソボで展開している域外活動の大幅縮小を求めています。NATOを欧州大西洋地域の防衛に特化した同盟に「原点回帰」させる狙いとされ、7月にトルコで開催予定のNATO首脳会議には、ウクライナや日本を含むインド太平洋4カ国を招待しないよう働きかけているといいます。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ここにトランプ大統領の頭の中がはっきり見えます。NATOの東方拡大を阻止するという主張は、まさにプーチン大統領がウクライナ侵攻の理由として掲げてきたものと同一です。NATOは「北大西洋条約」なのだから大西洋に集中しろ、東に浸透するな。これはプーチンが言い続けてきたことそのものであり、それをトランプが代弁しているのです。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">ここから見えてくるのは、トランプとプーチンが暗黙のうちに世界を分割する構想です。トランプは西側全体を押さえ、プーチンはNATOの東方拡大を封じ旧ソ連圏を確保する。ゼレンスキーには領土の譲歩とNATO非加盟を求める。残りは中国と分け合う。</span></p>
<p><span style="font-weight: 400;">このきわめて単純な三極構造の世界像が、各種の政策判断の背後に横たわっていることが、今週のニュースを通じてはっきりと見えてきました。日本がインド太平洋の一員としてNATO首脳会議から排除される可能性は、日本の安全保障にとっても極めて重大な意味を持ちます。私たちはこの世界秩序の再編を注視し、日本の立ち位置を改めて考える必要があります。</span></p>
<p>&#8212;この記事は2025年2月22日にBBTchで放映された<a href="https://bb.bbt757.com/kolive/?_ga=2.197486639.1266471034.1715034600-1855593559.1691658667">大前研一ライブ</a>の内容を一部抜粋し編集しています。</p>
<p><a href="https://bb.bbt757.com/kolive/index.html"><img decoding="async" loading="lazy" src="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg" alt="" width="980" height="654" class="alignnone size-full wp-image-2968" srcset="https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1.jpg 980w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-512x342.jpg 512w, https://aoba-bbt.com/wp-content/uploads/2024/05/img-founder-program-01-1-768x513.jpg 768w" sizes="(max-width: 980px) 100vw, 980px" /></a></p>
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